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家族もうかがい知れなかった姉の秘めた恋。向田ドラマの原点と、男女の間にある「何か」を感じられる一冊。
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三分の一くらいが、邦子氏とN氏の手紙やメモ帳の引用である。後の三分の二は邦子氏の妹の和子さんによって、姉によせる回想である。邦子氏の恋文はアイシテルの恋シテルの云々ではなく、常に相手を思いやった情にあふれる手紙である。それに対してN氏は男性のためか時代がそうだったのかはわからないが、冷静である。邦子氏の料理を喜び二人がいい関係だったのがよくわかる。
しかし、果たして邦子氏(N氏もだが)は手紙が世に出ることをのぞんでいたのかは、どうしても思えない。N氏は自殺し、邦子氏も不慮の事故によって亡くなっている。そのことが、恋文として公になってしまっている。どうしようもない無力さを感じる。
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向田邦子って人間はなんか出来過ぎだと思う。
そういうところをあまり人前にさらさないから魅力的なんだろうけども。
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この時代を生きてはいないけれど、タイムトリップしたような気になる。
慌ただしく活気のある時代をまっすぐに生きた邦子の心を許せるひとりの男性、N氏との手紙のやりとり。
家族に言えぬ関係の恋人との束の間の幸せ。
またN氏の淡々とした日記も時代が出ている。
どれもせつなく、涙が出た。
もう今はいない人たちのやりとりを手紙などで赤裸々に見るのはとても悲しい気持ちになる。
しかしながら(飛行機事故で亡くなった)邦子は死んで良かったのかもしれない、などと不謹慎ながら感じてしまった。
生き急いだ人生のようにも思えてならない。
ふたたびN氏に会えただろうか。
そうなっていてほしいと思った。
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読んだとき、とてもショックを受けたのを覚えています。
妹さんがこんな私的なことを明かしていいのかと。
若かったので、邦子さんのイメージが崩れたとおもったのか。
今では、この向田邦子さんだから、あの短編集の数々があると思っています。
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これは出版してよかったのでしょうか・・と余計な心配をした。大切だからこそ秘めている出来事や思い出もあるだろう。太田光のあとがきが強烈に悲しくて涙がでた。
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向田さんの永遠の謎だった「恋」について知れたのはとてもいい。けど、恋文を本にされて、天国の向田さんは何を思うだろう。
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素晴らしいけど、見ちゃいけないもの見た感。
図書館にあっても、持ち出し禁止くらいの扱いが良いなあ。
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『生まれて来たことを喜ばれ、両親に愛されて育ち、普通に生きていけることは、とてもありがたいことだと思っている。お父さんはマイナスのところから、いま私たちが当たり前と思うところに立つまで、どれくらい大変だったか。負けず嫌いの努力家で、ちょっといびつなところもあるけれど、自分の力でその位置についたのよ。それは、とってもすごいと思う。和子ちゃんも世の中に出てみると、よくわかると思う。父親をひとりの人間として見る。そうすると。客観的にも冷静にもなれるから。そんなことを、心にとめておいてもいいかもしれない』
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読んではいけなかったような…人の秘密を覗き見してしまったような…罪悪感にも似た読後の感覚。でも、向田邦子という女性を好きになったきっかけの、私にはとても大切な一冊。
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妹が描く姉の秘められた恋。自分がそうだととしたら・・・、と考えると、ちょっと悩んでしまいます。でも、姉はそれで良しとしているでしょう。
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本上まなみさんは、切なくなるのがわかっていても手に取りたくなる本だという。
脚本家・向田邦子が30代前半の頃、世間から隠れるように恋をしていた。本書は向田が相手に向けて書いた5通の手紙と、相手の日記や手紙を含む。よき相談相手でもあった人生のパートナーへ向けた手紙は活き活きとして心遣いとユーモアに溢れ彼女の性格が表れていそうだ。
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書簡体小説なんかも好きだけど、これは本当の恋文。可愛らしくて、切ないです。
向田邦子はもっと読みたいな。
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せつない、とってもせつない気持ちで
ギューと胸をしめつけられます。
向田さんの聡明さと可愛らしさが伝わってきます。
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向田邦子さんと妻子あるカメラマンとの恋文。
後半はその姉を見つめていた妹和子さんのお姉さんとしての邦子さんのこと。
文章は確かにきれい。
カメラマンN氏との心の繋がりもよくわかる。
でも、
これ、私が読んでていいのかなあ。。。っていう気分になります。。
普通の恋愛ではない、
ある意味秘め事だった恋愛の最中の手紙のやりとりを
こんな風に本にしてみんなが読んでしまうことを本人は望んだかな。。とか。
向田邦子の恋文っていうタイトルも大直球だし。。
向田邦子さんの生き方のきれいさ、筋の通ってる感じ、
家族想いなところは、見習いたいと思いました。
高潔な女のひとでした。