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紙の本
謎は謎のままに終わるということを覚悟したほうが良い小説
2006/01/05 09:30
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
石川県の名家で行なわれた祝い事の席で、毒物による大量殺人事件が起こる。後に自殺してしまった容疑者の動機は判然としない。また難を逃れた当主の娘は眼が見えず、現場にいながらも事件を目撃してはいない。
それから十数年が経ち、事件の関係者たちは当時を改めて振り返るのだが…。
人間の理知を超えた衝撃的な事件が発生し、その場に居合わせた人々による回想を積み重ねて事の次第を炙り出す。そんな手法で恩田陸は既に「Q&A」(幻冬舎)という大変面白い小説を物しています。本書「ユージニア」もその手法を踏襲していて、一つの事件を複眼的に描く、いわゆる「羅生門」スタイルの構成を用いています。
しかし私は本書を「Q&A」ほどには楽しむ事ができませんでした。恩田陸は本書に関するあるインタビューで「『ツイン・ピークス』みたいな話」を考えていたと話しています。確かに「ツイン・ピークス」のような、ある閉鎖的な小さな町で<あやかし>の出来事が起こり、一癖も二癖もある登場人物が切り結んでいく、という物語の「ただならぬ雰囲気」はこの「ユージニア」の全編に漂っています。
それでも恩田陸が目指した「ツイン・ピークス」が結局のところ、そういう雰囲気以上に味わえるものを与えてくれなかったのは、ひとえにあのテレビ・ドラマの関係者に、物語をしっかりと最後まで構成するだけの力量がなかったからです。構成のほころびを「謎が謎を呼ぶ」という言葉で言いつくろうだけで結局収拾がつかなくなったため、あのドラマは放送中止に追い込まれました。
「ユージニア」でも残念ながら謎は謎のまま終わってしまいます。読者はもやもやとした思いと共にあえなく放り出されたという感を強くするか、それとも「謎が謎を呼ぶ」という永遠に終わることのない閉じた系の中でいっとき浮世離れした思いに遊べたことに満足するか、読者自身の選択に任される小説だというのが私の感想です。
紙の本
スリリングな展開ではあるが。。。
2005/07/28 05:09
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:楽天的暴君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
昔の凶悪事件の真相に3階層の時空間で迫るミステリー小説。独白チッ
クなインタビュー形式を経て語られる数々の登場人物から見えた真実。
次々に変わる登場人物を把握するまでは、読者は混乱を余儀なくされる。
こういう描写なら、おそらく結末はあれだろうと予測したが、見事ハズレだった。
個人的には読みが浅かったのかクライマックスに置いていかれた感があり、消化しきれなかったのが正直なところだ。
紙の本
装丁に惚れました。
2006/09/06 00:16
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:由季 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今月号のダ・ヴィンチが「祖父江慎の装丁特集」でした。いや〜装丁ってスゴイ芸術の賜物だよ!!!
中身より、装丁をどのくらい眺め褒め称えていたか(笑)
このユージニアは、全体のパニック状態と不思議な感じを装丁で表現。かっこよし。
中身はたいしたことないっていうか(笑)これからどんどん面白くなるよ!!謎がいっぱいでしょ!?それが何だったか知りたいでしょ!?!的な進み方が、もうムカついてムカついて。作者自ら、もう高度な展開とラストの壁をぐいぐいぐいぐい高くして、結局自分ではうまいオチつけられなくて放り出した感じ。つまんない!!!!!
これ読むんだったら、断然「Q&A」とか「ドミノ」だね。
でも装丁は最高☆