紙の本
菩薩にも杯を
2005/06/13 11:23
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:中村静英 - この投稿者のレビュー一覧を見る
人は、独りでは生きていけない。
使い古された言葉の意味を思ってみる。
生きていることと死んでいないことの違いを、並べてみる。
共に泣き、笑い合える至福の存在。
そんな愛すべき人を、彼らは天使と呼んだ。
規格外の天使達。
アル中寸前のサラリーマンと感情を忘れたヤクザ。
普通というものが多数決で決まる世の中では、多いに外れている二人。
さらに、多くの恋人達が男女であることを思えば、同性である彼らは、ここでも常識から零れている。
ゆがんだ人間の心には、満たされない歪な隙間がある。
そこを埋めるのは、同じ空洞を持つ者なのだろう。
虐待され、心を凍らせた神を信じない子供。
神はいないが天使はいると答えた牧師。
その言葉にすがり、淋しい子供は、天使の刺青しょった大人になった。
長い孤独の果て、恋いつづけ手に入れた天使は、リストラされ妻にも逃げられた若くない男だった。
社会に疎まれた心やさしい男が、彼の天使になって隙間をふさいだ。
辛い現実に蓋をした子供は、幸せにも気付けない。
けれど、天使に出会える未来があった。
可哀想な子供の天使、閉ざされた蓋をそっとはずす…なんてことはせず、酔ったはずみで叩き壊して乗り込んできた。
重なる優しさが全身を覆うとき、不器用なヤクザ、美しいものを美しいと感じる心があることを知る。
きっと誰も、幸せの可能性を持っている。
いつか天使に出会える未来。
いつか天使になれる未来。
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四方隆史(27才・元プロボクサーなヤクザ)×柚木成彦(35才・冴えないサラリーマン)。柚木はアル中気味でED。酔って意気投合した四方といたしてしまった。柚木に「惚れてしまった」と懐く四方。お話に派手さは無い。ヤのつく方が出てきてもあくまで地味。だけど、なんだか惹き込まれてあっという間に読み終わってしまった。休刊雑誌掲載の別のお話もいつか読めることがあったらいいなぁと思った。
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純情ヤクザ×アル中くたびれリーマン35歳。会社をリストラになるわ、妻に捨てられるわ、なんか異色な受けでゴザイマシタ。しかしアル中なのに腹は出てない。そりゃあなた…BLだから(笑)受けの柚木は良いのですが、攻めの四方が…これッテ純情なのか?ただのバk(以下略)裏切った理由をバカ正直に話す四方に「やめてくれ」と目で訴える柚木さんに同情(笑)これから苦労するよ、アナタ。あ、一つ忘れてた。柚木ッテばイン…もとい不能なのよ。精神的なね。それが克服された時の二人の会話「勃ってる!勃ってるぞ、四方っ」「ああ、勃ってる。すごく硬いぞ、柚木さん」…あんた達(脱力)受けの柚木は良いのだが、攻めの四方が微妙に外していた。萌えどころストライクゾーンを。うーん…ボール!!
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文章が上手で安定感がある。設定は無理矢理と言えば無理矢理だけど、不思議と違和感がない。伏線もきちんと張られていて安心して読めた。最近の小説(純文学も含め)の文章の質の低いのに食傷というより辟易していたけど、この作品はとてもよろしい。イラストが無くても充分文章だけでよいと思うけど…それは仕方ないのか^^;
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転から結への収束が少し早すぎてもったいない。
『幸せ』っていいねって思える。読み終えた後、ほっこりとした気分になりました。
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やの人がってのと、絵で買いましたー
笑っちゃいました。すいません。
意外と良作。そこまでやの人関連の話があるわけでなく、すんなり設定がはいってきました。
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表紙があれなわりに内容もあれな感じで。
けっこう極道モノもすきな自分的にはちょっと物足りなかったです。
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英田サキ著・挿絵ヤマダサクラコ。30過ぎた冴えないサラリーマン受けの年下天然ヤクザ攻め。英田サキ先生にヤマダサクラコさんと来たら即・はずせないカテゴリ。(笑)もちろん内容も魅力的です。ウチでも紹介させて頂いている著者自身の名作・エスシリーズにはやはりかないませんが、攻めがなかなか変わったキャラだけど一途で純情なところは萌えどころですかね。ちょっと謎めいた展開で始まるヤクザもの。いま一つストーリーの深みに物足りない気もしますが、まぁカジュアルに書いてらっしゃるのかサクッと読み易いし確かな文章力には変わりなし。彼女のヤクザ萌えへの想いには脱帽ですw何だかんだ言って数回読み返しちゃってます。笑
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生真面目ヤクザ×EDなダメダメリーマンの話。
人間の弱さや狡さ、切なさを感じられて等身大の
人間像を描いてくれている感じ。
カッコ良くもない普通の人間だけど、話としてとても
良かったです。
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【あらすじ】人生なんて一寸先は闇―飲み過ぎたある夜背中に天使の刺青を背負うヤクザ四方と一夜の過ちを犯してしまったらしい柚木は、それ以来しつこく迫られ肉体関係を強要されるようになってしまう。その上会社からはリストラを宣告され妻には家出されて…。純情ヤクザ×中年リーマンの奇妙な関係の行方は。
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▼あらすじ
人生なんて一寸先は闇―飲み過ぎたある夜背中に天使の刺青を背負うヤクザ四方と一夜の過ちを犯してしまったらしい柚木は、それ以来しつこく迫られ肉体関係を強要されるようになってしまう。
その上会社からはリストラを宣告され妻には家出されて…。
純情ヤクザ×中年リーマンの奇妙な関係の行方は。
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英田先生が普段書くヤクザもの(ハードボイルド系?)は結構ハードで重く読み手を選ぶ物も多いのですがこれは比較的読みやすいイメージ。
それ故に物足りなさを感じる人もいるかと思いますがこれはこれで面白かったです。
不器用というか、何かが欠落している攻めと駄目リーマン受けという斬新な組み合わせは単純に面白かったし、その設定を無駄にしない文章の書き方はさすが英田先生といったところ。
ラストは温かい気持になれるので、普段やくざモノを読まない方にもお勧めしたいですね。
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面白かった!思わず笑ってしまうシーンもあり。攻めが愚直なほどに真摯で惚れました。
読んでいて「甘ーーーい!」って何度も叫びたくなるシーン多数。いや、気障な台詞が出てくるわけじゃないのだけれど、とにかく攻めがストレートでねー良いよ良いよー。そのアプローチにあんなイヤイヤ言っていた草臥れたおじさんの受けがだんだん心を開いていくのも最高!
あとカトリック司教会議のニュースを読んでシュンとしていたので、教会のシーンは嬉しかったなぁ…ほんと、嬉しかった
主人公の気の良いおじさん具合もよかったなぁ その身近にいるようなお人よしを攻めが天使に形容して傾慕するのがまたとても萌えるのよなー