電子書籍
読みやすいSF短編集
2016/01/31 19:39
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投稿者:Castella - この投稿者のレビュー一覧を見る
一番好きな話は「夜をかけるドギー」
“会う人が嫌いだからではなく、自分がもっと嫌いになるから人にはあまり会わない”
“まだ諦める「何か」も見つけていないのに、もう諦めることを考える自分に嫌気が差す”
なんて独白にはドキッとさせられたり
「KAIGOの夜」や「子供の領分」みたいな話も好き
紙の本
機械と心が入り乱れる9編
2016/01/22 09:33
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
表題作では未来の世界の人工臓器が描かれる。科学の発達により、人間は生きているのか死んでいるのかわからなくなってしまう。決して遠い世界の物語ではなく、今の社会が抱えている矛盾を捉えているような気がした。
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もう絶対お勧めの一冊です。
わたしが言いたいことすべてに加え、目から鱗の深い読み方をしていらっしゃる加納朋子さんの解説付。
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切ない話が多めの短編集。9本も入っててお得な感じ。
そもそもこの人は『永遠の森 博物館惑星』
が好みだったんで短編集が文庫になるのを待っていたところ、意外に早く文庫化してくれたのでいそいそと購入。
期待は裏切られませんでした。すこしばかりリリカルではあるけどね。
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『博物館惑星』がとてもよかったので買ってみました。
SFというより、SF的設定を使ったおとぎ話の短編集。
表題の『五人姉妹』は正確には姉妹ではなく、5人のクローンの女性たちのそれぞれの生き方を描いた物語です。
他にも『博物館惑星』と舞台が同じ『お代は見てのお帰り』、どこか星新一を思わせる『KAIGOの夜』など。
私のお気に入りは「アイボ」の進化型ともいえる犬型ロボット「ドギー」を巡る『夜を駆けるドギー』。タイトルがいいですよね(笑)。
それぞれに切なく、どんな科学の進歩した舞台に置かれようとも人間は人間、ということでしょうか。
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ブログの中から拾った一冊です。
Rainbowさん 、ありがとう。
こちらは9編の小品からなるSF小説です。
◆五人姉妹・・・社運をかけた成長型人工臓器をわが娘に取り付け、そのために娘のクローンを4体作る。
この手のお話は随分読んだけど、今まで読んだ中で一番、優しさを感じたかな・・・
最後が良かった・・・・
◆ホールド・ミー・タイト・・・もうすぐ30歳になる社会的ポジションもある独身女性が、ネットゲームで自分を癒す
私もこの手のネット想像話はいくつか書いている。結構、いい題材なのですよね。
◆KAIGOの夜・・・アンドロイド系のお話
遠い昔、宇宙なのか未来の地球なのか、執事とともに冒険する少年が主人公のアメドラがあって、執事がある日、腕に怪我をすると傷口から見えたのは血ではなくてカラーコードで、彼が有能なアンドロイドだと知るってドラマがあったのを思い出したわ・・・
なんてドラマだったっけ・・・
◆お代は見てのお帰り・・・地球から近い星で大道芸人のフェステバルに出くわした父子は・・
父があんなにも大道芸人を嫌った理由とは・・・
◆夜を駆けるドギー・・・若者の間で流行する育成型ロボットにまつわる噂は・・・
年末に本物のアイボを見たわたし的には目に浮かぶようだった。勿論、デキはもっともっとリアルであると読み取れる。
しかし、ATMで預金をおろした手元を撮られただけで不正におろされちゃうような昨今、育成型ロボットに打ち込んだ個人情報、危ないに決まってるじゃんね・・・
◆秋祭り・・・近未来、農業はドームの中で完全に管理されていた。
自分のアイデンティティーを探したいと思うのはどの世でも同じなのですね・・・
◆賎の小田巻・・・大衆演劇の女形を演じる父が最後に演じる大舞台に隠されたものは・・・
未来になればなるほど、肉親との縁がうすくなるような気がする。
親子の情愛は生物学的なものだけでは決してない、これは大事なこと。ずっと大事なことであってほしい。
◆箱の中の猫・・・宇宙飛行士を恋人に持つ女性の心の葛藤。
9作の中で一番、心奪われました。
シュレディンガーの猫と呼ばれるパラドックスを知っていますか?(中略)
箱の蓋を開けてはいけない。開けないでいれば猫は死なない。箱ごと持ち上げれば、いつでもこの手に、いとしさと同じだけの重みを感じ取ることができる。(本文より)
過去に何度かこんな経験をしている。
私は半ば意地悪な気持ちで箱の蓋が開けられるのを待っている時がある。
相手が開けてくれたら私にはいつでも飛び出す用意が出来ているのに・・そんな瞬間を待っているようなシチュエーションが・・・
実際、開けられて煙のように消えたこともある。
だけど、箱���開けたら死んじゃう猫は、実はすでに箱の中で魂は死んでいる場合が多いよね。
魂の抜けた体の重みを感じる意味ってどこにあるのだろう・・・
とか考えられなくもない。
蓋を開けるか開けないか迷える時間はほんとに短いと思うのだけど・・・
そして偶然にも私の手元に一冊の本がある。
スティーヴン キング, U.K. ル・グィン, C. スミス, J. クロウリー, F. ライバー, ジャック ダン, ガードナー ドゾワ, Jack Dann, Gardner Dozois, 深町 真理子
魔法の猫
この本の中にシュレディンガーの猫が収録されているのだっ!
17人の作家が猫を題材にして書いたお話が17編収録されている。
これは素通りできない、と買ったら・・・なんてタイムリー♪
昨晩より一話を読み始めています。
この本に関してはまた後日・・・・(^_-)☆
◆子供の領分・・・記憶喪失の僕が目覚めた場所は山深い孤児院だった・・・
こちらは読んでて映画:AIを思い出した。
使役型ロボットがパソコンやテレビのように各家庭に普及するのはそんなに遠い話ではないと推測される。
だけど、ロボットを題材にしたお話の結末は大概悲しい・・・
作っておきながら、人を追い越される恐怖や逆に支配されることを危惧するからなのだろう。
最初は可愛いと飼っていながら、途中から飼育放棄をされるペットの末路に似てなくもないなぁ・・
子供の頃、親から『一度始めたことは最後までやめないように』と言われて選択肢が少なくなりつつ、継続を身につけられたのでどっちとも言えないな・・と思える昨今。
だけど、物事を始めるのなら、何にせよ、覚悟と責任が付きまとうのだよ<アメブロさんへ@2005.12.25&2006.1.7のメールの返事はまだですよ(-_-)
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2006.09. 優しさと切なさのつまったSF短編集。表題作は5人姉妹ではない。1人の主人公からクローンでできた4人の女たちが、主人公に会いそれぞれの想いを話しに来る。立派に自立していたり、嫉妬に燃えていたり…。それでも主人公はにこやかに微笑むしかない…のか。いろいろ感じるところのある話だった。
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SF的論理が話の中心でなく、SF的設定内での人と人のやり取りがメインとなっています。だから慣れない身にも、読みやすかったですね。人を信じること、頑なに拒んだこだわりがほぐれる様が、優しく穏やかに描かれてました。内容としては、シビアなものも多いんですけどね。
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SF短編集。
菅さんの作品て、すごく落ち着いた感じがします。
静かに語る感じ。
淡々としてるのに、読後感がじわり。
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「五人姉妹」・・・病から父の会社が開発した成長型の人工臓器を埋め込まれた葉那子。しかし彼女には臓器に問題があったときのためのスペアとして生み出されていたクローンの姉妹がいた。
幸いにも成長型人工臓器は上手く機能し35歳という年齢を迎えることになった葉那子は、父の死を機会にそれぞれ人生を歩んできたクローンの姉妹達と会うことを決意する。
他に「ホールド・ミー・タイト」はネットに耽溺できる歳ではないと言いながらも、憩いの場をネットに求める30歳女性の姿を、「KAIGOの夜」は介護"される"ロボットを生み出したAIを、「秋祭り」は試験管ベビーとして生まれた者の神を求める心情を描くなど、バラエティに富む内容。
残りをタイトルだけ記すと「お代は見てのお帰り」「夜を駆けるドギー」「賤の小田巻」「箱の中の猫」「子供の領分」の計9つの短編集となっている。
「秋祭り」なんかを読むと受精卵"選別"の実際はどうなってるんだろうな、ということが気に掛かった。
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9篇収録のSF短篇集。どれもこれも切なくて優しい話で泣きそうになる。「夜を駆けるドギー」がお気に入り。
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ズシリと来る読み応え。これが短編か? エスエフという括りがもどかしいほどに人間の内面をえぐる九つの掌編。
短編の旨味を凝縮した表題作「五人姉妹」。迫り来る高齢化社会へのメッセージに満ちたヘビィな愛憎譚「賤の小田巻」。長距離恋愛と量子力学を絡めた「箱の中の猫」が特に良かった。
巻末、加納朋子氏による登場人物の名前に対する考察も膝を打った。
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図書館から借りました
SF。短編集。
懐かしいSF。
表題は、父によって成長型臓器の実験に使われた主人公には、臓器移植用に四人のクローンが作られていた。無事に成長して、彼女はクローンたちにあう。
それぞれがそれぞれ、個性的に育つ。一人はきびきびとしたキャリアウーマン、一人は金の無心をするようなどうしようもない女、クローンだという事実に耐えきれずに薬物中毒になり精神病院に入った女、健康的で健やかに育った普通の女。
名前はそれぞれ違い、育った環境も違う、という。
一番好きだったのは、「夜を駆けるドギー」。少年が主人公。今っぽく、そしてどこか古い。
逝ってよし。オマエモナー。
ハンドルネームと、チャット、掲示板、荒し、ハッカー、機械のペット犬ドギー。
男の子はドギーをかわいがる。リアルを嫌う彼は、コープス(死体)という名前をハンドルネームにして、ハッキング等々に強い友人を持つ。
コープスの住む町に、雑種のドギーが夜、走り回っているという話がサイトに上がるようになり、コープスはネットにリアルが混じり込むのを不安がる。
これはなんだかすごく、しっとりする。裏切られない物語。
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バイオ企業を率いる父によって、成長型の人工臓器を埋め込まれた葉那子には、臓器スペアとして4体のクローンが用意されていた。やがて無事に成長した彼女は、亡き父の想いをもとめ“姉妹”との面会を果たすが…クローン姉妹の複雑な心模様をつづる表題作、『永遠の森博物館惑星』の後日譚「お代は見てのお帰り」など、先端科学が生みだす心の揺れを描いた9篇。“やさしさ”と“せつなさ”の名手による珠玉の作品集。
SFのジャンルになるのかな。近未来の世界を描いた短編集でした。優しい物語もあれば、ちょっと切ない物語もありましたが、どれも鮮やかに情景が浮かんできてキレイな1冊でした。私が気に入ったのは「夜を駆けるドギー」でした。
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大学受験の浪人してた頃、予備校の寮近くの京都南の市立図書館で見つけた本。
表題作の切ない感じ、「賤の小田巻」の日本の伝統と近未来SFの融合、「夜を駆けるドギー」なんかも好きだったなあ。
これで菅さんの作品を好きになりました。
「永遠の森 博物館惑星」「そばかすのフィギュア」もいいです。