紙の本
あまり面白くなかったです
2005/05/29 11:47
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タララン - この投稿者のレビュー一覧を見る
あまり面白くなかったです。特に、源頼朝・北条政子・義経の正室の郷御前(作中では佐登御前)の描き方があまり良くないような気がしました。特に、郷御前が自分の家柄や自分が正室である事を鼻にかけている女性になっているのが、気になりました。
私は郷御前って、もっとおだやかなイメージがあるのですが。また、
相変わらず頼朝に押し付けられただけの妻という描き方だったし・・
義経が彼女をどう思っていたのかも、描かれていなかったし。
また、衣川で義経と郷御前と娘が死ぬ所も、淡々と文章だけで説明していて、場面の描写をしないのは、ちょっと郷御前に対してひど過ぎるんじゃないの?と思ってしまいました。衣川での最期は、静御前の影に隠れてしまいがちな郷御前の、最大の見せ場だと思うのですが。
それから、全体的に物足りない感じがしました。義経の話は、一冊だけでは短すぎるような気がします。
ただ、義経を美化しないで、男としての欲望も描いているのは良かったと思います。
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女性の方の作品なので読む前からとても楽しみでした。表紙もお気に入りです。凛々しい若武者の義経と舞姫の静!
この義経は自分の理想の女性を母親は常盤・・と思いを抱いています。私も義経の理想の女性像は常盤なんじゃないかなぁと思っていたので嬉しかったです。そして静を見て常盤を想い出すというのも(*^^*)
常盤や静、そして少しですが静の舞を見て涙する大姫、義経の死後、寂光院を訪れる静。女性の気持ちも分かりやすくてジーンとしました。
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タイトルから見ると、歴史を無視して女性キャラが出しゃばる小説かな、と危惧してしまうのですが、とても素敵な(でも切ない)読後感です。
リアリズムに走って、義経の伝説をぶっ潰すのが目的みたいな作品も存在しますが、これはとてもバランスがよく、義経のはかなげなイメージを壊さないようにしながら、比較的客観的な視点からの記述がイイです。
司馬遼太郎さんの『義経』も、政治力ゼロの(!)かわいげのある義経でしたが、それよりも柔らかい記述なので、義経入門としてお勧めできると思います。
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「源義経と静御前」中島道子著、PHP文庫、2004.09.17
392p ¥700 C0193 (2022.05.26読了)(2006.02.03購入)
【目次】
第一章 鞍馬
第二章 美濃青墓
第三章 木曽谷
第四章 奥州平泉
第五章 五条大橋
第六章 伊豆
第七章 黄瀬川
第八章 宇治川
第九章 鵯越え・一ノ谷
第十章 堀川館
第十一章 屋島・壇ノ浦
第十二章 吉野
第十三章 衣川高館
あとがき
☆関連図書(既読)
「武蔵坊弁慶」(1)-(10)、富田 常雄著、講談社、1985.12.20-1986.03.20
「義経」上・下、司馬 遼太郎著、文春文庫、1977.10.25
「義経」宮尾登美子著、日本放送出版協会、2004.11.25
「義経伝説」高橋 富雄、中公新書、1966.10.25
「源義経」五味文彦、岩波新書、2004.10.20
「大塚ひかりの義経物語」大塚ひかり、角川ソフィア文庫、2004.09.25
「好色 義経記」中丸明著、新潮文庫、2005.04.01
(「BOOK」データベースより)amazon
源平争乱の世に彗星のごとく現れ、奢る平家を滅ぼした稀代の英雄・源義経。やがて兄の源頼朝は疎まれ、逃避行のすえに奥州平泉で自刃に至るその生涯は、美貌の白拍子・静御前との真摯な愛を彩りとし、長く日本人に親しまれてきた。本書は、伝説化された二人の物語を、女流作家ならではのみずみずしい筆致で、生身の男女としての血肉を通わせて描ききった力作小説である。