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売れる日本語売れない日本語 そのちょっとした違い 接客用語改造講座 みんなのレビュー
- 今井 登茂子 (著)
- 税込価格:1,430円(13pt)
- 出版社:河出書房新社
- 発行年月:2005.6
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紙の本
使い慣れてる言葉そこには落とし穴があるようだ
2005/09/26 12:53
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夕顔の丘 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大学生の国語力が、中学生レベルであると報道されていた。さ
らに追い討ちを掛けるように、頻繁に使われる若者言葉。その曖
昧さは伺い知れないことも。<他人の振りみてわが身を正す>で
はないが、自身も意外と使っているのではないか? まして、営
業、接客・サービス業などに携わる人は使ってはいけない死語で
ある。この本は、立場立場での、正しい日本語の使い方、会話力
を記したものである。
ショッピングや食事のオーダーで、少し変に感じた「受け言葉
」がある。ファミレスでコーヒを注文すると、コーヒ一つですね
と繰り返された。丁寧な言葉使いであったが、気弱な自分には大
変なプレッシャーとして跳ね返ってきた。“何かもう一品”追加
しなくてはいけないのかと赤面したくらいだから。なぜか、巧み
な言葉に取り巻かれたような、やな気分に陥った。
本文から引用。支払の段階で「このカード、使えますかと訪ね
ると、はい、ご利用できますよ」明るく答える。待てよ? 何か
ちょっとおかしいね。あなたなら分かりますか。最近やたらとこ
の手の言い方に出くわす、「病院で会計を済ますと、事務員が
《お大事にしてください》」とか。「割烹料理店で景色のいい部
屋に案内してくれた女将が《景色をご覧なりながら、ごゆっくり
お食事してください》」など、やたらと多い。考えさせられてし
まう日本語の使い方ではないか。
様々な実話をもとに、正しい日本語の使い方がマスターできる
のが楽しみ。接客業やサービス業、営業などに携わっている方に
オススメしたい一冊である。もちろん自分にも貴重な参考書と捉
えている。
紙の本
こんな本が役に立つ社会が広がっているかと思うと気が重い。
2005/10/10 07:19
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
接客業の現場で聞くことが多くなった耳障りな日本語表現を取り上げて、本来はどう言うべきであるかについて紹介した軽い読み物です。
「こちら、焼きそばになります」は「こちら、焼そばでございます」と言うのが正しい。
「ご注文の品、以上でおそろいでしょうか」は「以上でそろいましたでしょうか」と言うべき。(そろえるのは店側だから、自身に尊敬語を使うのはおかしい、というのがその理由。)
確かに巷でやたらと耳にするこうしたマニュアル敬語の奇妙キテレツさを簡明に指摘しています。
ただし私自身、反省しながら読んだ箇所も中にはありました。
「大変お求めやすくなっております」
:「お求め」は名詞ですから、動詞の連用形に接続するはずの「やすい」という語とは結びつかない。したがって「お求めになりやすいお値段となっております」が正しい表現。
「この割引券使えますか?」「大丈夫ですよ」
:「大丈夫」というのは上から下への物の言い方なので、「お使いいただけます」か「どうぞご利用ください」が正解。
この二つは私も使ってしまうかもしれないという恐れを感じながら読みました。こういう表現をあまりにも毎日浴びているうちに私の言語感覚も麻痺してしまったようです。
以前読んだ「お言葉ですが… (9)」(高島俊男著/文芸春秋)によれば、「こちらケチャップに“なります”」、「1000円“から”お預かりします」といった特異なマニュアル敬語の元凶は、リクルート社が約20年前に制作した接客ビデオだとか。となるとこうした奇妙な敬語は既に80年代から日本語に根をおろしているわけで、今後さらに拡大増殖しながら世代から世代へと継承されていくのではないでしょうか。もはや簡単には日本語から追い出すことはできないといえるでしょう。
こういう本が必要な社会に私たちが生きているかと思うと、なんとも暗澹たる気分にさせられます。
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