投稿元:
レビューを見る
ネットワーク科学、理論についての著書。事例と調査をもとに理論をわかりやすく表現している。
まだこれからの分野なので現在語られていることは非常に極一部と思うが、それでも十分理論の一旦は理解できる。
人とのつながりや周囲の組織など応用も可能だと思う。関連書籍を読みたいと思う。
投稿元:
レビューを見る
ネットワークのスモールワールド性について分かりやすく述べられていた。全体を部分に分けず、全体の性質を知ると言う科学はこれからの課題であると思うので、ネットワーク理論は良い取っ掛かりになると思う。
投稿元:
レビューを見る
-2006.07.27記
長梅雨もやっと明けて、一気に夏本番。
早朝、近くの公園の樹々の下をそぞろ歩くと、ひととき蝉時雨に包まれ、不意に異空間に滑り込んだかと思われるほどだ。
蝉たちのさんざめきは夏の一炊の夢にも似て儚いが、それにしてもこの大合唱の同期現象は造化の奥深さに通じているというものだ。
4月頃に読んだのだが、マーク.ブキャナンの「複雑な世界、単純な法則-ネットワーク科学の最前線」-草思社刊-に出てきた
<ホタルのファンタジック.スペクタル>
「パプア.ニューギニアの熱帯雨林の黄昏時、10メートルほどの高さのマングローブの樹々が150mほどにわたって川沿いに伸びるのをタブローにするかのように、何百万匹ものホタルが樹々の葉の一枚一枚に止まり、2秒に3回のリズムでいっせいに光を明滅させて、そのきらめきの合間には完全な漆黒の闇に包まれる」という。
なぜホタルたちは同時に光を放つことができるのか。この驚くべき壮観な光景も、造化の不可思議、蝉時雨と同様、同期現象のなせるわざだが、これは我々人間における心臓のペースメーカーにも通じることだそうだ。
人工ではない心臓のペースメーカーは大静脈と右心房の境目にある洞結節と呼ばれる部分の働きによるらしい。
この心筋細胞の集まりは、心臓の他の部分にパルスを発信し、これが心臓の収縮を引き起こすもととなる。蝉時雨やホタルのファンタジック.スペクタルと同様、厳密に同期した信号を発生させ、それらの信号が各部位の細胞に伝えられるたびに、心臓の鼓動が生じているということだ。心臓のぺースメーカーたる洞結節に不調が起これば、心拍は乱れ、たちまちに死が訪れることにもなる、という。
先に紹介した「海馬-脳は疲れない」でも触れられていたが、最近の脳科学の知見においても、知覚の基本的な働きでは、脳内の何百万もの細胞が同期してパルスを発信させることが不可欠であることが明らかとなっているように、これもまた同様の同期現象と捉えうる訳だが、どうやら、自然界には組織化へと向かうなにか一般的な傾向があるようだと、「スモールワールド」をキーワードに最近のネットワーク科学を読み解き、さまざまな視点から紹介してくれているのが、本書「複雑な世界、単純な法則」だ。
投稿元:
レビューを見る
知たり顔評論したいかた向き、数式の出てこないネットワーク論読み物。当然かなり回りくどいです。
加えてじらし勿体ぶった煽りも相俟り、ワッツ・ストロガッツ・モデルやバラバシ・アルバート・モデルに辿り着くまで200頁ぐらいかかります。
バラバシ・アルバート・モデルを「スモールワールド」と言ったかと思えばベキ乗数、フラクタル、ハブネット、貴族主義とどんどん言い換え、混乱を増長。
結果書いてあることはおおかた正しいのに、何だかキナ臭い読後感が。
数式に抵抗なければ『複雑ネットワークの科学(http://booklog.jp/users/donaldmac/archives/4782851510)』のほうが読みやすいと思います。
投稿元:
レビューを見る
先日お会いした川野 真寛さんのお勧めのようで、さっそくamazonで注文
読むのが楽しみ o(^o^)o
投稿元:
レビューを見る
どこかで聞いたことがあった「6次の隔たり」。
ひょっとして、宇宙空間もそうなの?とか思っちゃいました。
読みながら、あれこれ想像力を刺激してくれる本です。
投稿元:
レビューを見る
雑誌ネイチャーの編集者が著者だけあって、話のネタは豊富かつ知的好奇心をくすぶるものだった以上に、ところどころに挟まれる著名な科学者、ポワンカレやポッパー、サイモンなどの言葉が秀逸。著者が述べるよう、ネットワーク理論はこれからの可能性をもった学問であり、応用にも期待できる。ただ学者ではないのでは自然界の法則を人間界へと適用する普遍性やネットワーク理論の体系についての説明には欠けていた。高校の時に恩師の先生に自分がすすめて、その恩師が学年にお知らせていたけれども、こんなにいい本だとは思わなかった。
投稿元:
レビューを見る
ネットワーク系の本には良くケビン・ベーコンの話しが載っていて、この本が発行された2005年にすでにあった話しであることが分かってびっくりだった。それと同様に「つながり 社会的ネットワークの驚くべき力」では”おなじみの”というような書き方をしている箇所が散見されたが、この本にはベースとなるような知識が入っていると感じられた。
投稿元:
レビューを見る
この邦題は、ネットワーク科学を追ったこの本にとっては、違うのではないかと思うけどどうだろうか。ちゃんと読んでないで言うわけだけど。有名な本だから借りてみたけど、最初の章を読んで、この本じゃなきゃ読めないことがあるっていう感じが伝わってこなかった。もっと専門的な内容のものにいくべきなのだ。というわけで、大して読まずに返却期限が来たので返す。ブキャナンの他の本も読んでみるべきかもしれないけど、書名を見ると、どれも日本人の著作で読んだ内容じゃないかなあって感じがする、
投稿元:
レビューを見る
カオス・複雑系の理論は単純なエージェントの集まりから現れる新たな性質(創発)についての理解を推し進めてくれるものであった。本書では、さらに一歩進んでエージェントが相互作用をするモデル(スモールワールド)について紹介されている。
これらの複雑系ネットワークでもっとも重要なファクターは地域的なネットワーク間を結ぶリンクで、これこそがネットワーク全体の距離を短くし、系全体の振る舞いを規定している。著者は複雑系ネットワークを二種類に分類している。一つはワッツらによる平等主義的なネットワークで、これはエージェント間の結びつきに長距離のランダムリンクを加えた構造になっている。電力の供給網などはこれにあたる。もう一つは貴族主義的なネットワークで、これはハブを中心としたネットワーク構造になっており、勝ち組がより勝つ構造になっている。インターネットのリンクや生体内の酵素などはこうした構造になっており、ハブがダメになるとネットワーク全体も弱くなる。
ネットワーク全体の強さは、平等主義的か貴族主義的かということに加え、リンクの強さでも規定される。リンクが強い場合はそこが弱点となる(食物連鎖で、一種類の動物しか餌にしない生物は餌が絶滅すると死に絶えてしまうが、何種類も餌にする動物であれば一種類の数が減ると他のものを捕食し、その間に餌も増える)が、弱いリンクが多数張られているネットワークは強く、再構成も迅速だ。
投稿元:
レビューを見る
世の中はどんどん広い複雑なネットワークになっていくが、単純で小さいネットワークの方が安定性がある、という見方もあり、正解はどうなのかわかりません。利用シーンに合わせて、ネットワークの規模を考える必要があると感じた。
(当たり前のことかもしれないが)
投稿元:
レビューを見る
複雑で大規模なネットワークのなかに、数本のランダムなリンクを作ると驚くほど少ないリンクで全てのノードが繋がるのだそうだ。6人で世界中の人々が繋がっているのは、この理論からきているらしい。わかったような、わからないような。
インターネット、河川、生態系、感染症、富の分布などもべき乗則に従うそうです。そういえば、脳のゆらぎもべき乗則に従うようで、自然界はなんとも不思議です。
投稿元:
レビューを見る
"弱い絆の強さ"
ある人のネットワークを多様で豊かにしているのは弱い絆である。AとBが社会的に関係が強い場合、彼らの周囲も共通の友人であることが多い。(部活のつながり)。AとCは1回の面識しかなく年に1度連絡を取り合う程度だが、Cの周囲の友人とAは社会的繋がりを持たない。よって、Cとの繋がりがAにとって普段は交流しない世界の人々との架け橋になっている。(1人のITギークと繋がることでITという普段はあまり触れない世界の情報を得ることが出来る)
投稿元:
レビューを見る
まあ、本自体は、悪くないし、ブキャナンの書き口も好きなので良い本。でも、だいたい知ってることなので、今読むと古いかな。
投稿元:
レビューを見る
誰もが6次の隔たりで繋がっている。この内容から始まるスモールワールドの世界。私たちが関わっている世界は想像以上にスモールワールドであり、それを形成するネットワークはインターネットも、食物連鎖、河川水系や言語も、ありとあらゆるものが、みな同じなのである。それならば、このネットワーク科学を理解し活用しなければ、目にしている結果をもたらした原因はわからないのである。
従来の自然科学の研究は還元主義であった。しかしこの手法は限界がきている。個々の要素の和や積が、それら要素が集まってできた組織全体のパターンを示すわけではない。よって相互作用からなる系をネットワークとみることで、現代科学のアプローチが可能になってくると著者は語っている。
どの学問にもそうであるが、従来の研究手法に行き詰まりがあり、それをブレイクスルーする方向に動いているのを散見する。これらは今のところ点ではあるが、そのうち点になり、これもやはりネットワーク科学となっていくのであろう。