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百鬼夜行抄 13 (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス) みんなのレビュー
コミック 第10回文化庁メディア芸術祭 受賞作品
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紙の本
ほらとホラーとその間
2005/07/25 16:08
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:中村静英 - この投稿者のレビュー一覧を見る
妖魔と共存する飯島家の物語の13巻目。
普通に妖魔と戯れている彼らを見ていると、そんなものに縁のない日常の方が異質に思えてくる。
ご近所さんと過ごすように異界のものと付き合っている彼等は、かなり特異なはずだ。が、この本を読んだ直後限定で、長い髪をいつもきれいに結っている隣の奥さんの頭に口があっても驚かないぞ、と思ってしまう。
今回も、非日常を日常と錯覚してしまう4編が収録されている。
その中で、一番好きなのが、「月影の庭」だ。
死者の思いが強くてこの世に残ったのか、生きてる者の思いが死者を引き止めたのか。
多分、その両方が共鳴したのだろう。
死んだ愛しい人に、会うことができる。
けれど、死者と暮らす家など作ってはいけなかったのだ。
死者の帰ってくる家では、誰も幸せになれない。死者と生者の幸せは別々の場所にあり、この世とあの世の交わる日は来ないのだから。
それを知っているから、残された者は、死者の供養をするのだろう。失った哀しみがいつか昇華され、穏やかな思い出になる事を願いながら。
形見と寄り添い生きていくことが悪とは思わない。人には、それが必要な時がある。
そして、異界の男は、念の入りすぎた遺品を燃やす。「死者はこの世に思いを残してはいけない」という言葉と共に。
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