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紙の本
こんな塾ありえるの!
2005/08/18 16:36
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mirutake - この投稿者のレビュー一覧を見る
こんな塾があり得るのだ。
それは今の学校が子ども達を、お前はこのくらいの力しかないとか、しっかり勉強やってるのかと、脅かし萎縮させてばかりなので、子ども達の能力の最低ラインの偏差値でしか振り分けられない学校状況だから、このことの反証だと思ったのです。
この塾での東さんは、学習はやりたいときにやればいいという在り方で、まずは安心していられる場所を提供しているという感じです。ですから子ども同士が安心して話せる場を作ること、個々の子どもの思春期の問い掛けによく答えてきているんだろうと思いました。そうして得られた子ども達の内面の安定だから、君ならこういう風に大丈夫だよと、個別に安心を提供しえており、面接試験での安定と、少しの試験問題の暗記は安いことなのかもしれないと思われた。こう言う心理的な安定こそ大事なのであり、結果に結びついているのだと読めました。
だからこの安定が、学校の押しつけから逃れて、自分を見つけて歩き出している子ども達がいるんだと、その離れ具合をいろんな子ども達の在り方で示してもらえる。そんなことがあり得るんだと、うれしくさせてもらえるのでした。
卒塾生とのインタビューがいくつもあります。
信じられないくらいですが、子ども達との友達付き合いである関係が、あからさまに子ども達から語られています。こんなにストレートに塾の居心地のよさ、それを造っている東さんの在り方を全面肯定で示されている。読者として呆れながらもいい場所になっているんだなーと、羨ましいことしきりです。そしてそんな生き方が、こんな場が本当に可能なのだと、そのあからさまから信じることもできました。
最後に現在の子ども達が置かれている情報化社会の密度と、学校の教えているものとの余りの乖離に、子ども達が学校での学習意欲を失っているのは当然だと指摘されている。そして学力テストの脅かしで延命しようとし、ますます子ども達の不適応をおこさしている。社会(学校)の在り方がおこした引きこもりは、社会(学校)が受け入れる体制に変わらねばならぬはずなのに。そしてその答は、この塾の遊びと勉強が一緒(時代への興味)という在り方が解答なんですよね。学校がここに行くにはあまりにも遠いことになっているのでしょうが。
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