紙の本
40過ぎの歌人・穂村君のどぎまぎな日々
2006/03/01 10:54
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
1962年生まれの歌人である穂村君の日記だ。
私と同学年なので、穂村君と呼びたい。
数年前に短歌に目覚めた時期があって、
ひとしきり短歌に浸っていた。
その時に歌人・穂村弘を知った。
短歌界の新星としてまばゆいばかりの存在だった。
いろんな短歌があるのだなぁ…と驚いた。
そして短歌以外にも彼がエッセイを出しているのを知り、
早速読んでエッセイストの彼に、どうしようもなく親近感を覚えた。
同世代だから分るダジャレとか、音楽とか、流行とか
共感するところが多かった。
そして、そこまで話さなくていいから…と言うくらい、
穂村君は自分のことをあけっぴろげに教えてくれて、
「いいよ、いいよ。私は穂村君の気持ち、わかるからね。」と、思わずにはいられなかった。
穂村君はあだ名がないことを気にしている。
好きな女性のタイプを訊かれて、「山で熊に襲われたときに僕を守って戦ってくれる人」と答えて絶句される。
初対面の人に「オーラがないですね」と言われる。
かつて漫画家のみつはしちかこさんにファンレターを書いたことがある。
「DVD、わかります。なんとなく。あれは、確か、丸いでしょ?」と言う。
今回のエッセイも相変わらずの穂村節は健在で、
読み進みながら、爆笑しながら、ドギマギしながら、
「穂村君、大丈夫だからね」
「穂村君、良かったねぇ」
「穂村君、大変だったねぇ」と話す自分がいる。
この親近感はなんだろう。
穂村君は結婚して、妻と暮らす日々の中で
またいろんな発見をしている様子だった。
そして、人間ドックで目に異常が発見され、精密検査の結果、
このままだと失明の可能性があると言われて、ショックを受けたとも書いてあった。
今はまだ人生のリハーサルだと思い続けて数十年だった穂村君が
40過ぎて、鼻毛が真っ白だった事実に唐突に気付き、
その日から自分の本番が始まったと、あとがきにあった。
穂村君、『本当はちがうんだ日記』の続編は
『本当はこうなんだ日記』ですか?
楽しみにしていますよ。
いつも遠くから応援していますよ。
続きを読んで、またどぎまぎしたいです。
紙の本
普通の人の不当な要求
2017/12/29 13:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ペンギン - この投稿者のレビュー一覧を見る
この人の要求は、普通だけどズルいなと思う。カッコいい人についていくだけで素敵になりたいとか、楽して儲けるみたいな不当な要求に見える。本当にカッコよくなりたいなら、自分がカッコいいと思うものに対してもっと謙虚になったほうがいい。自分が考えるカッコよさを大事にして、もっと研究した方がいい。エスプレッソが好きなら、果実の薫りとキャラメルの味わいを提供してくれるような、いい豆を使う専門店を探してみたらいいと思う。
チェーンのカフェとか、店主がエスプレッソに大した思い入れを持たない店で本当においしいエスプレッソに出会うのは無理がある。専門店なら価格も高めだし、穂村さんが苦手ないっかげんの店の可能性も高いけど、イタイ思いをしながらいっかげんに学ぶ姿勢が必要だ。
いっかげんに学ばず、本当のおいしさを味わいたいと思うのはズルい。そんなズルさを包み隠さず、さっぱりとした文章でエッセイに書けるのは、すごい。自分にも身に覚えのある世間に対する理不尽な要求を見せつけられた思いがする。
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20050820
全く自意識過剰で、よくあることなんだろうが、「私と同じこと考えてる!」て共感すること多し。
返却前に共感ポイントをメモしておこう。何のために?はて。
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ものすごく共感できてしまう自分も悲しいなあ・・・。でも、ほんと読んでるとむなしくかなしくなってしまうなあ。
私も同じだな、同じになるんだろうな、なんて思ってしまうから。なんてネガティブ思考な。
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40年間生きてきて、今の自分はまだリハーサルなんだと言っている彼にエールを送りたい。
わかる・・・わかるよおいらもその気持ちっ!
でもいいかげんリハーサルはやめようYO!
10年間通ったジムで一人も友達ができず、バーベルを上げたり下ろしたりするばかりで「修行僧」とあだ名がついた彼。
・・・・人ごとじゃないかも・・・
わし!わしも友達いないYO!ジムで延々泳いでるYO!
そのうちわしも「修行僧」と呼ばれるんだろうか。
この本、抱腹絶倒だとか評判がいいようですが、素直に笑えない自分にOTL。
.
スネに同じ傷を持つモノとして読んでいて少し寒かったです(凹)。
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穂村弘のエッセイ。結婚以降になるのか?なんか、ちょっと面白くなくなってきたかも。だんだん自意識が強くなってきた。自意識の揺れが面白かったのに。世界音痴&現実入門に比べると、ちょっと落ちる。
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老夫婦のキスの項。泣ける。ファンが多いんだろう。辛らつな意見多し。私は初めてなので、ちょっと面白いかな、と。
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穂村氏の最近のエッセイ。いきなり嫁さんができてるあたり「あれ?」となるけれど、でも説明しなくても許されるような雰囲気がこの人にはある。脈絡があるようでなかったり、サラリといいこと言っていたり。なんというか、かっこいいおじさんではなくダメなおじさんということでありのままの自分を書いてる穂村さんがすごくステキ。はっとさせられます。
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2011.05.
2006.05. もう、穂村さん好き!本職(短歌)の方は全然読んでないんだけど、エッセイがすごくいい。読んでて、あ〜これは誰が読んでもきっとおもしろいって思うやろう、とまで思ってしまう。★5つ
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1年ぐらい前にエッセイを2冊読んで、メチャ面白かった!
私にとっては3冊目のこの本も面白いです〜。
今の自分は本当の自分じゃない、まだリハーサルなんだと感じていた作者がある日、気づいたのは…
文章は前に読んだ物よりも端正な気がする…字体や装丁のせいもあるかな。
内容はいかに風変わりで世間知らずでモテないか、みたいな話なのはいつものことですが〜時々ぷっと吹き出してしまうことがあって、幾つかは当分忘れないでしょう。
30まで電車の中で平気で「オリーブ」を読んでいたとか。
嘆いていると「うじうじしてて可愛い、って人もいるわよ」と慰められたりとか。
そんな息子にお母さんの寄せるとんでもない夢とか…
小学生の時にあだ名が付いたことがなく、中学では長い夏休みにすることがなくて、連日本屋で6時間立ち読みするなど、ちょっと子供時代の孤独はすごいものがあります。
でも今は「ミック・ジャガーと僕のどこが違うんだろう」と口走ったら笑ってくれた友達もいるしね、大丈夫だよね…と見守る気分に入ってしまうわ。
ところが、いきなり「妻」が!
熊が出てきたら僕を守ってくれるような理想の女性を見つけたのかしら?
全体としてある意味、一つの詩のようにも読めて、さすが才能ある人なんだわ〜と感動。
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そのときどきに現れては消える沢山の常識やルールのなかで、一体、何を信じればいいのだろう。
(P.98)
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この人の書く本は常に私の「立ち読みしてはいけない」リストの上位に食い込んでなおかついつまでもランクが下がってゆかない。ふしぎだ。
これもやはり例外ではなかったが、うーん、やっぱり立ち読みはよした方が懸命。もちろん、褒め言葉です。
ただ面白いだけでなく、視覚情報としての文字というものにもこだわっているのだな、というのが目に見えてとても興味深い。
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最高にヘンで笑える恋愛&人生考察エッセイ。
人生はまだリハーサル。いつか素敵な自分になって誰かに丸ごと愛さ
れるはず。そう思ううちに老眼の四十男に。「本番」は始まっていた
のか!? 恋愛と人生にぐるぐる悩む臆病歌人の独白的エッセイ。
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しまった。読んだことあった。最近に近づけば近づくほど自意識が過剰になってきているので空想もののほうに特化したほうがよい。2007.1.4
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結果的ハチミツパン…これだけでも友人たちに読んでほしい。
友人たちのホムタン(こう呼んでます)レベルを知りたい。
ホムタンの運転する車に乗ってみたい…