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「心のノート」の方へは行かない みんなのレビュー
- 岩川 直樹 (編著), 船橋 一男 (編著)
- 税込価格:880円(8pt)
- 出版社:子どもの未来社
- 発行年月:2004.7
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紙の本
政府に都合の良い国民づくりめざした、現実を見ない「心のノート」
2004/09/20 07:52
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:未来自由 - この投稿者のレビュー一覧を見る
教科書でも副読本でもない。教科書検定の対象でもなくチェックシステムもない「心のノート」。この「心のノート」とは何なのか。何を目的とし、子どもたちに何を伝えようとするのか。
すでに「心のノート」に対する問題点や批判があちらこちらで言われている。本書は5人の執筆者がそれぞれの専門分野から、「心のノート」の内容と問題点を指摘する。
「『心のノート』は、そのほとんどが脱文脈的なイラストや抽象的なスローガンで構成されている」「『心のノート』はいっさいの検討や話し合いを飛ばして、抽象的なスローガンが一方的に子どもに与えられる」
「心のノート」は、道徳の問題をもっぱら「心」の中の問題へと還元し、現実に生きている社会や人間関係などを考慮していない、という。
いたるところで問いは発せられるが、その問いに対する検討はなく、一方的な答えのみが示されている、という。
「自分の心を善悪二つに割って、その一方をたたくことでひとは道徳的に成熟するのか」「思春期の子どもや若者が必要としているのは、心を分割する姿勢の強化ではなく、自己を統合する葛藤との共鳴ではないのか」
読めば読むほど、「心のノート」は一方通行の押し付けものという印象を受ける。そして、現実に子どもたちが悩み、迷い、葛藤するなかで成長していく手助けになるとは思えない。
悩む過程も成長の過程に必要であるが、「心のノート」は悩むことさえ許されない。
たとえば「笑顔でい続ける」ことが善であり、そうでないことは悪というような決め付け方である。はたして人間が生きていくうえで笑顔だけで生きていけるだろうか。悲しみや苦しみ、時には怒りにさえ、生きるうえで必要なことがある。
そんなことをまったく考えない「心のノート」。その狙いが政府に都合の良い国民づくりと、方々で指摘されているが、それしか考えられない内容である。
人間とは何か、人の成長とは何かを、あらためて私達が考えることが必要だろう。
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