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路上の芸術 マンホールの考察、およびその蓋の鑑賞 みんなのレビュー

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みんなのレビュー5件

みんなの評価3.7

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5 件中 1 件~ 5 件を表示

紙の本

新たな発見や喜びは足元にあるのかもしれない

2010/04/07 03:18

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:marekuro - この投稿者のレビュー一覧を見る

のっけから、こんな事を書くと眉をしかめられそうですが
また、普段の生活においても眉をしかめられる事が多いの
ですが、評者は下水道が大好きです。愛情すら感じます。

評者の仕事は下水道関係ではありません。
ですが無類の下水道好きです。

何故か?自分でもわかりませんが、下水道が好きです。
疲れた時など、ボーッと下水に流れていく雨水を眺めている
だけでも結構な癒しの効果を感じたりします。

もしかしたら心理的に病んでいるのかもしれませんが
幼少期から下水道が好きなので、どうしようもありません。
仮に病だったとしても、きっともう治らないでしょう。

雪国において冬季間はほとんどの場合、下水溝も
マンホールも雪の下に隠れてしまいます。
雪解けがすすみ、道路が見えてきた今日この頃。
雪解け水の多くが下水道やマンホールに流れ込んでいます。
下水道好きにとって春の訪れと共に大いに楽しめる季節です。

マンホールと言えば、直接的にも間接的にも下水道
のそれと関係が深く本書もタイトルこそ「路上の芸術」
と控えめですが、下水道のカテゴリーに入ると言っても
許される範囲でしょう。

ですから本書は当然入手して我が家の本棚における評者の
【重要書籍】を集めた場所にしっかりと並べられている
のですが、本書を手にした理由はそれだけではありません。

いつだったか忘れましたが深夜放送の「タモリ倶楽部」
において、本書が大絶賛されていました。
みうらじゅん氏とタモリ氏がそろって大絶賛してたのです。
番組内では「くだらなすぎて素晴らしい」という旨の
発言をされていたように記憶しています。

著者は神奈川県内のすべてのマンホールを写真に撮り
日本中のマンホールを観察してまわっているそうです。
時には車が往来する車道に出て、命に危険を感じつつ
写真を撮り、あるいは人ごみの中でマンホールの写真を
撮りつづけ、奇異の視線の集中砲火を浴びたりもしている
ようです。

正直、脱帽でした。評者にはそのような根性はありません。
冷静に考えるなら「他にやることあるだろ」となりそう
ですが、他者から見て一見理解に苦しむような事で、かつ
何の役にたつのか不明な努力を重ねている人に対しては
ある種の畏敬の念を覚えますし、その気合と根性にあやかり
たいとも思います。

本書の内容ですが
のっけから各地のマンホールのカラー写真が載っています。
それは「スタンダードタイプ」「ご当地もの」「デザイン系」
「ヴィンテージ系」「シンプル・イズ・ベスト系」
「版画もの」「メッセージもの」「その他」
とおそらく作者独自の切り口でタイプ別にマンホールが
分けられています。

本書を初めて手に取った時の感想は、当たり前ですが
「読む人を選ぶ本だなぁ」というものです。
そしてその感想は間違っていないと思います。
著者はのっけから、かなり大真面目かつ真剣に
「マンホールの蓋は芸術である」と述べています。
載せられているマンホールの写真の数々は
確かに手がこんだものが多く、控えめに言っても
デザイン性にあふれていると言えるでしょう。
しかし、多くの人の共感を得られるか?といえば
それは中々難しいのが実状ではないでしょうか。
きっと、誰も日常生活でマンホールの蓋の事なんか
気にしていないでしょうから。

以下、目次
第1章 マンホールの蓋の発見
第2章 マンホールとその蓋
第3章 下水道の歴史
第4章 日本のトイレと下水道
第5章 近代日本の下水道
第6章 阪神淡路大震災と下水道
第7章 現代の下水道
第8章 マンホールの蓋の鑑賞例

目次からもわかるように、マンホールだけではなく
下水道全般についても述べられています。
「マンホールの蓋」だけではネタが足りなかったの
かもしれませんが、しかし、下水道に関するあれこれは
かなり噛み砕いて書いてあり、大変わかりやすい内容です。
外資系企業の面接試験でも頻出される問題である
「マンホールの蓋はなぜ丸いのか」に関しても
かなり丁寧に解説されています。

本書の楽しみ方は、やはりマンホールの写真の数々を
鑑賞する事にあると思いますが、読み物としても秀逸だと
思います。なんと最終章では蓋の鑑賞の仕方まで手ほどきして
くれる丁寧さです。

先にも述べましたが、一体何の役にたつのか不明な
本書ですが、多くの人にとっては普段気にもとめられない
マンホールという存在にたっぷりとスポットライトが
当たっていて、それらを通して新たな気づきをたくさん
あたえてくれます。
余談ですが評者の場合は、こういう本ほど長く本棚に
残る傾向にあります。

本書を読んで考えたことは心踊るような楽しいこと、価値観を
揺さぶるような発見は意外と自分の足元にあるのではないか?
ということです。
遠くを見るのも大切ですが、自分の足元をもうちょっと確認
してみよう。と、そんな気にさせられる一冊でもあります。

新風社から出版されていた本書は残念ながら
会社の倒産によって現在は入手不可のようです。
新風社自体はwikipediaに書かれているように色々と物議を醸して倒産しているようですが
本書はどこかの出版社から復刊してくれる事を
望みたい。そんな一冊です。細く長く入手可能な状態で
いてほしいと思う本は久々でした。

正直、堂々とおすすめするのは気が引ける内容ですが
そこはマイナーなジャンルで強くたくましく誰に物怖じ
することもなく堂々とマイノリティを貫いている著者に
敬意を表し、評者も勇気を持って

      「おすすめです!!!!」

と書いて本書の書評を終えたいと思います。



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2005/06/29 12:44

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2007/02/14 20:51

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2011/05/02 20:13

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2015/04/02 22:40

投稿元:ブクログ

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