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7月12日読了。アマゾンの商品を扱う日通の物流センターにバイト勤務した筆者の潜入ルポ。筆者が実際に体験したことを書いているのだからそりゃあ生々しくなかなか面白いが、たかだがバイトがアマゾンの中枢に食い込めるわけもなく、結局関係者へのインタビュー記事が一番面白いような気もする。糸井重里事務所の「言いまつがい」について触れているが、その内幕についてイトイ新聞で知っている身で読むと筆者の戸惑いが面白く感じられる。社会も企業も変わるし、何より日本の出版業界はまだまだ大きく変わっていくのだろう、ということを大いに考えさせられました。
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千葉の幕張あたりにアマゾンの物流センターがあるんですが、
著者がアルバイトとしてそこに潜入し、内情を体験したうえで本としてまとめたもの。
とても興味深い&面白い本です。
アマゾンで注文するとやたら早く届くけど、そのカラクリが分かります。
おかげでアマゾンの怖さとスゴさがわかって、アマゾンで購入する機会が激増しました。
やっぱアマゾンすげぇ!
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情報開示の少ないアマゾン・ドット・コムを知るため、著者自らが流通センターでのバイトを通じて見聞きしたことを記している。ネット上での書籍販売ははたして利益が上がるのか。もし上がるとしたら、どういった仕組みによって。その答えはグローバル経済にもまれた、まるで開発途上国のようなあまりにもローテクでアナログな低賃金労働者の雇用から成り立っていた。んー、考えさせられるなあ。ITの発展ははたして本当に人類を幸せに導いているのか。ごく一部の人間だけが享受しているのではないか。そんな大きな話がよぎる。
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一気読み。
アマゾンの秘密──世界最大のネット書店はいかに日本で成功したか / 松本 晃一と合わせて読むと
内側の人、外側の人が見えて面白い。
今の社会の「正社員」と「その他」の縮図が見える。恐ろしく管理されたアルバイト体制。
送料無料を実現するためにこれほどの管理をしているとは、やっぱりアマゾンは凄い。
最先端を行く企業のすごさを素直に認めます。
ここからなにを読み取るか?
アマゾンがどこに向かっているのかを考えれば、自ずと自社がやるべきコトが浮かんでくると思う。
2冊一緒に読むコトをおすすめします。
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アマゾンの秘密を垣間見ました。あまり表に出てこないアマゾンの業績とか物流センターの話などが面白かったです。潜入ルポものはおもろいですね。
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最近の図書館は、検索が非常に充実しており、同じ市内の別の図書館にある本も見つけ出してくれる。当たり前と言えば、当たり前かもしれないが、別の図書館から翌日には取り寄せることが出来るのだから、これほど便利なことはない。あまり借りられそうにない本であれば市で1冊持ち、借りたいという人がいる図書館に毎日走っているトラックで移動させればいいのだから、検索システム万歳である。
上記のように取り寄せて、ようやく「潜入ルポ アマゾン・ドット・コムの光と影―躍進するIT企業・階層化する労働現場」をてに入れ、数日かけて風呂の中で読破した。
思っていたとおり、雇用環境は実にシステマティックで、やりがいなど皆無である。もちろん、労使関係もドライだ。私は学生時代に日本出版販売株式会社(本屋さんで「日販」と青文字で印刷された箱を見たことはないだろうか、通称「日販」と呼ばれる本の卸の会社である)でアルバイトをしており、本屋さん向けの仕訳や、学校へ納める教科書の仕訳をしていたので、多少本のピッキングの知識はある。
物流のピッキングシステムは実に巧みで、商品(本)は動的に配置され、作業は効率よくピッキングできるようにコンピューターがはじき出してくるのである。在庫が動的に配置されると言うことは、よほど爆発的に売れる商品でない限り、棚の空いているところに置かれて、置き場所が決まっていないのである。これは、らでぃっしゅぼーや、いや他のピッキングを行っている現場の人でも、理解し得ないことかもしれない。さすがコンピューターを使って商売をしている会社だと思わされる。
商品1,500円以上で送料無料の裏には、作業効率を1分で3冊の本をピッキングできるかという指標でしか評価されず、使い捨てにされていく作業者がいると言う事実が浮かび上がってきた。
しかしながら、アマゾンドットコムでのワンクリック購入にはまっていく著者の生活も描かれており、販売、購入の両面から面白く読むことができる。このアマゾンを酷評しているようなこの本を、アマゾンでは販売しているし、レビューも載せている。そんな、アマゾンをよく利用している人は、先日紹介した本と合わせて、一読の価値ありだ。
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ネットで本を買うといえばamazon.jpが代名詞ともなっています。
そのamazonの物流の裏側をライターが潜入取材している様子が赤裸々に語られます。
アメリカ発のベンチャーの実態が分かります。
格差社会への警笛かも知れません。
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2005年発売。著者がアマゾンの流通センターで実際にアルバイトとして働いた経験が記されたドキュメンタリー。センターの内情がどうこうよりも、派遣切りなどが大問題になっている現代の雇用格差を予見させる。同僚アルバイトの夢も希望も無いアルバイト人生が切なすぎる。これから社会に出ようとしている学生の人達にぜひ読んでほしい。アルバイトで食いつなぐことがどれだけリスクがあるかを感じられると思う。
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お友達が「是非読んでみて」と貸してくれた本。
新品本の大半をアマゾンから買ってる私には興味深い本でした。
ワンクリックで注文しているお客さんの裏側でピッキングに奔走するアルバイトの人たち。
アマゾンの裏側を描くことで、格差社会の底辺を描いていて、切なかった。
本好きの私は、一冊一冊に、作者の息吹を感じて、大切に読んでるわけだけど。
アマゾンの物流センターの人にとって、本はただの記号、働いている人もただの記号。いくらでも代わりのきくもの、アイデンティティのないどうでもいい仕事。切ないね。
とはいえ、私はこれからも20冊以上の<ビック>の注文を出し続けると思うけど・・・
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(2009/7/8読了)2005年出版なんで話がちょっと古いけど、ワンクリックの裏にある非正規労働者の苦労が・・・。しかし今や完全にネット上の本のデータベースと化したアマゾン。きっとこの本に書いてある頃より何倍も凄い物流量になってんだろうなあ。
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2年くらい前に、
読書関係のメールマガジンに載っていて、
「これは読みたい」
と思ったのだが、
なかなか読む機会がなく、
今頃になってやっと
図書館で借りた。
これを読んで、
複雑な心境になり、
アマゾンで買うのやめようかなあ
とも思ったけれど、
(こういう経営理念の会社ってどうなの?と思った)
結局今も、
便利なアマゾンを利用し続けている私。
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12/14
最近頻繁に利用するアマゾン。昔は全く耳にしなかったほどの急成長を見せたアマゾン。
読書好きとしては、このアマゾンを利用しない手はない。この本を通して、アマゾンの裏側を知ることは、僕の探求心を刺激し、新たな知識を増やしてくれた。急成長の裏側には、いろいろあるんだなー。
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あまりネットショッピングはしない方だったのだが、最近このBlogにamazon.co.jp(以下:アマゾン)のアフィリエイトを導入したこともあり、書店で見つからないレアな本などをアマゾンで購入していた。
そんなある朝、たまたま早起きしたため、アマゾンでポーダブル・ハードディスクを眺めていると丁度求めていたスペックの製品がお手頃価格でリストアップされていた。
しかも
「24時間以内に発送」
とある。
特に急ぐ訳ではなかったがその場で購入を決めた。
そしてその日の夜22時頃。帰宅すると届け物が。
それは今朝購入したポータブル・ハードディスクであった。
衝撃を受けた。そして同時になぜだか寒気がした。
以前、本を購入した時は基本的には翌日に届いた。それであってもオーダーを出した翌日というのは十分スピーディだと感じたのだが、その日の内に届いてしまうと逆にその力に畏怖してしまう。
この出来事がきっかけとなりアマゾンという不気味なジャングルに少なからず興味を抱いた。
そして偶然にも書店で目にした本がこれだったと言う訳である。
まず目を引いたのが『潜入ルポ』という言葉。
潜入?それってスパイ行為?違法では?などと考えを巡らせた。本書の中には特にこの本を発行するにあたってのアマゾンからの差し止めなどがあったとは書かれていないので、特にこの取材形式(?)は問題ないのだろう。
さてこの内容だが、タイトルこそ『アマゾン・ドット・コム』となっており、アマゾンへの潜入ルポなのだが、最終的な視点は
『人間の価値』
というところに落ち着くと思う。
自給900円で機械的な作業をするアルバイト。
彼らには「考える」ということが求められていない。ただただ同じ作業を黙々と行なえばいいのだ。そしてそれは完全にマニュアル化されており、一人がやめれば次を雇えば良いという考えの下に成り立っている。当然、そこには昇給や昇進といった決まりはないに等しい。
言い換えれば『がんばらなくていい』。つまり超高性能アシモでいいのだ。
正直、この人を人とも思わないようなシステムには吐き気がした。
国際社会で生き残って行くというのは本当にこのようなことなのか?勝ち残れば何でもありなのか?
最近少しは落ち着いたが、物価の下落が激しい。
物価が下がっているということは、特殊な場合は除けばそれを作る人間そのものの価値が落ちているということではないか?勘違いしてほしくないのは、実際に例えばデジカメを作っている人達のことを言っている訳ではない。あくまで日本、世界における人間という生物の価値が下がっているということである。
今の社会に欠けているもの。人を敬う気持ち。コミュニケーション。意欲。挙げればキリがない程。
誰もが平等という幻想は有り得ないとは思っている。しかし誰もが人間らしく生きることのできる未来。それを築くには何が必要なのか、僕ら個人では何ができるのか。もう一度そんなことを考えさせられた一冊だった。
蛇足になるが、この本をアマゾンで検索するとしっかりラインナップされている。しかもしっかり単価は¥1,500以上。アマゾン中毒の人には是非読んでもらいたい。そうでない方は、少なくとも数回利用してからにしよう。
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今やアマゾンを知らないのは私の嫁くらいだろう。
インターネットをしない嫁は、『アマゾン?あのジャングルの?』
という返事だったが、普通の人なら、
誰でも知っているネット通販のガリバー。
しかし、それはユーザーとしての知識。
企業としてのあの会社は、意外にも謎に満ちている。
果たしてどのくらい儲かっているのか。
あれほどの有名会社でありながら、売上高という基本情報すら、
闇に包まれている。
理由は、『アマゾン・ジャパン』という会社が、
株式を上場していない上に、マスコミに対しても
殆ど取材を受け付けない秘密主義がそこにある。
そんな中、自分でアマゾンの物流センターでアルバイトをして
自ら内部を観察した本がある。
ハードカバーの本だけど、一気読みだった。
結論から言えば、アマゾンは信じられないペースで売れているらしい。
例えば、ハリーポッターの新作が8万冊も売れたという。
経験から言って、普通じゃない。
九州の本屋と比べるのもなんだが、私が以前いた本屋で
1万冊も売った本はない。
普通の本屋では100冊売るのも大変なのだ。
どれだけ売れても2,000冊位だったように記憶している。
それが無店舗で8万冊。そりゃ凄すぎる。
で、その数字を一生懸命作っていたのは、常時100人以上いる
商品センターのアルバイトだった。
私の勤めていた本屋でもネットビジネスには手を出していたが、
あれは実は、本当に手間がかかる商売なのだ。
どれだけコンピューターで在庫を管理できたとしても、
実際に注文された本を棚から探して、梱包して配送するのは、
全て人の手作業だ。
アマゾンのアルバイトは、本を1分間で3冊ピッキングすることを
ノルマにされているという。
やってみればわかるが、数万タイトルの中から
1冊を見つけ出すというのは想像以上に大変な作業だ。
彼らは1分間で3冊というピッキングノルマにがんじがらめにされながら、
毎日毎日朝から晩まで本をひたすら探しているのだ。
しかも契約は2ヶ月更新。
サボろうものなら、いつでも首を切られてしまう。
ロボットのような単純作業。
そんな気が狂いそうなアルバイトに従事しているのは、
意外にも30-40台の中年が多いという。
あまりにも過酷なため、9割は1年以内に辞めるらしいが・・・
最近、色々なところで、フリーターの問題が論じられている。
今やフリーターは『定職につきたくない人の気楽な稼業』とは
言えないらしい。
正社員として就職したくても、なかなか決まらず、
つなぎのつもりでバイトをやっている間にあっという間に時が過ぎ、
かといっていくら続けても『キャリア』として評価されない
フリーターは、いよいよ就職の機会を奪われていく。
そして正社員とフリーターに大きな格差が生まれ、
社会問題になっている。
アルバイトではなくても、企業はかなりの業務を契約社員や
派遣社員にシフトしており、『正社員』というのは、
本当に難しくなっているらしい。
これらのことは、私の周りを見ていても如実に感じる事実だ。
雇用体制のシフトによってようやくもたらされる『業績回復』
今、アルバイトの存在なくして産業は成り立たないが、
重要なのは、『あなたじゃなくてもいいんだよ』という現実。
書店時代、何とかしてやりたいが、どうしてやることも出来ない自分に
悔しい思いをしていたことを思い出した。
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著者がアマゾンジャパンの物流センターにアルバイトとしての潜入ルポがメインで書かれています。
アマゾンCEOベゾス氏が企業理念に顧客第一主義を掲げており、マイストアやカスタマーレビュー、マーケットプレイスなどの主力コンテンツに反映されている。
インターネットの普及により家にいながらワンクリックするだけで2、3日後には自宅に本が届く便利な時代!
しかし、その背景には日々時間やノルマに追われ商品を探して物流センターを走り回るアルバイトが存在するという事実。
利便性や資本主義を追求しすぎる現代で、末端の低賃金で使い捨て感覚の単純労働者は仕事に対するアイデンティティを失い経済的格差と共に希望格差までも拡大し、ひいてはわれわれの生活基盤である社会全体を不安定にしていくのかもしれない!
アマゾンに限った事ではなく企業は、時に立ち止まり、そのことを今一度思い返してみる必要があるのではないか?
考えさせられる一冊です。