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紙の本

自己決定と共同体に関する基礎教養

2005/01/29 13:00

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:まさぴゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

先のイラク人質事件を見ると「自己決定」という言葉がよく使われるようになったと感じます。使われる割に定義や機能がイマイチよくわからないことが多い。そういう意味で、割り切り屋ではっきり断言する(しすぎる)宮台真司さんと、仲正昌樹さんという二人の論客による対談は、全体像・定義・問題点・歴史経過などがスッキリわかって読後感は良かったです。とりわけ宮台さんの意見は、無駄なバイアスや論理不明なものがほとんどなく一貫性があって読むのが楽です。よく全て暗記していられるなぁと不思議に思います。それなりに読書人の(つまりはアーレントやウェーバー、ギリシャ哲学などを少し齧ったことはある)僕には明快であったが、大学生ぐらいで読む人はどうなのだろうか。もちろんある程度の智恵があって「読み込めば」難なく理解出来る構成だとは思うが。それと仲正さんの「不自由論」に宮台さんが自身のHPで書いている連載社会学入門を読んでいるともう少し理解が深まると思います。

システム理論と社会哲学という専門性を持つ二人ですが、いつも切実に何かに悩んでいるよう宮台さんと元新興宗教の信者であったという仲正さんの語り口は「自分とは何か」というような自意識の問題などのように「自分自身の生き方」に引き寄せられているので、とても現代的視点でわかりやすかった。結局正直に「自分のこと」について語っている人がいちばんおもしろいのだと思います。所詮現代はナルシシズムという檻に囲まれた人ばかりの時代で、社会にも世界にも興味がないはずですから。「専門用語」を並べ立てて隠し、自分の実存の不遇感を無自覚に垂れ流すのは、聞いていてつらいです。

また宮台さんは彼が一方的にしゃべりすぎる場合が多いのだが、めずらしく議論がかみ合っているように感じました。それだけ、互いの実存的テーマが似ているのでしょう。とりわけ大上段に正義を振りかざさない姿勢には両者に好感が持てました。正しいかどうかは専門外の僕には不明ですが、自己決定という機能が原理的に

・選択肢は選べても選択肢群自体を選ぶことができない。

・そもそも「私たちは何をどこまで選べるのか」が規定できない。

・「我々」というときの我々の範囲を決めるのは勝手な線引きによる事実性である。

などなどの条件を抱えていて、そういった条件を前提にして社会制度を組み立てなければならないなど説明はわかりやすかった。これから自己決定の話をする人を見る度にこの部分を意識してみてみたいと思います。最低限の学問的常識を抑えていないと過去に結論がついたことを、無駄に議論しかねないのですからね。「既に分かっていること」を勉強しないのは、知的不誠実だし、知的不誠実な人は行動も不誠実ですから。それにしても宮台真司さんの著作とりわけ対談形式のものは明らかに聴衆・読者・対談者に対して、よく云えば啓蒙であり悪くいえば洗脳(笑)を意図しているので、それにいちいち仲正昌樹さんが、身構えている姿勢が面白かった。ただやっぱりこういう対談を読むと、学問的素養が同じレベルにある人の対談は、深いんだなぁとうらやましくなります。

個人的にはP209「思考の源泉としてのイエス」が面白かった。メルギブソン監督の「パッション」でなるほどキリストの磔を執拗に描くのは、そう解釈できるかと興味深く感じた。さっそく再度レンタルです。パウロの布教宣伝戦略もそうですが、超越的な志向をこういふうに使う方法があるのですね。背景文脈が分かってみる映画は、全くとなる相貌をみせて刺激的なので、楽しみです。

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2017/06/09 22:05

投稿元:ブクログ

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2021/01/09 18:59

投稿元:ブクログ

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