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紙の本
お話としては並のできでしょう。おまけに探偵、すこしも美形じゃないし。でも、謎解きは見事、思わず腰抜かしましたです
2006/04/07 19:43
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
飛鳥部ですが、98年に第9回鮎川哲也賞受賞をとった『殉教カテリナ車輪』を読んで以来、特に読もうとして来なかった作家です。受賞作についていえば、タイトルが刺激的で、それから多分、北見隆が装画を描いていた、そんなこともあってかなり魅力的な姿になっていたのが印象的でした。
文章もそれなりに上手かったな、とは思うんですが、小説としての魅力、特に人物造形に面白味がなかったんだと思います。創元クライム・クラブの一冊なので、カバー表の折り返し文を書いておきましょう。
「私は遠隔のこの地にいたまま、目的の人物を思念によって殺してみせる」降霊会の夜、霊媒師によって宣言された殺人予告と、その恐るべき達成。すべての家具が外に運び出された状態の家の中で首を吊って死んでいた男。密室状態の現場。踏み台にされたレオナルド・ダ・ヴィンチの手稿本と鏡文字の考察。第二の不可能犯罪の勃発。そして《読者への挑戦》 。本当に犯人は霊媒師なのか、違うとすれば果たして犯人は誰なのか?〈さかさま〉尽くしの大胆不敵な事件に挑む美形の芸術家探偵・妹尾悠二の活躍を描いた、鮎川哲也賞受賞作家の鮮やかな本格探偵小説。」
カバー後の折り返しは
「この『レオナルド事件』ほどに奇妙な、そして強烈な印象を与える犯罪は少ない。
これはまた『遠隔殺人』なる副題をつけてもよさそうな犯罪であり、さらにいえばそのサブタイトルが『霊魂殺人』や『さかさま殺人』であったとしてもいっこうにかまわない、摩訶不思議な、奇妙奇天烈な、複雑怪奇な殺人事件であった。」
主人公は真壁辰巳という『北陸ジャーナル』に入ってきた新人で20代後半、その真壁に好意を抱いているのが同じ『北陸ジャーナル』に籍を置く三輪朋江です。
で、殺人の引き金となる降霊会を主催したのが脚本家の鍵谷隆です。霊を降ろす場所を提供したのが、霊の存在を否定している引退したプロデューサーでコレクターの70近い清水大五郎で、彼にはもっと年上に見える妻正子がいます。降霊会に招待されたのが鍵谷と犬猿の仲といってもいいカメラマンの梶竜一と辛口の評論家・小暮太郎と妻の洋子です。ちなみに洋子と鍵谷、梶は大学時代同じ研究室にいて、男二人を差し置いて洋子を奪っていったのが20歳以上も年の差がある小暮でした。それが10年以上前というから、みな30代と考えておいていいでしょう。俳優でむさい中年男と言われる三木田多喜男も招待客の一人です。
招待客ではありませんが、小暮を激怒させたのがコンテンポラリー・アーティストの40男・枠井竹男です。そして事件の核にいるのが、もと女で性転換した男、最近評判の霊媒師・波紋京介です。そして挑発的なもと美女霊媒師の犯罪を暴こうとするのが影屋俊彦巡査部長と友人?の、年齢不詳のアーティスト妹尾悠二ということになります。
で、私が名前も忘れかけていた飛鳥部勝則の本を読む気になったのが、紹介文の最後のほうにある「〈さかさま〉尽くしの大胆不敵な事件に挑む美形の芸術家探偵・妹尾悠二の活躍」、特に「美形の芸術探偵」の一言なんですね。最近、二人の娘はイケメンが大層お気に入りで、TVを見てはドラマだろうがアニメだろうが、いい男が出るたびに「イケメーン!」って騒ぐんですから、喜んで読むだろう、って思いもしました。
でね、読後感なんですが、どこが美形じゃい!っていう感じです。大体、妹尾の容姿についての描写が殆どないですし、第一、いるんだかいないんだか分らない存在感の薄さです。それに比べたら、圧倒的に霊媒師・波紋京介がいいです。そういうところが弱いんですね、飛鳥部勝則。ただし、この謎解きは見事です。強烈だけじゃあなくて、そうくるか!なんていいたくなるほどのものです。しかしなあ、それ以外が弱いんですよ。大体、今時、降霊会で熱くなるのはタレントのやらせだけじゃん、リアリティ、なーい!
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