投稿元:
レビューを見る
瀬戸内寂聴の文章というか、言葉選びのセンスがとても好きで、尊敬する。
いちいちきれいで、ムダがなく、性について書いているのに厭らしさはなく、品がある。
押し付けがましくなく、真理をついてくるので一気に読んでしまう。
また別の本も読んでみよう。
投稿元:
レビューを見る
著者 瀬戸内寂聴 ということで、尼さんのイメージしかない著者の本は、お堅いものと勝手に先入観を持っていた。
しかしこの著者以前は、瀬戸内晴海という名前だったということが裏が気に書かれており、ああそういえばそんな人もいたなという程度。
しかしその裏書には、子宮作家のレッテルが貼られたとある。
ということでどんな作品なのかを読んでみると、確かに昭和中期の文学の香りのする文体。
廃頽的な描写。
今ならば別にどうということもない表現も、半世紀前の文壇では、女性がこんな表現をするということが、衝撃的だったのだろうか。
投稿元:
レビューを見る
瀬戸内寂聴著というだけで買ってみた本で、彼女がどんな言葉を綴っているのか楽しみにしていたんだけれだ…
なかなか私の中に入ってくるものではなくて、最後まで読み終えるのにとても時間がかかった感じ
投稿元:
レビューを見る
子宮作家。最高の誉め言葉です。
昭和の匂いがします。TV等で拝見する作者像とはかなり異なりますが、こんな官能的な小説を書いたのが尼さんだと思うとそれもそれでなんという背徳美。
投稿元:
レビューを見る
「きゅうきょくの、しょうふ」ですよホントに!
僕がこれまで女性に漠然と感じていた、なんとなくな恐怖を見事に体現してくれた作品でした。
男女関係なく人間にはきっとこういう衝動が潜んでいて、その動物的な本能は誰にも止められないし摂理なのです。
だからこの作品を読んで、「うわ、なんか気持ち悪い、、、」とか言っちゃう人は全員ウソつきなんじゃないかなー。
「花芯」というタイトルも素晴らしい。花の、女性の芯とは一体何なのか。それは最後の一文に全て集約されています。
投稿元:
レビューを見る
瀬戸内寂聴のセンセーショナルな作品。
短編集だが、私小説のように、主人公は随分と年の離れた男に溺れて行く。産んだ子供を捨ててまで相手との情事に心を躍らせるのだが・・・・。どこか冷めている主人公の気持ちは、多かれ少なかれ 女性特有のものかも。
映画公開を前に読んでみたくなったのだが、瀬戸内寂聴の激しさを感じる作品であった。
TVでみると良い感じのおばあちゃんなのだけどもね。
投稿元:
レビューを見る
図書館で。そういえば瀬戸内寂聴さんの本って読んだことないなあと適当に借りてみたのですがん〜なんというのか難しい。感性が理解できないというのか・・・
文章は美しいし読みにくいわけでもないしそれなりに面白く読めるのですが登場人物がどうにもとっつきにくいしあまり好きになれない。別にお話の主人公を好きになる必要はないのでしょうが好きか嫌いか分かれていた方が読んでいて面白いので。そういう意味では好きではないけれどもよくわからないので嫌いとも言えないなんというのか関心が持てないという反対に一番相性の悪い感想かもしれません。
まあこういう女性もいるんだろうなあ〜 でもまあそれなりに幸せそうでいいじゃない。男が居ない孤独と男が居る辛酸を比べると男性が居ないとダメな女性っているよね、こういう人って周りが何言っても言う事聞かないし仕方ないよね、とものすごい他所事な感想です。まあ実際他人なのですが。
投稿元:
レビューを見る
私と主人公では正反対だけど、こんな人もいるんだろうなと思った。文章がきれいで読みやすかった。園子さんは壇蜜がぴったりな気がする。
投稿元:
レビューを見る
きっと、当時から煩悩と対峙し続け、そこで苦しむ内に他人を、何より自分を救う方途として出家され、現在の説法を得られたんだろう。
投稿元:
レビューを見る
梳る。そんな言葉の一つ一つが、書かれた時代に暮らす作者の息づかいに、生々しく触れているような気にさせる。現代の女性という存在ではない、もっと気持ちや欲望に正直な、女という生き物の内面を目の当たりにし、男はいつの時代もただいるだけなんだと、改めて感じさせられる。
機微を映画にどれだけ写し込めているのか、興味が出たので、観に行ってみよう。
投稿元:
レビューを見る
何でしょう。特別面白かったと言う訳でもなかったのに、物凄く惹きつけられて一気読み。
今読むと特別タブーを扱った小説だとは感じませんが、当時はやはりセンセーショナルだったのでしょうか。
しかしこれを書いた人が今は尼さんだとは凄い。
解説が中々面白く、もしこれが男性作家であれば
『こんな女もいるかもね〜』になるところ、
女性作家が女の性を書いたもんだから、
『まじかよ!こんな女もいるのかよ!』と妙に生々しく恐怖すら感じる。
みたいな事を書いてあって、なるほどなぁとクスっときてしまった。
投稿元:
レビューを見る
『子宮作家』ねぇ……そんなに下品な作品では全然ない、と思うのは、書かれた当時と今の風俗が変化しているからだろうか。
むしろ、恋のなんたるかも知らないうちに、親が勝手に決めた好きでもない男性と結婚し、子供まで生んでしまった後に、恋を知り、夫を愛していないと気づいてしまう女性のなんと可哀想なことか、と同情すらしてしまう。
そこで、妻とは、母とはどうあるべきかということを、自分自身がどう生きたいか、よりも大切だと考える女性だったなら、心と身体を別物として生きられたのかもしれない。
けれど園子は、既成概念などに囚われない女性であり、心と身体を別物とは思えない女性だった。
夫や子供を置き去りにしてまでも恋い焦がれた相手と、結ばれたと同時に恋が終わったというのも、なんというか……。
でも、分からなくもない。
わたしも、わたしの周りの友人たちも、20代の頃は同じような感じだった。
この作家の男女関係に対する考え方は、数十年後を先取りしていたのかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
繊細で且つ深い描写にゆらゆらと揺られて文字を追う心地よさ。美しい日本語とはこういうことなんだなぁ、と酔ったような心地にさせてくれます。女性の性愛を語っているにも拘わらず、品のある文章ゆえ下品にならずむしろ清らかに感じられた。
投稿元:
レビューを見る
瀬戸内晴美。若き日にこの素晴らしくも、迫力ある作品を世に出したからこその寂聴先生なんだと改めて実感した。読み返したい作品。女性のすごさ、その一言でしょう。
投稿元:
レビューを見る
かなり長い時間をかけてやっと読了。
実は私の勝手な都合ではあるけど、宮下奈都さんの本と並行して読んでいたので、その落差というか作風の開きに戸惑いが大きかった気がする。
5編の短編集。印象が深かったのは最後の花芯だったけど、どの話の主人公も、言葉でちゃんと自己表現しないのに、人の何倍も濃い思いを持っているという共通点があったように思う。
自分と違うタイプが多く、なかなか共有できなかったことも読了までに時間を要した理由かもしれない。