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何故初めて会った3人が見知らぬ家族のふりをしなければならないのか。しかも其処は別荘で監視カメラも盗聴器もあるという。理由が気になって気になって仕方ありませんでした。しかし、途中からその謎よりも、夫らしく妻らしくふるまう二人の近づき方、お互いの夜語りの方に興味が移りました。ミステリーというよりファンタジーのような本です。私は好きです。
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再就職先がなかなか決まらない和人が依頼された仕事は、ある別荘にこもって擬似家族を演じることだった。
初対面の女性と少女と共に、家族として別荘で滞在を始めると不思議な現象が次々と起きる。3人は次第に愛を深めていくが、この仕事の裏には壮大な計画が隠されていた。
家族を題材にしたヒューマンドラマでもあり、日常の謎を扱うミステリでもあり、また途中からはSFに寄せたアプローチがあるという、いろんな面が混在した不思議な感触の物語でした。
いろんな要素が詰まっているのにちぐはぐさは無く、絶妙なバランスを保っていて、全てうまく同居しています。
そういった構成なので物語の着地点が見えてこず、結末まで予想不可能。
最後まで心地よい緊張感の中、魅せられました。
切なく優しい余韻を残すお話でした。
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高い報酬と引き換えに
疑似家族を演じることになった「信明」
同じく妻役の「栄子」
娘役の「紗栄子」とともに
どことも知れぬ一軒家で夏休みを過ごす。
この家にはあらゆるところに
監視カメラと盗聴器が仕掛けられていて
彼ら三人はその向こうの何者かに対し
バレないようにしなければならないのだ。
という、ちょっと不思議な物語。
「信明」もしばらくして疑問を持つけど
そもそも誰が何のために監視しているのか?
監視者に「本物」がいると思わせて
どんなメリットがあるのか?
そんな謎解きよりも
(そもそも途中ちょっとSF要素も入るし)
赤の他人がだんだん親密になっていく
ハートウォーミングなおはなしとして
楽しく読みました。
ハッピーエンドだしね!