紙の本
この物語の山場
2009/08/16 20:38
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この呪術による戦いと武力による戦いと二つの闘争が繰り広げられる、この物語の山場である。主要な脇役のほとんどが死んでしまう。ところが最大の敵役が二人生き残っている。最終巻である次の13巻では、この二人を孔子と顔回の主人公側が倒すことになるにしても、孔子が魯を逐われ流浪の旅にでることになるのであろうが、どのような展開になるのか、先が読めない。
呪術の戦いと武力の戦いの比較をしてみるのもよいし、各登場人物の立場立場による思いや心の動きがどう書き表わされているかを吟味してみるのもよい。どのように読んでみるにしても、面白い伝奇小説である。
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酒見賢一の陋巷に在り 聖の巻を読みました。顔回の物語12巻目です。とうとう、顔儒の邑も滅びてしまいましたが、いつの日か復活するための試練であれば仕方がないのでしょうか。子容の最期がちょっと物足りなかったですね。顔回もいたのだからもう少しいろいろあってもよかったような気がします。
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尼丘と成城の攻防戦がともに終息します。
改革するためには古きものを潰さねばならない。その過程で大きな犠牲を生む。その犠牲を払ってまで改革する価値があるのか、指導者は思い悩むことになる。現代にも通じる理ですね。
子蓉は尼山の神に命を受けたのですが、それが具体的に何だったのか謎です。
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顔儒の里、尼丘の崩壊。
死力を尽くした長老たちの封鎖の呪を突破して、山上の祠に向かう悪悦の恐ろしさときたら、夢に出て来そうだ。
妹の子蓉は、駆けつけた顔回の腕の中で息絶える。
一転して成城攻めの場面。
忠義の気持ちから、敢えて主君孟懿子に背き籠城する處父。
攻める盟友の景伯は、處父を惜しみ、何とか投降させようとするが、うまくいかない。
處父も彼に従って戦い抜こうとする民を裏切れず、投降できないところに追い込まれている。
そこで景伯がとった策は――。
ここいらは、男の意地に泣くところ、だろうがねぇ。
私は若干引いてしまった。
人の命が軽く扱われすぎだ。
孔子は、急いて事を運んだために處父の乱、引いては尼丘の滅亡を引き起こしてしまったと自責し、病む。
病が癒えかかったところで、尼丘へ行き、とうとう顔回と再会する。
というところで、主人公らしくない主人公、顔回が次巻ではいよいよ舞台に上がってくるのだろうか。
そういえば、すべての文庫本の巻の表紙を飾ってきた諸星大二郎のイラスト。
本巻では...これは、悪悦かと思われるが…。
コワい。
コワすぎる。
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中華大スペクタクル物語12巻。妖艶な美女は重要な役目を果たし、果てる。
孔子の故郷、尼丘は滅びる。
まさしく本長編のクライマックスシーンであろう。
そして訪れた静寂の中、最終巻へ進む。