紙の本
高校生のためだけでなく
2009/06/19 21:09
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:半久 - この投稿者のレビュー一覧を見る
高校生のころにこの本にであっていたら、もっと哲学や思想の勉強をしたんじゃないかと思うのです。「それってさー、勉強ぎらいのいいわけにしてるだけだろ」という内なる声が聞こえてもくるんですが(苦笑)。
ふっと、「こんな本があって、いまの高校生は幸せだな」という感慨が浮かんできました。けど、これはいうべきことではないのかなと、またも内なる声がしました。理由は、われながらはっきりしないんですが、たぶん高校生時の自分がいわれたら素直にうなずかないんじゃないかと。でも、この本は「高校生だけにはもったいない」とはいえると思います。
本書は、見開き2ページで一つの用語を解説しています。「ポイント」「切り口」「展開」の3つで構成しています。まず、ポイントで基礎的な定義をします。切り口で文脈に応じてその用語がどういった使われ方をするかという、さまざまなヴァリエーションを提示します。展開ではその用語の発展性、他分野で使われる可能性、ほかの用語との関連性などを探っています。
記述は平明ですが、全部が全部わかりやすいということではなく、しばしば立ち止まるところがあります。そこで、ああだこうだと考えだすのでけっこう読了に時間がかかりました。特定の用語を調べることに使うだけでなく、最初からじっくりと読むのにも値する本だと思います。
思想系の書物を読んでみて印象に残っている言葉の一つは、「あなたがいま、しゃべったり書いたりしていることは、たいていは広い世界のどこかで誰かがすでに言及ずみなのだ」です。
著者の言葉を借りると、《コンテクストのうちにあるすべての文は、その背景に長い歴史をかかえている。‘初めて語られる言葉など存在しない。どの言葉でもすでに無数に語られている’のであり、ぼくたちはその文の背景にあるものを知らないと、理解できないことがあるのだ。》ですね(強調点を‘’でくくりました)。
そうなると「自分の言葉で語りなさい」とか「人とは違う言葉で語りなさい」とは、うかつにいえなくなります。かといって、「紋切り型でいいんだ」とひらきなおるのも寂しい。
「独創性」はいまの世にもきっとある。でも、それを発揮した文章を書くのは至難です。わたしのような凡人にできることは、つねに未完であることを意識し、推敲をくりかえすことなのだろうなと思いました。
脱線しましたが、本書は自由にイマジネーションを広げさせてくれるキーワード集でもあるものですから・・・。
紙の本
キーワードを、きちっと把握する。
2007/12/23 16:35
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:シャリア - この投稿者のレビュー一覧を見る
ターゲットマーケティングの逆成果か、高校生のためだけの評論文キーワードではない。
逆に「紙おむつ手法」をタイトルマーケティングに取り入れたのかもしれない。(紙おむつは、赤ちゃんが買うものではないので、宣伝自体は、母親向けに行われている)
さて、タイトルの次に注目されるのが本書の統一された文章構成である。具体例の中でキーワードについて説明している形になっているので、その理解にぶれることなく認識することができる。特にその背景も含んで解説してあるところが、心憎い。
中身は実に面白い。普段、日常生活で使用しているキーワードを改めて原点に戻って定義づけ、明確にしている。
本書を読んだ後に、あいまいな使い方をされている文章に接すると、あいまいな使い方をされること自体、ウザイと感じるこことなるかもしれない。
きちっとした定義、意味を知ることによって、読み解いたり、表現したりすると、まさに明確なものが見えてくる。
続きは本書にお任せする。
インターネットで表面的な言葉の意味は、すぐに調べられる時代だからこそ、意味の深さを知るには、貴重な一品である。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
評論文の基本的なことが、わかりやすく解説されていてよかったです。高校生向きですが、大人でも楽しめそうです。
投稿元:
レビューを見る
評論文が読めるようになるための近道は、独特で難解な用語を根本から近いすること。
本書は、最新の入試傾向を踏まえて、読解上欠かせない100語を厳選して収録。
それぞれ見開きで、定義およびその語が持っている思想的背景や、押さえておきたい
文脈などを複数提示する。これらの用語を、ただ辞書どおりの意味ではなく、もっと
深い背景を含めて把握できれば、評論文中での文脈をある程度推測する力がつくのでは
ないか。 文章を読む〈視点〉が養える、「急がば回れ」の一冊。
投稿元:
レビューを見る
キーワードの用法や本来の意味の説明が加えられている。これは評論文のためではなく、目的は「要約の練習」のためであった。見開きで1つのキーワードを扱っているため、要約を練習するのにもってこいなのだ。おおよそ400字でそれをまとめるのだ。学ばせてもらった本である。
投稿元:
レビューを見る
評論文が読めるようになるための近道は、独特で難解な用語を根本から理解すること。本書は、最新の入試傾向を踏まえて、読解上欠かせない100語を厳選して収録。それぞれ見開きで、定義およびその語が持っている思想的背景や、押さえておきたい文脈などを複数提示する。これらの用語を、ただ辞書どおりの意味ではなく、もっと深い背景も含めて把握できれば、評論文中での文脈をある程度推測する力がつくのではないか。文章を読む〈視点〉が養える、「急がば回れ」の一冊。
投稿元:
レビューを見る
わかりにくいキーワードをわかりやすく解説してくれています。見開きなのでコンパクトで良いです。高校生じゃなくても十分役に立つかな、と思います
投稿元:
レビューを見る
はじめに、のページは以下の文章で始まっている。「この本は、高校生の諸君が教室の授業や大学入試の際にとりくむ評論文読解に役立つよう工夫したものだ。」
高校生には難しいような気がする。少なくともうちのバカ息子には。でも読んでいて面白いんですね。新たな視点、知見を与えてくれる。一つの項目が見開き2ページなので、時々思い出したように読み返しています。
投稿元:
レビューを見る
高校生の〜と書いてあったので高校生の時に読みましたが、
大人の方でも十分楽しめると思います。大学生のための〜にしてもいいくらい。
ある用語に焦点を当てて見開きで背景知識・意味について述べてあります。
高校の受験国語で評論文を読む時、一見して何気なく読み飛ばしてしまいがちな
用語を丹念に洗い出してくれる一冊。辞書片手に評論を読んで用語をチェックしていくより
本書をざっと一回読んであとは辞書代わりに使うほうがよっぽど効率的でした。
評論文キーワード集とも言えるし、教養知識をざっくりまとめた本とも言えると思います。
投稿元:
レビューを見る
人の家に置いてあるのを見て、面白そうって言ったらくれた。笑
大学生ですけどもね…
でも評論文用語とか哲学用語とかわからんのだよ。
高校の時の国語総覧の後ろの方は未だに愛読中。
投稿元:
レビューを見る
「形而上/形而下」や「認識論」など、これって本当に高校生に必要なのか?と思ってしまう。
これを理解している高校生は、きっと受験勉強そっちのけでマイワールドを構築している人なんだろうな~。
そういう人、大好きだけど。
いずれにせよ、100項目のキーワードにつき見開き1ページで解説しているというある種の便利さは存在する。
評論文対策というより、100項目の中から具体的に学部で何を勉強したいのかという指針として活用できる書物。
投稿元:
レビューを見る
[ 内容 ]
評論文が読めるようになるための近道は、独特で難解な用語を根本から理解すること。
本書は、最新の入試傾向を踏まえて、読解上欠かせない100語を厳選して収録。
それぞれ見開きで、定義およびその語が持っている思想的背景や、押さえておきたい文脈などを複数提示する。
これらの用語を、ただ辞書どおりの意味ではなく、もっと深い背景も含めて把握できれば、評論文中での文脈をある程度推測する力がつくのではないか。
文章を読む〈視点〉が養える、「急がば回れ」の一冊。
[ 目次 ]
アイデンティティ
アイロニー
アウラ
アナロジー(類推)
アプリオリ/アポステリオリ
アレゴリー
異端
一元論と二元論
イデオロギー
イメージ〔ほか〕
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
投稿元:
レビューを見る
100の基本用語をそれぞれ2000文字ていどで解題する、人文系入門の良書です。
「一元論と二元論」「外延/内包」「イデオロギー」などまとめにくい用語すらも2000字程度でそこそこ不足なくやさしい言葉で説明できる文章力は、素直に賞賛していいと思います。
主語に「ぼくたちの」を乱発しているあたりが、一応高校生向けぽいってことなのかな?
でもこの本を咀嚼できる高校生は、かなりヒネてるんじゃないかなぁ。
投稿元:
レビューを見る
評論文によく出てくるキーワード100個について、定義やさまざまな切り口からの見方を述べてある。
小論文対策にいいかも、と思った。
哲学的な解説が多いのが特徴かもしれない。
ただ、これを高校生がすべて理解するのは大変な気がする。
投稿元:
レビューを見る
読み終えました。
高校生向けに、分かりやすく、しかしレベルを落とさないで書くというのは
素晴らしい力量だと感嘆。
(2012年11月14日)
再読しました。
(2012年12月24日)