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日本美術史家の辻惟雄先生が40年ほども昔に書かれた名著。80歳を越えた大御所の先生にも若くて熱い頃があったんだなぁ、と微笑ましく読みました。この本が書かれていなかったら、今、これほどまでに江戸絵画に注目が集まっていなかっただろうと言われています。なにしろ、先生の筆の走ることといったら、スーパーカーのよう。今すぐにでも実物を見たくなる気持ちに駆り立てられる力に溢れています。
先日、京都国立博物館でその奇想に身の毛がよだった狩野山雪も取り上げられていて、より興味深くその人物像を知ることができました。6人の中では岩佐又兵衛にもっとも興味がわきました。山中常盤、いつか、じっくりと見てみたい。
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岩佐又兵衛、曾我蕭白、伊藤若冲、長沢蘆雪、狩野山雪、歌川国芳を奇想の系譜に位置づけ、執筆当時はさほど注目されていなかった(!)画家達が注目を集めるきっかけとなった名著。作品の端々や文献からそれぞれの画家の狂った部分が読み解かれていく様子がスリリングで楽しめた。
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50年近く前に書かれたとは思えず、とても興味深く読めました。
著者の感性を通して説明される絵の1枚1枚のどれも実際に目にしたくなり、好奇心がビンビンと刺激されます。
ついこの前、国芳の展覧会を観てきましたがら折しも今は若冲の展覧会もあるので行かねば。
でも題材になった画家の中では蕭白のが一番観たいなぁ。
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岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曾我蕭白、長沢蘆雪、歌川国芳の6人を取り上げ、「奇想」というキーワードでその本質に切り込む名著。30年も以前の本ですが、まだ、新しい感じがします。
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岡田秀之「かわいい こわい おもしろい 長沢芦雪」新潮社の対談もやっておられた辻惟雄先生の著書。岩佐又兵衛、伊藤若沖、曾我蕭白、長澤芦雪、歌川国芳という流れを「奇想」という言葉で定義し、「異端」でなく「主流」中の前衛として再評価した本。若沖でさえ、どこかで観たことあるレベル、ましてや取り上げられている芦雪の他の画家らはあまり知らない人も多く、中の絵にも好きな物、あまり好きでないもの色々だったが、当時のそれまでの絵と何が違うのか、何をどう描こうとしたのか、俯瞰できた。
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岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曾我蕭白、長沢芦蘆雪、歌川国芳という6人の画家について、書かれています。そして、これらの画家に共通する性格を的確に浮き彫りにするような、「奇想」(奇なる発想)という言葉で括られています。
しかし、「奇想」こそ近代絵画史における主流であり、彼ら6人の画家も「異端」ではなく、そうした主流の中での前衛として理解されるべき、と書かれていたのが印象に残っています。
彼らの作品はどれも個性的で、魅力的で、文章と図版両方が載っていることで、作品のおもしろさがよく伝わってきました。読んでいると、どんどん作品と作者に興味を持ち、本物を見て感じたくなりました。
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いまでは大人気の絵師たちの、はるか昔の評論書。
当時の関心のなさといったら、現代のそれと比較できないレベルだろうところで、目をつけて仔細に述べている著者の審美眼には唸る。
巻末の書評に図版が豊富とあったが、カラー写真に見慣れている自分たち世代では、物足りない印象もあったが、文庫だから仕方ないのかも。
又兵衛、山雪、若冲、蕭白、蘆雪と国芳、どの作家も個性的で、また作品を観たくなった。
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「近世絵画史を書き換えた画期的な書」らしい。1970年初版。2018年の今読む上では、近世絵画の鑑賞指南書といったところか。図版も豊富で美術初心者でも読みやすい。実物が見たくなる一冊。実物を見たら再読したい一冊。
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歌川国芳香の相州江之嶋の図がすごい/歌川国芳の独楽の化物がすごい/歌川国芳の鬼若丸の鯉退治がすごい/曾我蕭白の花押がすごい/長沢蘆雪の四睡図がかわいい
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辻氏が日本美術史で指摘していたキーワードの適切さが、本書によって得心できた。
奇想とは芸術の本流、本書に取り上げられた6人はその前衛。
今となっては図版が白黒なのは残念だが、それでもその迫力は十分に堪能できる。展示を見に行くのが楽しみです。
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奇想の系譜を読み、『奇想の系譜展」を観覧してきた。
個人的には岩佐又兵衛狙いだったのだが、本書を読んで思っていた感覚と実際に見た感覚には少し乖離があった。
彼等は決して奇をてらってあた訳ではなく、時代背景や伝統からくる様々な制約という殻を破り、人々の生活や感情、もっと言えば人間の本質を描きたかったのではないかという事を強く感じた。
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取り上げられているのは、岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曾我蕭白、長沢蘆雪、歌川国芳。
展覧会に行く前にどうぞ。
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都立美術館で行われた奇想の系譜企画展をきっかけに読みました!
江戸美術が広まったきっかけとなった著書。大変楽しく読ませてもらいました。
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それぞれの画家の個性と作品のもつパワーが、相互に作用しているのが感じられます。1968年の雑誌連載をまとめたものとのことですが、古さは全く感じられず、むしろ新鮮な力を持った文章だと思います。
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2/9からスタート!東京都美術館で「奇想の系譜展」
美術史家・辻惟雄さん『奇想の系譜』に基づく、
江戸時代の「奇想の絵画」決定版、展覧会開始!