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「ルパン三世」を5人の作家(大沢在昌、新野剛志、光原百合、樋口明雄、森詠)が競作したアンソロジー。
大沢在昌が次元大介主役のガン・アクションというのはいかにもだし、光原百合は金庫師との対決を描くミステリー。
樋口明雄は山林のサバイバル活劇、森詠は意外にも鎌倉時代へのタイムスリップもの。新野剛志だけがこれまで未読の作家だったが印象と違ってコミカルなドタバタ調。
それぞれに作品のトーンは違ってもルパン一味のキャラクターたちはイメージを守って書かれているので不思議と統一感がある。
どれも肩の力を抜いて読めるものでバラエティに富んだ
新シリーズを観ているかのように楽しめた。
ルパン三世の小説版はこれまでにもあったけど、おれはこの本が初めてだし
絵柄や声をあてはめながら読むのはちょっと新鮮だったよ。
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ルパン三世という名前には、ついつい見てしまう魔力的なものがある。というわけで買ってしまった。どうしても読みながら浮かぶ映像はアニメなので、記憶と摺り合わせながらの読書はあまり得意でなく、少々疲れた。ハードボイルドな部分とお笑いの部分の絶妙なバランスがルパンの魅力なわけだが、小説はかなりハードボイルド寄り。もうちょっと調子こいたりするルパンを描いて欲しかったけど、それで失敗するよりは格好いい方がいいか。タイムスリップものはいまいち。ルパンの世界と時代劇の世界と摩訶不思議な世界を短編で書ききるのは難しいと思う。でも行動原理が一番ルパンっぽかったので満足かも。結局全部それなりに面白かったと言うことですね。
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名うての作家達があのルパン三世を素材にどう料理するか!!
読んだ印象としては、原作、もしくはファーストルパンを思わせる作品が多かったように思う。特に樋口明雄「深き森は死の香り」などは非情さと哀切が伴った作品。光原百合「1−1=1」はこの作者ならではのハートウォーミングな物語となっております。
ただ、この中のとある作品、セリフが妙に気になった。ルパンや次元、五右ェ門、こんな喋り方するかなぁ〜?
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(収録作品)拳銃稼業もラクじゃない(大沢在昌)/バンディット・カフェ(新野剛志)/1ー1=1(光原百合)/深き森は死の香り(樋口明雄)/平泉黄金を探せ(森詠)
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みんな次元が好きなのでしょうか。
五右衛門や不二子ちゃんの出番が少なく、ちょっと寂しかったです。
執筆者は豪華ですね〜
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読んでる間ずっとルパン三世のテーマおよび挿入歌が頭の中で流れてたわ。
雰囲気がルパンそのまんまでいいね
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大沢在昌、新野剛志、樋口明雄、光原百合、森詠ら
5人によるルパン三世をテーマにした競作アンソロジー。
もともとのルパン三世自体が相当面白いアニメだった故
この出来上がったキャラクターを操るのは相当に
難しそうですよねー。でも、全作ソレっぽくなってる!!
うーん、素敵ぃー。
中でも秀逸なのは元々の作品だった「十年金庫〜」の
続編を書いた光原作品が秀逸! 若干の設定に変化は
あるものの、実際にアニメで今作を見たかの様な気になる。
森作品は台詞まわしが完璧に表現されており、読みながら
完璧に映像が浮かんできます。この2作品が突出の出来っ!
アニメのルパン好きも100%楽しめるアンソロジーで
思わぬ収穫に満足っす。例によって100円コーナーから救出。
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5人の作家のルパンアンソロジー。
ルパン三世好きは言わずもがな、次元ファンは読んで間違いなしww
いずれの作品もまるでアニメ見てるみたいに楽しんで読めました。
不二子ちゃんと五右ェ門の出番が少なかったのがちょっと残念。
でも本当に面白かった。テレスペの原作にすればいいのに……。
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収録:大沢在昌「拳銃稼業もラクじゃない」、新野剛志「バンディット・カフェ」、樋口明雄「深き森は死の香り」、光原百合「1-1=1」、森詠「平泉黄金を探せ」
ルパン三世は、コミックはほとんど読んだことなくて、アニメしか知らないも同然なので、アニメを思い浮かべながら読んでいた。どれも、アニメにあってもよい感じ。「拳銃稼業」「バンディット・カフェ」「1-1=1」は、ファーストシリーズもありだけど、セカンドシリーズぽいかもね。登山小説(?)な「深き森」(これが一番好き)は、少し趣きが違って、浪漫度が高く、絶対ファースト。「平泉」はスペシャルか? それぞれテイストが違うのも、話によっていろいろあったアニメに通ずる。モチーフは、南半球の架空都市とか、金庫破りとか、ダブってるのがあるんだけど。
他の4作は、キャラの語り口も復元度高いのだが、「平泉」はおかしい。というか、各キャラに合ってないだけじゃなくて、日本語としてもヘンな部分が・・・。タイムスリップ先の人たちのしゃべりも、しろーとが時代劇ぽい言い回しを不器用に混ぜたみたいな感じなのだ。「わらわの後を追ってきたのね」って。・・・w (飛びぬけて年配の作者なのだが。)
ところで、「バンディット」で、バックアップ役に回った五右ェ門は、最後まで放置されてるんですけど。忘れられちゃったの? 最後に出てきたシーンの、「どういうわけか笑みを見せた。」って意味ありげな描写は、意味なかったってことなんだろうか?
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作家5人によるアンソロジー
流石に元々サスペンスやハードボイルド系の作家の集まりな上に
この作家たちは「ルパン三世」を理解してますね!
5人の作家で各々の世界観があって書いていると思いますが
ルパン三世と言う根本の世界観は損なわれてません!
アニメと遜色なく本当にルパン達の姿や声が聞こえてきそうです!
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3
著名作家5名によるルパン三世パスティーシュ集。玉石混淆。
大沢在昌「拳銃家業もラクじゃない」 4+
終始、次元のテーマ“トルネード”が鳴っているような雰囲気が素晴らしい。ルパンや次元のキャラ造形・言動にも無理がなく、原作にもアニメにもシンクロしやすい情景を描く。導入部、話の運び方、オチの付け方など、さすがとしか言いようがなく文句のない出来。
新野剛志「バンディット・カフェ」 2+
無難な出来。ただし三歩進んで二歩下がるかのようなチンタラした筆致がクドく、無駄に印象を悪くする。話の筋に矛盾したところも見受けられ、多少やっつけ感が漂う。
光原百合「1-1=1」 3-
原作のエピソードからネタを持ってきたところはチャレンジングだし、評価したい。ただルパンの人物像を過剰に美化している節があり、本作のプロット自体がそのことに立脚しているので、いやいやルパンってこうじゃないでしょ、と思われたらバッサリ切られてもおかしくない。そこが許容できればまずまずいけるが、本来、ルパンで金庫破りネタを扱う場合、斬鉄剣をどういう位置付けにするかが最重要問題なのでそれが完全にスルーなのは物足りない。
樋口明雄「深き森は死の香り」 4
シリアスな面に焦点を絞って上手くルパンを切り取ることに成功している。著者お得意の山深い森林の情景とアクションの描写は秀逸で、特に終盤のアクションシーンでは“セクシー・アドベンチャー”のブリッジの歌詞が頭に浮かびニヤリとさせられる。また、ピンチのときに都合良く次元が助けにくるような安直な展開にしなかったのも好印象。
森詠「平泉黄金を探せ」 1
ツッコミどころ満載。基本的なストーリー展開はルパンらしいとも、ベタでありがちとも言えるが、良くも悪くもワンパターン。で、見所は僅かにそれだけで、ルパンファミリーのキャラは崩壊気味、ゲストキャラの言動もおかしく、歴史上の人物の取って付けた感も半端ない。何も面白いことがないのに登場人物たちが涙こらえて大笑いしていたり、全く持ってわけがわからない。
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プロの作家が気を入れて二次創作やると、こんなに面白いのか、という好例。
ルパンを好きな人が身近にいて、サントラを聞いているので、こんなのもあるのねと読み始めた。
お目当ては一作目 大沢在昌さんの『拳銃稼業も楽じゃない』。メインは次元で、昔なじみのガンマンと国家転覆、健気な王女が絡む、定番のルパンらしい筋立て。大沢さんの『アルバイト探偵』ものが好きなのでお上手かなと思ったら、さすがの完成度。でも、ちょっとまとまり過ぎかな。
二本目の新野剛志さん『バンディッド・カフェ』。
これは、アニメのルパンのアクション感と軽さがよく出ていて、大泥棒たちの集まるカフェ…という設定がすでに魅力的。ヤスベエさんなり、クリカンさんなり、お好きな声で脳内再生しながらどうぞ。
3作目。光原百合さん『マイナス・イコール』。これは、劇画は私、読んでいないけど、アニメと劇画の両方のいいところを取った佳作。ルパンに助けられる娘さんや、悪役の美術マニアは、いかにもアニメに出てくるのを、ぐっと掘り下げて表情や声を思い起こさせる。普段スポットの当たらない人々が人間臭くて良い。そして、メインの天才金庫作りとルパンの対決は…。いや、きっと作者様は江戸川乱歩とかお好きだと思う。佇まいが乱歩の感じ。大人っぽくどこか静謐で。でも、静かな火花が散る。面白かった…。
4作目。樋口明雄さん『深き森は死の香り』。ビターなラストで、最高に格好いい。ニヒルで、本当はシリアスな…裏の世界でプロを張るルパンの、男としての情と冷徹さが両方味わえる。ルパン三世とは、70年代にマンガと呼ばれ、アニメも劇画も子供の見るものと安く見られていた時代に、あえてこういう男を主人公に据えた、大人の作品だったことを思い出させる。原作の味わいが、きっと生きているんだろう。ラストの次元とルパンの会話はアニメの声と、ルパンの、急に視線を外して、そっけなく吐く呟きが、ビシっと嵌った。期待以上の良さ。
5作目。森詠さん『平泉黄金を探せ』。タイムスリップもの。これは途中で止めた。前の二本が好きすぎて。でも、アニメにしたら映画で行けそうなプロット。あるいは実写でもいいのかな。
どの作品も軽く読み始めたけど、楽しかった。ハードボイルドも読んでみようかしら。アニメも見直そうかな、なんて思わせる。皆さんはどの代のルパンを思い浮かべてお読みになるかしら。私は作家様方と同じく赤い上着のこなれたルパン。それぞれに好きなバージョンで脳内再生して良いと思う。最新キャストの新作も見たいな。
どうぞサントラをご用意の上、お読みになって。
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まさかルパンの小説があるとは…!
5人の作家さんたちによって作られたアンソロジー。
書き手が違うとルパンたちの様子も少しずつ変わってくるのが面白い。
以下、お話ごとに少しずつ。
『拳銃稼業もラクじゃない』
次元がメイン。表紙を開いた途端に推しがそこにいたので、一気に心を掴まれた。いや撃ち抜かれた。かっこいい…。終始その言葉に尽きる。次元ファンは好きだと思う。本当に。
5作品中最もルパンたちの言動に違和感がなかったかな、と。王女の絡みあたり、ルパンも次元もカリオストロのようないい人寄りだったように思う。(もっとダークな彼らも見たい…!!)
『バンディット・カフェ』
世界中の一流の泥棒が集う、という設定がたまらない。少しずつ謎が解けていく様子に、「なるほどなあ」とうんうん頷きながら読んだ。
映像になったとしたら、一番面白いんじゃないだろうか。
『1-1=1』
原作エピソードから引っ張ってきたらしい。大元を知らないので、ちょっと惜しいことをしたなあと思っている。
金庫師によるルパン対策に笑った。なんだかんだなんでもアリなルパンらしいといえば、らしい。
『深き森は死の香り』
初期の色合いが強い。ルパンが躊躇なく人を殺すシーンがあり、ここにきてまたさらにグッと惹きつけられた。待ってました!彼のダークな面はワクワクしてくる。こういうルパンをもっと見たい。
『平泉黄金を探せ』
一番慣れ親しんだルパンファミリーといった様子だった。コミカルというか、とっつきやすさみたいなものが感じられて、これはこれで安心感がある。が、キャラブレが目立っていたなという印象も残っている。
いい意味で、アニメルパンらしいエンディングっぽい雰囲気があった。
有名どころばかりだけれど、恥ずかしながら初めて読む作家さんばかりだった。難しそうだなんて敬遠していたものだから。
こういうの、また出ないかなあ。