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この悪人にどうしても惹かれる、グロスター公リチャード。
史劇は歴史がわからないと難しい。先に解説の家系図をよく見た方がよいかも。リチャード三世は醜いようですが、どっこい、黒いイケメンに思えてくるのは、読書ならでは。
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シェイクスピア『リチャード三世』新潮文庫 読了。王位への野心に燃える主人公が権謀術数の限りを尽くす史劇。狡猾かつ残忍な悪役でありながら、目的のためなら手段を選ばず邁進していく姿勢にはむしろ清々しささえ感じる。悪党なりの首尾一貫した生き方が魅力なのかもしれない。観劇の予習を兼ねて。
2017/09/06
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シェイクスピア 「リチャード三世」
いろいろな見方があるのかもしれない。解説者は 史劇、復讐劇 と見ている。ピカレスクとしてリチャード三世を英雄視する読者もいる
私は この物語を 悲劇として捉えた。リチャード三世を人生の失敗者とみている。
*自分で自分を呪う人生
*母から自分の死を望まれる人生
*自分が死んでも誰も悲しまない人生
*最期の言葉「馬をくれ、代わりに国をやる」〜手段を選ばず 手に入れた王位の価値が 馬より低いこと に気付いた人生
から考えると「リチャード三世」は 悲劇としか思えない
解説者は リチャード三世のハンディキャップ(コンプレックス)と悪事は結びつかないと捉えているが、リチャード三世の破綻的な人間性のキッカケは それ以外 考えられない
リチャード三世の悪党な名言「聖書の言葉を借用し〜己が悪事の素肌に衣を着ける〜それでけっこう聖人に見えるのだ。そのときこそ、俺が悪魔の役になりきっている最高の瞬間だ」
マーガレットの預言的な名言「高い樹は風あたりが強い。それがひとたび倒れれば木端微塵に砕け散る」
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陰謀を極めると、逆に自分も謀られてるのかと猜疑心が募り、そこから人心は離れていく。主人公は非情な悪魔に見立てられているが歴史上の解釈は様々であろう。冒頭の不具であったという話題はその後触れられない。成育上の心の歪みに繋がったと言いたいのだろうか。2020.6.20
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英米演劇入門? みたいな講義で読み解いた作品。
王に成り上がり、しがみつき、それでも襲ってくる盛者必衰の理に翻弄される物語に胸が踊ります。
馬は来ない。絶対来ない。
野心たっぷりの主役たちが魅力的です。
また白水社から出版されている小田島雄志先生の翻訳は音読してテンション上がる台詞回しなのでそちらもオススメ!
(LA学群卒:湯けむり山荘)
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『薔薇王の葬列』に感化され読了。
元々、翻訳物が苦手でミュージカルや演劇も避け気味。そんな訳で充実した読破では無かったけど。
それでも、上品目?の罵詈雑言、近親間の殺戮。悲劇っぷりは理解した。
『薔薇王の葬列』作家さんの想像・創造力に脱帽。
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グロスター公リチャードは、兄のエドワード4世王が病に倒れると、陰謀を企て、次々に邪魔な継承者を殺しリチャード3世として王位につく。権謀術数で部下を使って、次々と王位関係者を罠に嵌め言いがかりで死刑にあるいは暗殺していく。徹底的な悪人のリチャードだが、権力に取り憑かれた人間の欲望が生々しく描かれている。登場人物が多いが、騙し裏切りの連続で途中からスピードで読めた。
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歪んでいる、びっこだ、そばを通れば、犬も吠える。そうさ、そういう俺に、戦も終わり、笛や太鼓に踊る懦弱な御時世が、一体どんな楽しみを見つけてくれるというのだ。日なたで自分の影法師にそっと眺め入り、そのぶざまな形を肴に、即興の小唄でも口ずさむしか手はあるまい、口先ばかりの、この虚飾の世界、今さら色男めかして楽しむことも出来はせぬ、そうと決まれば、道は一つ、思いきり悪党になって見せるぞ、ありとあらゆるこの世の慰みごとを呪ってやる。
2019/11/4読了
……リチャード三世って、本当は良い王様だったんでしょ。文学史上に燦然と輝く名悪役として人々の記憶に刻まれたところで、御本人は草葉の陰で泣いているに違いないと思ってしまうのである。
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さすがシェイクスピア。翻訳にも関わらず文章が美しい。人間同士の闘いのシーンを描ききったのは秀逸。物語として舞台になることがよくわかった。リチャード三世のキャラクター性に心惹かれた。少し行動力が増した気がする。
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シェイクスピア作品のなかでも死者数が最も多いと言われる悲劇作品。その主人公リチャード三世は、あらゆる文学作品のなかでも最大の悪人だと言われており、実際に本作を読んでいくと、確かにそのような見方をされても無理はない。リチャード三世の一連の行動に注目すると、リチャード三世は、自身の敵となる者に対して容赦なく潰しており、そこから、マキャベリ『君主論』の内容を実践する、いわゆるマキャベリストと見なされる。権力を巧みに行使して、相手を徹底的に潰す様子は、人間がどれほど恐ろしい存在であるかがよくわかる。とくに権力者が客観的に見て悪人である場合、人間に対してどれほどひどい仕打ちを与えるのかが本作から伝わる。
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悪に染まる宣言から始まる冒頭の掴みが秀逸!
最初に独白する劣等な境遇に共感する読者は意外に多いような気もします。悪党を志す邪なキャラクターを主人公に据えた物語は史上初だったのでは?と関心する構成。
王族に生まれながら、悪行に身をおかねばならなかった悲劇の物語とも読み取れます。王族のランカスター家、ヨーク家も元を辿れば一人の王に行き着きます。短い期間で両家から幾人もの国王が生まれ敗れていく。(薔薇戦争)
その最終走者がリチャード三世。王族をとりまく諍いの火種をひとつひとつ消していく悪行は権力の行き所をシンプルさせていきます。
この冒頭の独白は国王を目指す覚悟の宣言であり、その後の諸行は国王になるためのプロセスだと捉えると更に面白く感じられると思います。
この戯曲のテーマはテューダー朝が起こる英雄譚の裏にあるBサイド(Badサイド?、Blackサイド?)を描く!にあったと思います。