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秘密。 私と私のあいだの十二話 みんなのレビュー
- 吉田 修一 (ほか著), ダ・ヴィンチ編集部 (編集)
- 税込価格:627円(5pt)
- 出版社:メディアファクトリー
- 発行年月:2005.3
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紙の本
物事の見方ひとつだけじゃない。視点が変われは物語は変わる。A面とB面の短編集。
2010/05/25 10:02
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
非常に、面白かった。
表紙にあるように、ひとつのストーリーを2人の別の主人公の視点で綴られた24篇(A面x12篇、B面x12篇)の短編集。第三者には一通りにしか見えない日常も、それぞれの主人公視点で見ればこうも違うのかと、唸ってしまう。
人は、思っていること、考えていることをそれほど表面に出さない。そこをちょっとだけ掘り下げてみるだけで日常がこんなにも(不謹慎だけど)楽しくなるのかと、今まで読んだことのないタイプの本書に目からうろこが落ちる思いだった。
各短編は約4ページ。改行も多ければ会話文も多く、1時間ちょっともあれば読み終わる。だけど…短い文章からは書かれている以上の光景がありありと伝わってきて、もの凄く満足できる(中には好みじゃないのももちろんあるのだけれど)。
わたしは自分からはあまり人に本を薦めないのだけれど、本書だけはぜひ、多くの人に手にとってもらいたいなと思う。そして読んでどう思ったのかを聞いてみたい。
初めて読んだダ・ヴィンチ文庫。他にもアンソロジーが出ているようなので読んでみたい。
『秘密。私と私のあいだの十二話』収録作品
目次A
吉田 修一『ご不在票―OUT-SIDE―』
森 絵 都『彼女の彼の特別な日』←特に好き。
佐藤 正午『ニラタマA』
有栖川有栖『震度四の秘密――男』←特に好き。
小川 洋子『電話アーティストの甥』
篠田 節子『別荘地の犬 A-Side』
唯 川 恵 『<ユキ>』
堀江 敏幸『黒電話――A』
北 村 薫『百合子姫』←特に好き。
伊坂幸太郎『ライフ システムエンジニア編』←特に好き。
三浦しをん『お江戸に咲いた灼熱の花』
阿部 和重『監視者/私』
目次B
吉田 修一『ご不在票―IN-SIDE―』
森 絵 都『彼の彼女の特別な日』←特に好き。
佐藤 正午『ニラタマB』
有栖川有栖『震度四の秘密――女』←特に好き。
小川 洋子『電話アーティストの恋人』
篠田 節子『別荘地の犬 B-Side』
唯 川 恵『<ヒロコ>』
堀江 敏幸『黒電話――B』
北 村 薫『怪奇毒吐き女』←特に好き。
伊坂幸太郎『ライフ ミッドフィルだ―編』←特に好き。
三浦しをん『ダーリンは演技派』
阿部 和重『被監視者/僕』
※実際はAとBが交互に収められています。