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現代物理学と数学を結び、科学の基礎を導いてくれる良書。現代の物理や数学で必要な知識のほぼ全てがコンパクトに網羅され、かつ丁寧に解説されている。と書くと読み辛い専門書を想像してしまいそうだが、数式が多少出てくるものの、ほぼ物語のように読み進めさせられる。
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主に数学との繋がりから物理学の整理をする話。
でもやっぱり、物理という「現実」を手がかりに数学の持つ「真理」を整理した話かも知れない。
数学と物理学は科学の中でもより不可分な一つの群れを作っている、というお話だったのかも知れない。
どれにせよ、読み応えのある本。
惜しむらくは、索引がなかったこと。数学・物理学なのだから、各章でのトピックは当然独立なんかせずに、非常に入り組んだ構造を持っている。「○章参照」としてくれるのはありがたいが、やはり話題に直にアクセスできたら良かった。
あとはもうすでに「15年も前」の話題なのかも知れない。新版が出ることを願う。
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この本は数学の発展と物理への応用がメインテーマです。大学1年生ぐらいの数学の学力がないと理解するのに難しいとコメントにあった。無理して読みだしたが降参した。
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数学の形式が無ければ、物理学は成立しない。という意味で、数学は物理学の父である。様々な数学分野-物理学分野の組み合わせについて、この関係を説明するのが本書。とても面白い。
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むしろ、一体いつから物理と数学はたもとを分かつことになったのだろうか。
数学が苦手な人に物理学専攻を勧める人はいないだろうが、
物理が数学の上位互換だと考える人もいない。
真実の追求のために世界との繋がりを放棄することもいとわない数学。
世界との繋がりのために真実ではないことを許容する物理学。
相容れない概念はしかし、時に利用し、時に利用され両輪で学問の新境地を拓いてきた。
未だ解決を見ない空間充填問題と、発見された結晶格子。
数学の基礎であるユークリッド幾何学と、物理学の極地である非ユークリッド空間。
数学的な完成を待たず物理学に活用されたフーリエ解析。
複素数を利用する振動理論。ベクトル・行列により導かれる電磁気学・量子力学。
簡単な数学的法則から複雑な物理的構造を生むカオス理論。
数学的な確率と統計解析により拡張された熱力学と磁気モーメント。
トポロジーとポリマー化学。
物理現象に現れるフラクタル。
波と粒子の二重性の数学的理解である波動方程式。
本書は物理と数学の境界を探るものではなく、原題は"On the Shoulders of Giant"。
ただ数学を利用する物理学の具体的な事例が多く並べられるのみであり、その関係性に関する考察はない。
だが、関係性を考えるのに、物理と数学だけでは事足りない。
数学は経済学、統計学、金融工学に直接利用されるし、物理学は化学や度量衡学、生物学を参照する。
学問の関係性に限りはなく、どこにでも相互に参照されうる可能性がある。
どの巨人の肩に誰が乗り、何が見えるようになるのか。
その高さの果ては、まだ誰も知らない。