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3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本

前置きはいらない。説明は簡潔で読みやすい。

2006/05/11 21:04

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る

 プロローグはいらない。哲学書は前置きが長い。それが分かりきったことを、ながながと定義するためならばまだいい。哲学においてはどんな些細なことでも定義しておくことは大切なのは分かる。しかし、最近の哲学者が著書の最初にページを費やすのは、定義ではなく哲学の存在意義や魅力である。魅力的だと訴えなければならないほど、人気がないと感じているのかもしれないが、人気がある必要はない。まして、人気取りの文章など不要である。現世的な効用をあまりに強調されると興醒めである。

 私が思うにこの手の本を読む人間は読むのであり、そうでない人間は手にすることさえないのだから、哲学の意義などいくら書いても無駄である。読む人にとって、この部分は余分であり、せいぜい本を書いた言い訳にしか聞こえない。だいたい、「たとえば、あなたが自分は秀才だと思っているとしたら、暗記能力にかけては誰にも負けないと自惚れているとしたら、」(p.31)で始まるが、自惚れの強い人が自分を秀才だなどとは思わない、天才だと思うのだ。

 また、共通一次を礼讚しているが、共通一次が始まって以来、若者の考える力が低下していることを大学で教えている著者は感じていないのだろうか。ポスト偏差値社会などと耳触りのよい言葉を哲学者は吐くべきではない。暗記能力を軽視したゆとり教育の結末を著者はどう考えているのだろう。速水敏彦が『他人を見下す若者たち』で述べている裏付けのない仮想的有能感をもった人間を大量に生み出しただけではないのか。だから、著者の出身大学である大阪大学をはじめ、旧帝大の個別試験は暗記力+思考力を計る問題を出題し続けているし、名門私大は採点のこともあり、いまだ暗記力を中心に試験しているのではないだろうか。著者はそれで東大や京大に入れなかったと思っているのかもしれないが、それだからこそ阪大に入れたという事実に気づいていないのだろうか。

 第Ⅲ部「哲学者はどのように語ってきたか」は、各哲学者・思想家の本質を1つか2つだけ取り上げ、簡潔にまとまっていて、哲学史を概観するのに役立つ。ただし、その人物の本質として取り上げられている概念は、著者が本質と考えているものであり、必ずしも同意できないものがある。これは、著者が言いたいことが先にあり、その人物の解説の中に自己の主張を入れ込みたかったからであろう。うるさく感じられる部分もあるが、現代の思想家たちの紹介になっていて、この本から読書の幅が広がる人もいるだろう。

 「西田の代表作『善の研究』は高校の講義ノートをベースにできあがったということもあって、バランスのとれた、読みやすい書物である。ただし、現在の大学生にこのほんをもとに講義をしたら、誰もいなくなる程度には難解である。」(p.320)と書いているが、自分の勤務校を基準に一般化してはいけない。著者は「偏差値的に見て、もっとも厚い層を形成する学生の学力が、ドーンとアップしたのです。」(p.32)と言っているのにである。

 ついでに言うと内藤湖南が西田幾多郎の後にきているが、前におくべきだと思う。さらに、柄谷行人を「日本の哲学者たち」の最後においたことは、どう考えても納得できない。それを除けば、第Ⅲ部と第Ⅳ部は読む価値があり、全体の3分の2を占めるので買って損はないだろう。

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2010/02/09 00:12

投稿元:ブクログ

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2023/07/17 23:09

投稿元:ブクログ

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