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「これでブッカー賞ってのはねえだろう。イアン・マキューアン読むなら『愛の続き』」というような評判はかねがね聞いていたんだけど、ちょうど読む本がなくなったとき、薄いからって買っちゃった本。普通におもんない。展開もあまり巧くないし(あざとさと淡白さと二つの悪い部分が同居している)、ゴツイ描写もない(むしろ「美しい文」系。でも基本的に僕はゴツイ描写が好きなので)。ラストもひどい肩透かし。どこのサイトでも「『アムステルダム』は読むな。『愛の続き』を読め」という感じなので、ちょうど新潮社が文庫出してくれたことだし、そっちを読んだろやないけ。
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評判ほどでは・・・。期待しすぎたのかな?種明かし(?)が、え?それだけ?って感じ。文章は悪くはないけど。
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うん、よかった。
そこらにちりばめられてるジョークと、結局クライヴとヴァーノンがお互いに約束を果たそうとしたっていう皮肉がなんともいえない気分にさせてくれるのよ。文章が読みやすいのはやっぱり作者の力量なのかな、段落が短いからかな。
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すらすらとのめり込みすぎてはっと気づけば読み終わっていた本。自分に自信の無い人間は他人を卑下して自身を正当化する。それがひどくなると、もう何をしているのかすら解らなくなる。絶対的味方が居る事。それが自信を生み出す力…なのかな?
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読書会用。すらすら読めてしまった。最後まで読まないといけない類。なぜか昔読んだ『アナスタシアシンドロ―ム』を思い出した。うちの母が好きそうな小説だけど、これは私にとって読む価値があるものなのかと問われれば、多分ないです、と答えます。初イアン・マキューアン。
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『Atonnement(贖罪)』があまりにも良かったので、本作品にも手を伸ばしたがブッカー賞に騙された。日本の直木賞にはよくあることだが、作家の渾身の作に賞をあげ損なった審査員が次の駄作に賞を与えてしまうということがイギリスにもあるのだろうか?
進行性痴呆症で夭折した魅惑の女性モリー。物語は、彼女の葬式でかつての愛人たちが顔を合わせる場面から始まる。その男たちの肩書きがとんでもない。次期首相を狙う大物外務大臣。権威ある新聞の編集長。そして、世界的に著名な交響曲の作曲家。そんな3人の運命の歯車がモリーの死をきっかけに狂い始める。
故人モリーへの愛ゆえか?社会的正義のためか?嫉妬からでた義侠心ゆえか?新聞社編集長は大物外務大臣をスキャンダルで失脚させようとする。そこに至る過程で、主人公たちの心は右に左にと大きく揺れ動く。本来であれば世間から尊敬を集めるほどの社会的エリートのはずが、嫉妬心や恨みなどから理性的な判断ができず、気づかぬうちに人として崩壊していく姿には驚かされる。
情愛のもつれからくるサスペンス仕立ての復讐劇が先を読みたいとの原動力となっているが、こんなこと絶対にあり得ないという偶然が次々に起こる。主人公たちの心の葛藤は深いのだが、その人間性はあまりにも薄っぺらでつまらない。人を見る視線があまりにも斜に構えすぎていて不信感に満ちているので、読後感は良くない。
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★…3以上4未満。なんかの賞をもらった作品のようだが、さほど読み応えを感じなかった…海外小説を苦手とする私にはこの作品の良さがよく分からなかったのかもしれない…
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ロンドン社交界の花形だった女性が亡くなった。彼女の残した写真によって、元恋人だった男たちが巻き込まれていく。
えーーっと、帯は大げさだと思いますww
この作者のほかの作品は、「現代のモラルをめった打ち」にしてるらしいですが、これはそれほどでもない。つか、恋人だった女が死んで、他のいろんなことが上手くいかなくて…非常にセンチメンタルな話と私は読んでしまった。
主人公の一人が作曲家なんだけど、音楽の表現はすばらしかったです。きっと、文章は端麗で音楽的なのに、内容がエグい、そういうギャップがいい作家なのかもしれない。
最後は、微妙に切なかったです。
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端正な文章はとても良い。お葬式から始まる話は好き。
けっこう昔の小説なんだった。
モリーの存在感がもっとあったら切なく感じたんだろうけど、音楽家と編集長がじりじり、あるいはすとんと落っこちていく経過がほどほどに情けなくて、さらっと乾いた印象。
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すごく、興味深い本だった。一気に読めてしまった。
物語の主軸として語り手となるふたりの男性。作曲家と新聞編集長。お互いの恋人であった女性の葬式から物語は始まる。
私は出だしの会話がとても気に入っている。
「モリーは病気を自覚していなかったんだ」
「自覚したときには遅かった」
「あっという間だ」
「かわいそうなモリー」
「うむ」
かわいそうなモリーという響きが、なんだかいい。淡々とた短い会話のリズムがいい。
さて、ひとりの女性とその恋人であったふたりの男性なんて言うと恋物語なのかと思われそうだが、話は全く違う。ふたりの男の人生はモリーという女性の葬式の日を境に歯車が狂い始め、転落していくというお話。これは人間の本質を斜に眺めた喜劇である。どんな人間も偽善者であり自己愛に満ち満ちているのである。自分は正しくて自分がいちばん可愛いというのは誰もが思っていることである。
人生は思いもよらぬ事で自分の意思に関わらず描かれてしまうのだ。自分が描いた未来がその通りになるとは限らない。善かれと思った判断もタイミングや少しの言葉によって誤りとなり得る。そして一度掛け違えたボタンは二度と元には戻らない。
彼らは精力的に仕事をこなし、よく考え、一生懸命に自分とも他人とも向き合っている。自分自身は何も間違ったことはしていないはず。にもかかわらず人生は彼らの思い願うようにはいかないのだ。
とてもクールな一冊である。
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これは語り口の上品なブラック・ジョーク。
同じ女を愛し、親友と呼び交わしたふたりの男の間に浮かび上がる、価値観の相違、対立。なのに最後には、はからずも息の合ったところを見せてしまう。また、それをも嘲るような周囲の描写など、なんたるアイロニー。
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途中あたりは面白い(大スクープに足をすくわれるところなど)し、文章も読みやすいけれど(これは翻訳で読んでいるので、なんともいえませんが)、他のマキューアン作品と比べると、もの足りない感じで終わってしまいます。期待が大きかっただけに、ちょっと残念!
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うーん、なんだか嫌な本だ。マキューアンは個人的にあんまり好みじゃないのかもしれない。出だしからあんまりそそられず、中盤からまあまあ面白くなってきたけど、おそらくコレってそういうことなんじゃないかな、と想像できて、そもそもタイトルがアムステルダムだし、登場人物に作曲家がいるし、コンセルトヘボウの栄誉があるし、と、ある種の人々には大変リアリティがあり面白く読める本なのかもしれない。分かりやすく言えば、イギリスらしい内容の本であるとも言える。うまいぐあいにまとまった結末なんだけれども、部分的によく分かりにくいところがあり、なんとなく読むのにつっかえる感じがする。この違和感はなんだろな。
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地位も名誉も富もある、普通にクズのオヤジが破滅の道を辿る。こんな友達が欲しいです。嫌味でなく。この年になると、みっともないまま生きていたくない、という思いが浮かぶので。
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ラストがちょっとうまくいきすぎな気もするけれど、おおむね面白かったです。ハラハラして。ただ、誰も幸せにならない。強いていうなら、モリーの夫が黒い喜びをかみ締めたというところかしら。