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みんなのレビュー35件

みんなの評価4.1

評価内訳

32 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

耽美。おぞましく美しい物語

2007/02/07 01:49

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ねねここねねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

めくるめく陶酔を味わいたく、息を飲みながらページを繰る。
唾を飲み込む音すらも、強く躊躇われてしまうほどに。

空間の窪みに嵌り込んでしまったかの、耽美な幻想が流れている。
色の付いた空流。取り巻く気体が胎動している。

こっそりと、日常の隅から手をこまねく
彼岸にあるようなその幻想。
歪んだねじの定理。奇矯で見とれるその回転。
捲れた世界にあるものが、こっそり息を吹き掛ける。

現実と幻のあいだに漂う。
ぎりぎりの脆いバランス。極み、彼我の中点。
それはおぞましくも美しい。
溶けてから固まったものは、違う世界を映している。

「玄い森の底から」「頚骨」「古傷と太陽」も好みだが
「約束」そして「天使解体」がお気に入り。

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紙の本

久しぶりに著者検印のある本を見た。いや、初めてというべきか。今時、限定本でしか見ることの出来ない、それはそれは美しいもの。内容も、十分期待に応えます

2004/10/11 22:01

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

大きな声では言えないけれど、この本はレアですぞ。Webでは絶対にわからないので、書店で実物を手にして欲しい。そして、そっと最後の頁、奥付を見てほしいのだ。中央の著者検印、これが現代常識となっている印刷によるものではないのだ。実際の判子で、版権所有の4文字が「津原やすみ」の文字を囲む。ハトロン紙まで丁寧に貼ってある。

本当にレアである(初版だけ、なんてことはないのだろうなあ)。これが津原の流儀というわけでもない。例えば、私が津原と最初に出会った『少年トレチア』でも、ついこの間絶賛した『ルピナス探偵団の当惑』にしても、そんなことはしていない。これは事件である(とまあ、事情を知らない私なんぞは、驚愕して腰を抜かしてしまうけれど、案外、理由は単純だったりして)。

閑話休題。その名の示すとおり、妖しい話が15編も収まった作品集で、カバー画がかなり妖しい。マドンナに死化粧をさせて、それをクリムトが画にして、セピア色に染め上げた、とでもいうのだろうか。今にも目を開きそうな、なんともいえない色気を感じさせる閉じた目蓋が、怖いのである。その写真は、Laurel as Ophelia by Kim Stringfellow,1989、装丁は松本美紀+摩伽羅。

三回忌の話が、突然思いもかけない変貌を遂げる「天使解体」。姉から祖父殺しを依頼された弟の「サイレン」。イジメの果に少年が辿りついた「夜のジャミラ」。村山槐多の画の秘密「赤假面傳」。書の師弟の間に漂う緊張「玄い森の底から」。沖縄で使われる海上施設を巡る幻想「アクアポリス」。事故で足を失った女性に捧げる「脛骨」。公園で繰り広げられる陰湿な戦い「聖戦の記録」。長い交際の果に「黄昏抜歯」。

行きずりの恋の行方は「約束」。ウォホールの画に魅力を感じない女の「安珠の水」。狂った姉の乳を吸うようになったププカの「アルバトロス」。石垣島出身の男に恋をした女の「古傷と太陽」。ひろしま美術館に所蔵されるゴッホ最晩年の作品。その庭を現実に再現しろと命じられた男の「ドービニィの庭で」。マキノさんの家の庭にある沢山のものたち「隣のマキノさん」。

1997年から2002年にかけて様々な媒体に発表されたもので、どの作品もレベルが高いので、「最近、上手くなった」などと迂闊なことはいえない感じである。その中で、好きなものを選べといわれれば、私は一時代前の気だるさを感じさせる、哀しく、それでいて純粋な「脛骨」と、耽美的で退廃的、近親憎悪、同性愛的な要素も盛り込んで、赤江瀑や中井英夫、塚本邦雄を思い出させる「ドービニィの庭で」の二篇をあげる。

書き方によっては、長篇一本になるような作品である。例えば「ドービニィの庭で」と小池真理子『狂王の庭』を読み比べてみればいい。恋愛を中心に置いたかどうかという大きな違いはあるものの、庭にかける男たちの情熱は、同じである。むしろ不倫という挟雑物が無いだけ、津原の作品のほうが芸術にかける男の思いが伝わるといってもいい。この人は面白い。

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紙の本

…うっとり…

2004/10/11 20:03

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:うさしー - この投稿者のレビュー一覧を見る

「耽美」この言葉がこれ程似合う本は他にないと思う。
とにかく美しい。

まず本屋さんへ行き、置いてあるのを発見する。
なんて綺麗な装丁…表紙の女性は眠っているのか、死んでいるのか…今にも口元が動き出しそうだ。
本のタイトルも良い。奇談でも奇譚でもなく綺譚なのが良い。
本を手に取り、ページをめくる。
各一話一話のタイトルの模様もそれぞれ少しずつ違っていたり、もくじのデザインもちょっとノスタルジックな感じがして良い。
さあ、雰囲気を十分堪能したら思いっきり浸って読んで下さい。
エロいんだけど、グロいんだけど、もう、なんとも耽美です。
どこから読んでも良いです。
行間から滲み出てくるお耽美な世界。
あまりの美しさに勿体なくて一日一編と決めて、2週間かけて読みました。
本を読んでうっとりその世界に浸りたい方、超オススメです。

注意:すぐに夢をみる人は寝る前に読むのは避けたほうが無難です。

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紙の本

こ〜ゆ〜のこそ“エクスタシー”っていうんですよ!!

2004/10/06 17:39

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:山  - この投稿者のレビュー一覧を見る

 SEXですよ、この本。ほんと。大げさじゃなくて。イク〜ッ!! って感じ。
 じつは「読書」に倦んでたんです。なに読んでも面白くないし、文字も筋も追うのツライし、「物語」になんか夢中になれないし。もう小説なんて人生に必要ない!! とまで考えてたんですが……。
 これって、ど〜ゆ〜本なんだ!? 時代設定が京極夏彦なんかがよく使う大正だか昭和の初めで、いわゆるセピア色の世界なんですが、この時代って「死」の香りがするんでしょうね。こっち側(この世)とあっち側(あの世)の境界が薄いようで、スルッとイケるんですよ、ただ読んでるだけで。イクんですよ、マジに。「文字を追ってる」なんて意識はフッ飛んじゃって、もう完全に小説に「没入」ですよ。読んでる間は「生きてる」とか「死んでる」とか、そ〜ゆ〜のも忘れてる。
 もちろん「京極」じゃこんな感じにはならない。つねに「文字を追ってる」って意識は離れない。なんでなんだろ。この本には魔法(呪い?)がかかってるんだろうか。
 再読したらきっと冷静に見えてきて、魔法が剥がれるから、しばらく再読しない。ほうっておく。
 ぜんぜん書評になってないかもしれないけど、そもそも読書の楽しみって「没入」にあったんじゃないかなぁ。読んでる間は完全に時間を忘れてるっていう没我の状態。あれこれと批評眼がつねに気持ちから離れないような小説って、やっぱ読者をとらえきれてないんだよ。
 誰が読んでも僕のようになるかは判らないけど、その可能性は確実にある本。それはリクツでは説明できない。いやできるかもしれないけど、したくない。SEXは「してる最中」が最高なわけじゃないですか。その後のことなんか、ど〜でもいいし、後からあれこれ説明つけても、ほとんど意味ないでしょ。これはマジに気持ちイイ〜本、イケる本、ヌケる本、それだけ!!

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2005/02/09 23:32

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2005/05/05 17:37

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2005/11/07 23:15

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2006/11/06 14:42

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2007/03/27 21:32

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2007/05/06 21:48

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2007/06/21 22:21

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2008/03/29 16:16

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2009/04/26 15:55

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2009/06/12 11:46

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2009/11/12 00:29

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