紙の本
不気味な演出が面白さを引き立たせる
2018/05/01 14:25
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投稿者:サラーさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
パノラマ島奇譚以外の作品も打ち切りになった空気男以外不気味な雰囲気漂う面白い作品です。個人的には『闇に蠢く』と『湖畔亭事件』が特におススメですが、いきなり『闇に蠢く』を読むと内容のグロテスクさと奇妙な展開に食傷気味になるかもしれませんので、ご注意を。
紙の本
夢の王国の崩壊
2020/09/21 21:45
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分だけの楽園を造り上げていく、主人公・人見が狡猾です。すべてが偽物のパノラマ王国が、脆くも砕け散るラストに息を呑みました。
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江戸川乱歩って「カー問答」のような海外本格ミステリの扇動者としては超一流だったと思うけれど、実作者としてはどうだったんだろう。彼の資質はむしろ今ならばファンタジーとか幻想小説とかホラーとか、そっちの方あったのではないだろうか、というのは例えばこんな全集を読めば誰でも感じる感慨。その中でもこの「パノラマ島奇譚」のビジュアルなイメージは鮮烈。正直これを初めて読んだ中学生にとってはインパクトが強すぎた。
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全集なので5,6本入っているのですが、やっぱりオススメは表題作のパノラマ島綺譚でした。今まで読んだ本の中で一番美しい。あの終わり方は本当にたまりませんでした。どうせなら私もあのくらい綺麗に散って死にたいわ。
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「パノラマ島綺譚」は乱歩の作品ではあまり賞賛はされませんが、個人的に思い入れの強い作品。
文字通り花火のように散った男の儚さが乱歩の美しい世界観を象徴しています。
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第2巻にして、いきなり
「書けない〜」
と叫んでいる江戸川乱歩でありました。
割とこの全集は、年代順に並んでいるようなので、その後、28巻分も文章(小説だけではないけれど)を書いたというのは、すごいですねぇ。
1巻で、本が2〜3冊分はありますから、少なくとも60冊ぐらいは書いていることになります。
で、わたしが江戸川乱歩にもっている猟奇的なイメージは、このあたりの作品のようです。
おもしろいと思うけど、このあたりの作品の評価が、乱歩自身低いのは、本人が、
「こんなんじゃなくて、本格推理を書きたい!!」
と思っていたからなんだろうなぁと思います。
1巻を読むと、もともとが、本格推理をさらにひねったところから出発しているので、自分の作品のアラや、限界が見えちゃうんだろうなぁと思います。
しかし、古今の名探偵が思わせぶりでイヤな奴なのは、もしかしたら、作者がそのときにはトリックを考えられていないからいもしれないと思ったりして。
まあ、あんまりすぐに推理を披露しちゃうと、お話が続かないのだけど……。
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めくれる花びら。偽の妻、夫への愛。極彩色で悪夢を綺麗に書き抜いた春の私には衝撃的だった作品。くらくらする。
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人見廣介の想像力即ち江戸川乱歩の夢想は見事。実際にパノラマ島を再現して乱歩テーマ・パークを作ってもらいたい(笑)ある意味ディズニー以上だ。
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乱歩的理想のテーマパークを描いた作品だと思うけど、いかんせん悪趣味すぎて(褒め言葉)なにがなんだか。
ラストはなかなか私好みでした。
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帯表
裸女千断の花火
帯裏
無限の怪しき夢
大林宣彦〈映画作家〉
乱歩は荒唐無稽のようだが、そんな事はない。まことに油断のならない「観察眼」で人間を見詰め、それを我が「想像力」の中で無限の怪しき夢に繰り広げて行く。
見返し
収録作品
闇に蠢く
湖畔亭事件
空気男
パノラマ塔綺譚
一寸法師
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『闇に囁く』
『湖畔亭事件』
療養のために湖畔亭にやってきた「私」。昔からレンズにとりつかれ他人の行動を覗き見る事を趣味としてきた。脱衣場に仕掛けを施し様々な人々を観察していたが、ある夜女が何者かに殺害される場面を目撃する。同じく湖畔亭に宿泊する河野と現場で血痕を発見する。事件当夜から失踪した芸者・長吉。風呂炊きの三造。早朝慌ただしく消えたトランクをもった二人組の客。長吉と河野の関係。
『空気男』
ある宿で知り合った北村五郎と柴野金十。探偵小説好き同士話が合い親しくなる二人。様々な遊びをしていたが、それぞれに問題を出し解いていく遊びから探偵小説を書くようになっていく二人。互いに作品を交換するなど遊びながら仕事をしていたが、ある日柴野が北村が以前話したトリックを自分で考えたと北村に紹介する。柴野の記憶力低下をモデルに北村が書いた「空気男」。「空気男」の挿し絵を描く河口の家に侵入した謎の人物。
途中で終了した作品。
『パノラマ島奇談』
自らの妄想を実現しようと望む小説家・人見広介。大学時代の同級生・菰田源三郎の死を聞くと、富豪であり自分と瓜二つの源三郎との入れ替わりを計画する。自らを自殺として存在を消し、墓場からよみがえった源三郎を演じる。建設のはじまった人見の王国。ただ一人の脅威・源三郎の妻・千代子。千代子の殺害。安泰となったと思われた彼を訪れた探偵・北見小五郎。
『一寸法師』
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いや…
乱歩ってなんでこんなに凄い世界観をもっているんだろう…。
話の展開から何から何まで凄すぎる。
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2009/
2009/
闇に蠢く. 湖畔亭事件. 空気男. パノラマ島綺譚. 一寸法師. 私と乱歩 大林宣彦著
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引越しの果てに捨ててしまった江戸川乱歩全集。その中で最初に出会い、衝撃を受けた本。およそ小学生が読む本ではなかった。しばらくの間、死肉を自分の指で触った感触がぬぐえないで怖かったのを覚えている。
おどろおどろしていたのは江戸川乱歩共通か。押し絵と旅する男、などは好きだった。おませな小・中学生だった。
当時の表紙は現在のように淡々としておらず、たいへん、奇妙でありながら、どうしても手に取りたくなる不思議な魔力があった。数十年後、古書店で1冊探し当てた。思いのほか高くなかったのは文庫だったせいと思う。春陽文庫、高塚省吾氏装丁である。タイトルは「屋根裏の散歩者」
この書庫の表紙画がいつが自分の本であらわせたら…(特に愛蔵本は)いいのだが、と思う。
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これぞ大衆小説!俗物の普遍性、エンターテイメントとは結局これだろっていう気迫を感じる。パノラマ島は舞台で見たかった