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聞き書き名人として知られた古母沢寛氏による達人たちの味覚に託して語られた話を纏めた興味深い一冊です!
2020/08/05 10:37
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、昭和の初期に『新選組始末記』をはじめとして、『弥太郎笠』、『菊五郎格子』、『国定忠治』、『すっ飛び駕』、『駿河遊侠伝』などの時代物を次々に発表してこられた古母沢寛氏の作品です。同氏は、聞き書きの名人として知られ、随筆の名手と言われた人物です。「味に値打ちなし」と、明治から大正のよき時代を生きたその道の達人たちのさりげなく味覚に託して語る人生の深奥を聞き書きで綴った一冊です!同書の構成は、「しじみ貝の殻―子爵・石黒忠悳氏の話」、「蛤の藻潮蒸し―資生堂主人・福原信三氏の話」、「冷や飯に沢庵―増上寺大僧正・道重信教氏の話」、「天ぷら名人譚―俳優・伊井蓉峰氏の話」、「砲煙裡の食事―子爵・小笠原長生氏の話」、「貝ふろの風情―民政党総務・榊田清兵衛氏の話」、「鯉の麦酒だき―伯爵・柳沢保恵氏の話」、「珍味伊府麺―男爵夫人・大倉久美子さんの話」、「西瓜切る可からず―銀座千疋屋主人・斎藤義政氏の話」、「うまい物づくし―伯爵・溝口直亮氏の話」となっており、興味深い話が次々に飛び出します。
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