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マーケティングリサーチを考える場合の基本要素を学ぶ事ができた.定性調査から定量調査まで,さらには企画から報告作成時の注意点までを知る事が出来る.
~以下知っておいたら良さそうな事を列挙~
質問順序の法則
①どのテーマについても、質問は大分類から小分類へ、一般的質問から具体的質問へと、流れを絞っていく。
②簡単な質問を最初にする(対象者が自分が答えられることに自信を持つから)。
③興味のありそうな質問を先に、難しい質問は後回しにする。
④対象者とのラポール(rapport:親和関係)を早く築くために、最初に、興味ある「捨て」質問(集計の対象にしない質問)を設けることも検討する。
⑤対象属性・特性(フェースシート)については、調査票の最後に聞く(最初に聞いて、調査拒否に遭いたくないから)。
⑥質問の論理的な順序は、厳守する(例えば、適格対象者を決めるスクリーニング質問や非助成知名などは、当然最初に聞く。次回使用意向は、現在使用状況のあとに聞く、など)
⑦質問のテーマが変わるときは、例えば、「これまで、○○についてお伺いしてきましたが、これからしばらくは、あなたの××についてお聞きしたいと思います」など説明を加え、相手の頭を切替えてもらう。
質問ワーディングのポイント
対象者への実際の質問現場、回答現場を常に頭に浮かべて、これに沿って適切な対応をすることが大切である。
①言葉や文章は、簡潔であること。
②質問に業界用語や難しい語句を使わないこと。
③1つの質問文が2つの意味を聞いていないこと。(例えば、「このビールはコクとキレがあると思いますか」など)
④誘導質問をしないこと(例えば、「ある大手の調査期間によれば、○○と言われていますが、 あなたは、このことに賛成ですか、反対ですか」など)
⑤偏りのある質問をしないこと(例えば、「あなたは普段、休日には、何をしていますか。テレビを見るとか、それとも、他に何をしていますか」など)
⑥質問が曖昧な意味を含んでいないこと(例えば「あなたの収入はいくらぐらいですか」は年収か、月収か、手取りか、税込みか、不明である)
⑦対象者にとって何を答えるかが理解できない長い説明文や質問文、複雑な回答条件を設定しないこと
⑧どの対象者にも該当する質問をすること(例えば、対象者の中には、選挙権のない人、投票をしなかった人もいるから、最初から「このたびの選挙では、どなたに投票しましたか」などと聞くべきではない
⑨質問文は、対象者に身近に、出来れば好感を持って迎えられること
注意点
①「行動」に関する質問
「こういう行動を取るべきだ」という社会的に受け入れられる行動を答えやすい。
②「場所」に関する質問
記憶違いが生じやすく、訪問頻度の多い「スーパーマーケット」や、印象度の強い「テレビで見た」などに、回答が集中しやすい。
③「時」に関する質問
実際よりも、より間近に起こったと答えやすい。
④「量」に関する質問
「まとめ買い」のときなどは、買ったブラ���ド別数量は、忘れやすい。
⑤ブランド名を聞く質問
関与度の低い商品、ブランド変更の多い商品、類似品のあるブランドでは、ブランド名は想起されにくい。
⑥「助成」をする質問
助成をする手段、程度によって、回答はかなり異なるため、助成を、言葉だけか、写真によるか、イラストか、ビデオテープによるか、実物呈示か、など慎重に決める。
⑦デリケートな内容を聞く質問
「誰でも生きていれば、自分が望まないことも仕方なく行うことがありますが、あなたの場合、○○については、いかかですか」などと聞く。
文章化のポイント
1.樹の幹(全体)から述べる.枝葉から書かない.
2.正しい文法を使う.主語を忘れない.
3.文章は論理的に書く(例えば,そのまま英文翻訳ができるような日本文)
4.定義の不明確な字句は使わない.
5.事実の記述と分析者の解釈を混同しない.
6.一度に完璧な文章を書こうとしない.何度でも書き直す.
7.文章の密度を濃くし,書く枚数をいかに少なくするかを考える.
8.文章は長すぎないこと.短文をよしとする.
9.念頭に置いた一人の読者(例えば,当該マーケティング意志決定者)に向かって語りかけるように説得性をもって書く.
10.重要な内容は繰り返し述べる.
11.「読むより見たい」読者心理を充たす.
12.所定のページに書いてある内容が一目でわかる工夫をする.
13.書き出し(リード部分)の言葉を粗末に扱わない.
14.紋切り型の文章を避け,リズム感を出す.
15.気持ちをリラックスして,ときには一気に書く.
プレゼンテーションの準備
1.プレゼンテーションに臨む自分の目的と役割を明確にしておく.
2.聴く相手を分析しておく.
3.必要なデータを揃えておく.
4.呈示するマテリアルを準備する.
5.結果のビジュアル化の方法を決め,ビジュアル用具を用意する.
6.プレゼンテーションの「始めの言葉」と「終わりの言葉」を考えておく.
7.話す内容を決め,ひとつのストーリーを構成する.
8.割当て時間を考慮して,不必要な部分を削除する.
9.臨場感を持たせるため,必要に応じて,対象者の生の声(自由回答)を準備しておく.
10.プレゼンテーション・ルームを準備する.
11.リハーサルをする.
聴く相手の分析
1.聴く相手は,誰と誰か.
2.聴く相手に共通することは何か(性,職種,地位,趣味,その他)
3.聴く相手の人数(人数の多少で説明方式が変わるため)
4.相手は,なぜ自分の説明を聞こうとしているか.
5.相手の予備知識はどれほど深いか.
6.聴く相手のなかで,だれが意思決定者か.
ビジュアル化
1.イラストやチャートを用いる.
2.チャートをカラー化する.
3.説明する(透明)用紙の一枚ごとに変化をもたせる.
4.「いま説明している部分」のみを見せる(他の部分を隠す)
5.強調したい箇所にしるしを付ける.
6.用紙に空白部分を作っておき,現場で書き込む.
7.重要さの順にポイントを��約する.
8.ひとつの考えを一枚の用紙に書く.
9.参加者全員が読める大きさのものにする.