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青春小説の秀作。全校生徒が一昼夜かけて約80Kmをひたすら歩く「歩行祭」という特別な時間・空間環境を設定することで、高校生達の友情、葛藤、微妙な心のゆらぎなどを凝縮した形で鮮やかに描くことに成功している。キャラクターがややきれいに形作られすぎているきらいがあり(今時の高校生というリアル感には欠ける)、同時代の人間の支持がどこまで得られるかはわからないが、逆に年齢を経た読者ほどノスタルジックに感情移入できるのではないか(私もその一人)。ちなみに、本書の「歩行祭」のモデルになっているのは著者の母校である茨城県水戸一高の「歩く会」。実際に一昼夜かけて約75Kmを歩く名物行事らしい。
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恩田さんの作品らしい、限定された空間と時間の中で繰り広げられる物語。
歩行祭前の心境や、疲労のピークにさしかかった時の状態が、濃やかに描かれている。そのどれもが思わず頷いてしまう経験のある心情で、マラソンを走っているときのあのいや〜な疲労感を思わず思い出してしまった。(苦笑)
貴子の性格は、自分に置き換えられる点も多くて、「何か言われても、暫く経ってからだんだん腹立ってきたりするの。しょっちゅうだもん。『そういうえば、あの時なんだかひどいこと言われたような気がする。畜生、ひどいこと言われた』って。」という言葉には、思わず笑ってしまった。わかるよ、私も反応マンモスだから!と思って。(笑)
「図書室の海」には、この話の予告編の「ピクニックの準備」が収録されてたと思う。そっちを読んでからの方が期待は増す?かな?(曖昧な・・)
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目的地に向かって一日中歩き続ける歩行祭。 精神的・体力的疲労が細かく書かれていて、マラソンなんかした時の自分と共有できる部分が多々あった。
貴子の’賭け’は何となく想像できてしまったので、もっと意外な展開があったらよかったかも。
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2005年1月2日から12日。
友人の義夫君から借りた。
恩田陸さんの文章はあまり馴染まないな。ゴツゴツしている感じがして、でもそれは引っ掛かりがあるっていうわけじゃなくて。
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恩田さんの巧みな展開には脱帽です。高校生を描く作品がわりと好きです。これからがとても楽しみな作家さんです。
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初・恩田陸。
本の雑誌等で影響を受け期待大で読んだのだけれど、期待しすぎた感じ。
ただ一箇所、とても心にしみる言葉があってそのためだけにこの本を読んでよかったと思いました。
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某クリエイターが最近感動したと言ってたので読みました。高校生っていいな〜!あたしの高校時代・・・笑い優先・・・恋は3の次くらい・・・?汗
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話のあらすじ(ネタバレ無し)は
『80キロという距離を昼夜かけて延々と歩く歩行祭。各自が様々な想いを抱きながらこの行事に参加している中、主人公の貴子とて例外ではなかった。彼女も歩行祭の間に1つの賭けを胸に秘めていた―そう、3年間のわだかまりを清算するために。』
というようなもの。本文中に
「みんなで夜歩く。たったそれだけのことがどうしてあんなに特別のことなんだろう」という記述があるとおり、この本を読み終えた後、私にはこの歩行祭が特別なものとして胸に残りました^^
また、本の帯に「いつまでも読み続けていたい小説だ」と書いてあったのですが、読んでみて本当にその通りだと思いました。事実、私はこの本を読み終えるのが惜しくて、敢えて3日間かけて読みましたから(笑)
是非、高校生の方にも読んでもらいたい1冊かも☆^^
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2005年度本屋大賞の大賞作品。書店員さんの投票によって決められる作品賞なので評論家が決めるものと違って前線の人の意見なのが、良い気がする。高校生活最後の歩行祭、1昼夜を歩くなかでの、それぞれの思いが交差する。異母兄弟がお互いを見つめなおす交差。友達の思慮が交差。小さな転機がそれぞれを成長させていく。良品でした。
<5>
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恩田陸の夜のピクニックを読みました。高校生の主人公たちの気持ちが伝わってくる素晴らしい物語でした。それぞれ意識しているけど融和できない異母兄弟である二人の主人公が、歩行祭という名の高校最後の昼夜歩きとおすというイベントの中で互いに認め合う、という物語でした。登場する友人たちや友人の弟も魅力的で、久しぶりに物語を堪能しました。昨年末にラジオ番組アヴァンティで紹介されていたので読んでみましたが、納得しました。早速おすすめの本にのせてしまおう。
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2005年本屋大賞受賞作。
第26回吉川英治文学新人賞受賞作。
もし異母兄弟が同じ学校、同じ学年、同じクラスにいたらどんな感じなんだろう?
「夜のピクニック=歩行祭」は私の学校では「強歩大会」と呼ばれていました。
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本屋大賞ノミネートをきっかけに読んだ。
その後、大賞受賞。
物語の語り手・西脇融は高校最後の行事として、「歩行祭」に参加。
「歩行祭」とは北高のイベントで、朝の8時~翌朝の8時まで夜通し歩くという何ともとんでもない行事(恩田陸さん曰く、本当にあった行事らしい)。
合間合間に休憩をはさみ、夜中に数時間の仮眠を取れるものの、ずっと歩きっぱなし。
物語はこの行事が一冊に詰まっている。
さて、融には親友の忍にも話していない、ひとつの秘密があった。
同じく、もう1人の物語の語り手・甲田貴子にも秘密があって・・・。
物語はゆっくりゆっくり進む。
でも、丸一日分がきっちり詰まっていて、まるでいっしょにこの行事に参加しているような気持ちになる。
正直、最初のあたりではあまりこの作品が「大賞」だと思うほどに面白いとは思えておらず。
どこで変換されたのか謎ながら、読み終えた時、何だかすごくすっきりした気分に。
融と貴子の関係に歯がゆくなっていたんだろうか。
彼らの友人の忍や美和子、そして、遥かアメリカに住んでいる杏奈。
高校生の彼らが「現在」をとても大切に育んでいることを感じられる、爽やかな作品。
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万人に薦められる爽やかな青春もの。歩行祭、道を歩む過程に人間関係や高校3年間が集約された話にどんどん引き込まれ、自らの青春を懐古するくらいだった。
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とにかく登場人物がさわやか!
夜通し歩くことで、いつものクラスメイトが見せる「学校の顔」以外のことに気づいてしまったりする。
足の疲れとは反比例して悩みがすっきり片付けられていく様子が読んでいて気持ちがいいです。
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読んでいるうちに、自分も彼らと一緒に歩いている感覚になる。歩き疲れた頭の片隅で「何か話題ないかな喋んなきゃー」なんて考えながらも言葉が出ないあの何とも言えない感覚とか、融と貴子の間に流れるピリピリとした緊張感に一緒にハラハラしてみたりとか、並んで歩く融と忍の二つの背中と、自分との距離のもどかしさとか。それくらいに入り込んで読めてしまった。
なのに、忍の貴子への告白とか、杏奈ちゃんの想いとか、融と貴子のゆるやかな和解を目にして、合間合間で傍観者に引き戻されたりもする。そしてその時の感覚が、不快じゃないのが自分でも不思議だった。
序盤からクライマックスまで永続的に流れる空気や、出てくるキャラ達、全てがどこかファンタジックで夢物語のような印象。
けれど随所に、よくあるよなと思えるようなところが散りばめられている。空気読まないで融にアタックしまくりのぶりっ子ちゃんとか、こういうタイプはけっこう居たよね。
一見無いように見えて、実はちらちら見え隠れしているリアリティ。
その心地よい曖昧さがとても魅力的だった。人間のにおいがしないのに、体温は感じる、例えるならそんな世界。
好きすぎて宝物化した本です。
個人的に忍がとても好き。貴子とくっついてー!