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シービスケット あるアメリカ競走馬の伝説 みんなのレビュー
- ローラ・ヒレンブランド (著), 奥田 祐士 (訳)
- 税込価格:1,045円(9pt)
- 出版社:ソニー・マガジンズ
- 発売日:2005/01/01
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紙の本
映画と比較して
2007/03/12 09:40
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:APRICOT - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画「シービスケット」を観て、とても感動したので、原作である本書を読んでみた。アメリカが大恐慌に苦しんでいた1930年代、一世を風靡した競走馬シービスケットの実話である。
私には映画の方がおもしろかった。確かに、映画では駆け足でよくわからなかったところが、本を読んではっきりわかったのは事実である。だが映画には、わからなくてもぐいぐいと惹き付けられる、強烈なパワーとスピードがあった。また映画では、『ちょっとのケガで、命あるものを殺す事はない』、転じて、失敗しても人生終わりじゃない…というメッセージがストレートに打ち出されていて、素直に感動できた。本ではこのような事は感じられなかった。
また、馬主ハワード、調教師スミス、騎手ポラードの際立った個性や、3人の触れ合いの温かさは、俳優の熱演もあって、映画の方がより鮮烈に感じられた。だが、馬には演技ができないためか、映画ではシービスケットの個性はあまり感じられなかった。シービスケットの卓越した才能と非常にユニークな個性、そしてその才能と個性をスミスとポラードがどのように生かし、伸ばしていったか…そのあたりは本の方がずっと生き生きと描かれていた。
また本を読んで、ライバルのウォーアドミラル陣営は、映画で描かれたような汚い行為は全くしなかった事がわかった。映画の脚色上の都合で泥を塗られた、ウォーアドミラル関係者が気の毒になった。
以上、本には”参考文献”的なおもしろさはあったが、映画のような手放しの感動は感じられなかった。だが、映画は波瀾万丈で劇的な展開を全く知らずに観たのに対し、本は知ってから読んだという事情もある。本が先だったなら、感想はまた違ったかもしれない。
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