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タフの方舟 1 禍つ星 みんなのレビュー
- ジョージ・R.R.マーティン (著), 酒井 昭伸 (訳)
- 税込価格:924円(8pt)
- 出版社:早川書房
- 発行年月:2005.4
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文庫
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紙の本
猫好きにもオススメ
2006/04/01 10:37
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:シノスケ - この投稿者のレビュー一覧を見る
愛猫とともに一人で宇宙船を駆る商人ハヴィランド・タフ。身長は2.5メートルを越え、体毛は一切なく、でっぷりと太った腹を支えるのは真っ白な手足。無表情から繰り出される慇懃無礼な態度は神経を逆なでしてやまない。傍目には全くの怪人物だが、筋は通すタフ。彼の強烈な個性に惹きつけられてしまった時点で作者にはしてやられたというもの。
遺伝子ネタ、ひたすら巨大な宇宙船、滅びた文明、異質な知性体等々……SFとして目新しい要素は見当たらない。クローニングや遺伝子操作による問題提起が積極的に行われているわけでもない。それでも巨漢の商人がどうやって問題を解決していくのか、先を読まずにはいられないのが不思議だ。帯の「『ジュラシック・パーク』の興奮と『ハイペリオン』の愉悦がここにある」はなかなか微妙なあおり文句であるけれども、各星で繰り広げられる腹の探りあいと人間達のダメさ加減を胚種船から見下ろす視点はなかなか妙。読みやすいエンターテイメントSFとして広くオススメ。
紙の本
久々めぐり合った爽快なスペースオペラ
2005/05/10 21:27
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にんぎょ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本の帯の惹句は「ジュラシックパークの興奮とハイペリオンの愉悦がここにある。宇宙一あこぎな商人ハヴィランド・タフ登場!」ダン・シモンズ好きであろうが、ニーヴン好きであろうが、クラッシャー・ジョウ好きであろうが、この本に嬉々として飛びつくこと間違い無しと思われます。
主人公タフは身長2メートル半、無表情でまっしろな皮膚、はげ頭、太鼓腹、大きな手足という、加藤保憲をもっと魁偉にしたような男。第1話の「禍つ星」で手に入れた過去の遺伝子技術の遺物、どんな生物のクローンも作ってしまう胚種船のたった一つ残された使用可能な船を駆って、「環境エンジニア」を開業して宇宙を行く!
宇宙一あこぎなんて形容されてるタフは、猫撫でながら腹のたつ慇懃無礼な態度で交渉するけど、それが抜け目なさそうでいて、実は間抜けで、実は誠実で、それでいてどんな時にも泰然自若で最後には言い分きっちり通しちゃうという、涙が出そうにいいキャラなんですね。
この本は三話収録で、それぞれのエピソード一つ一つ恐竜やらファンタジーじみたおなじみさんな怪物やらの総出演。常識を超えた知性生物、それに宇宙での活劇までお楽しみを各種取り揃えて供してくれます。タフの手ごわい相手として配されるのがまた根性ありそうなお姉さまぞろいで、それもまた嬉しがらせてくれます。
この連作が、5月末刊行の四話収録の本で完結なのですか。それを待ってから通して読むべきだったという思いと、それでおしまいかいっ!という思いで、心は乱れます。ああ、もう読んじゃったわ、もったいない!
紙の本
自称、環境エンジニアのタフの活躍
2006/03/22 23:21
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
氷と炎の歌シリーズで、すっかり魅了され、やられてしまった。
私としては、読まざるを、得なかった一冊いや、二冊です。
ジョージ・R.R.・マーティンが、80年代に発表していた
SFの連作集です。
とある、事情より、(これが、前日談として、第一話になっています)
銀河帝国の軍事用生物兵器胚種船を手に入れた、タフ。
この船、銀河中のあらゆる、生物の遺伝子情報がストックされていて、
あらゆる、生物が、クローンとして、生産可能になっています。
タフのキャラ立ちも、強烈で、言葉づかいは、慇懃無礼で、
めちゃめちゃ、丁寧。 恐ろしく、遠まわしに相手を、侮辱したりします。
原文では、sir sirの連発だとか、、。
で、身の丈は、二メートル半あって、太鼓腹、で色は、真っ白。
(世界史好きの人は、安史の乱の安禄山を、思い起こすのでは、ないのでしょうか、、この人も、物凄い大男で、大きなお腹をしていて、
玄宗皇帝に、そのお腹の中には、何が、入っておるのじゃ?と、
尋ねられて、
「陛下への赤心(まごころ)で、ございます」と、答えておいて、
反乱を起こしました。)
で、人に身体を触られるのが嫌いで、人ごみも苦手、で、大のネコ好きです。
で、このタフが、銀河中を駆け巡り、生物を販売し環境を直し!?ます。
エンターテイメントとして、めちゃめちゃ面白かったのは、
実は、この連作集の前日談として、描かれた、「禍つ星」
です。SFねたのオチとかは、吃驚しるものでは、ありませんが、
とにかく、エンターテイメントとしての、出来は、ぴか一です。
悪い奴(タフも含めて)が、いっぱい出てきて胚種船を目指して、
トレジャーハンティングを、するのですが、正に、騙しあいのコンゲームの要素と、各人、色んな特徴を生かして生き残りをかけます。
異文明のパワードスーツを着ているけど酸素が、残り少ない者、
この船の制御コンピューターにアクセスできた、サイボーグ、
この胚種船の所属していた、軍の兵器には詳しい者、
この胚種船の中央コントロールにいち早く、たどり着いて、
各人の状況と船をコントロールできる者。
誰が生き残るのでしょう。
面白いのは、みんなが、非常に凄惨な殺し合いをしている中、一人、
自分の飼い猫のクローニングという、生産的作業をしていたのが、タフです。
もう一つ印象に残ったのは、
三作品にも、登場する、ス=ウスラムという人口過剰の星の
食料問題です。
登場人物たちが、もう口にしているのですが、
タフが行う、環境エンジニアリングの作業は、神の領域に
達しているものだと、命をドンドン生産すると、いうことは、
どういうことなのか、というテーマまで、内包しています。
一応、宇宙一あこぎな、商人となっていますが、
1巻目はそれほどでも、ないじゃないか、と思っていましたが、
二巻目からは、タフもめちゃめちゃ悪くなります。
というか、こっちのほうが、発表時期は、早いので、
オリジナルの要素は、こっちなんでしょうね、、。
まぁ、王道のSF作品です。
紙の本
やっぱりマーティン
2005/06/15 12:49
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:栃凪 - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙の絵を御覧下さい。主人公です。
貴方はこんな体型の人物お好きでしょうか?
私は大嫌いです。
そう、大嫌いなんですが、不思議と愛らしさを感じ始めてしまうんですね。まあ、これって作者の術中にハマルってやつですか、仕方ないです。
ジョージ・R・R・マーティンにかなう訳ありません。彼は何時だってサービス精神たっぷりの楽しいSFを読ませてくれるのですから。
もう、<2>も予約しました。幸せ!