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「失敗の本質」の姉妹編。
予定調和に慣れすぎた感があるけど
そこに一石を投じた内容。
とても腑に落ちるテクストで
わかりやすいのも好き。
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失敗の本質を書いたチームが再び集まって書いた本。今度は戦略論について書いてます。まだ読んでませんが近々に読む予定
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◆戦略とは、「何かを分析することではない。本質を洞察し、それを実践すること。認識と実践を組織的に綜合すること」である。
◆戦略を左右し、逆転を生み出す鍵はリーダーの信念や資質にある。日本のリーダーには、徹底的にリアリズムが欠落していると同時に、理想主義も貧困である。優れた戦略的リーダーは、これらを同時に達成している。リーダーには、理想主義的リアリズムが求められる。
◆戦略論は、人間世界を研究対象とする社会科学の一分野である。自然科学との重要な差は、対象としての人間が意図や価値を持ち、その実現にむかって思索し、予測し、行動し、修正し、環境の影響を受けつつ、環境を変えていく、能動的・反省的な存在である、というところにある。人間の世界を対象にしているということだ。
◆人間は、主体的にコンテクストや状況を察知し、その意味を言語化し、ダイナミックなコンテクストの中で持てる知識や技能を行使していく。人間の世界は、客観的事実ではなく、その都度コンテクストに依存する「解釈」によって成り立っている。一方、自然科学は、事象を特定のコンテクストから独立させて捉え、普遍妥当の原理原則を追及する。人間と人間世界の洞察なしに戦略の本質をさぐることはできない所以だ。
◆賢慮型のリーダーは、環境や現場を直感する。生きたコンテクストを分析的に対象化するというより、その中に身をおき、細部の語りかけを察知する(認知科学でいうアフォーダンス)。同時に、自らの哲学、歴史観、審美眼を綜合したビジョンにもとづいて、直感を大きな潮流(全局)と関係づけ、現実の本質を洞察する。
◆綜合されるべきものは、科学的知識としての理論的なknow why、実践的なスキルとしてのknow how、そして実現すべき価値(達成すべき目的)としてのknow whatである。これが戦略、リーダシップの本質を考える根底にある。
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==失敗の本質から10数年。彼らが帰ってきましたよ!!==
前作、『失敗の本質』で日本軍についての組織論を展開した戸部さんたちが10数年振りに発表した新作がコレです!!
今回は、『負けるはずの組織が何故勝ったのか?』や『勝ち間違いなしといわれた組織が何故負けたのか?』をバトル・オブ・ブリテンや毛沢東の戦略、スターリン・グラード、ベトナム戦争などの主に第二次大戦あたりの世界の歴史から分析している本です。
*前作同様、学生さんは読むのに結構苦労します・・・。各言うボクも読破に時間がかかりました↓
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逆転を成し遂げた戦略が題材。題材は毛沢東の反包囲討伐戦,バトル・オブ・ブリテン,スターリングラード,朝鮮戦争,第四次中東戦争,ベトナム戦争。
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「失敗の本質」に続く戦略論。最初の毛沢東を取り上げた章は、毛沢東を礼賛した中国共産党の資料に従っているようで、新たな情報や資料を加味すればまた違う分析になるのではないかという気がする。
(T)
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タイトル通り戦史から
リーダーシップの方法論
を確立しようと試みた一冊。
読み物としてはかなりおもしろい。
最終章の10の命題は戦略を考察&実践する基本
として押さえて置きたいところ。
ただ戦史に関する記述が少し長い気がする。
歴史好きにはオススメです。
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中国の共産党と国民党の戦いからベトナム戦争までの、近年の戦争をケーススタディにして、戦略の本質を探っていきます。
焦点が当てられているのは、サブタイトルにもあるリーダーシップということ。
成功と失敗は最終的にリーダーに帰せられることが分かります。
読みやすいのでおすすめです。
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過去に逆転が起こった戦史を元に、戦略の本質を捉えようとする。
とはいえ、攻撃側の詰めの甘さをはじめとする外的要因がトリガーとなる
ものが多く、戦略といえるのかどうか良くわからない。
クラウゼヴィッツの戦争論の引用で、相互作用に関する記述については、
先方はこちらが思う通りには動かず、こちらの動きに合わせて変化する
ものと認識することが大事だと理解しました。
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中国の共産党と国民党の戦いからベトナム戦争までの、近年の戦争をケーススタディにして、戦略の本質を探っていきます。
焦点が当てられているのは、サブタイトルにもあるリーダーシップということ。
成功と失敗は最終的にリーダーに帰せられることが分かります。
読みやすいのでおすすめです。
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戦史とか戦略というものにふだんから興味もってる自分にとっては、
とてもおもしろい1冊だった。
歴史的逆転があった戦争を分析することによって、どうして逆転することが可能であったのかということに注目するもの。
印象に残ったところを挙げて行く。
第1に、
毛沢東の戦いのなかででてくる
『第1戦を戦うために、第2戦、第3戦の戦い方と全局にいかなる影響を及ぼすかを考えておかねばならない』と言う言葉。
これは単に戦争だけじゃなくて、何にでもあてはまる言葉。
第2に、チャーチルのバトル・オブ・ブリテンに臨むときの国民に対する態度。
ドイツに対するイギリスの現状の不利を率直に語った上で、勝利のためのヴィジョンを語るなんていうのは、日本の指導者にはぜっっったいにできない芸当。
第3に、勝ちすぎはよくないということ。
勝ち過ぎてしまうと、戦争の目的が肥大化してしまい、最適化されていない手段をもって戦争を継続してしまう。
また、ある戦略レベルでの過度の成功が、他のレベルあるいは全体のレベルでの失敗を招くことがあるというのもおもしろい指摘。その具体例として挙げているのが、日清戦争で勝利した日本に対する列強の干渉(三国干渉)。
全体としてポイントになるのは以下の3つかなと思った。
何のための戦いのか、まずはその目的を明確にする(毛沢東、チャーチル、サダト、東ベトナム政府)。
そしてその目的を一緒に戦うメンバーと共有する。
最後にその目的を達成するために、その手段を最適化する(毛沢東、チャーチル、スターリングラード、サダト、東ベトナム)。
とくにチャーチルによるバトル・オブ・ブリテン、サダトによる第4次中東戦争なんていうのは、まさに以上の3つすべてにしっかりあてはまるものだった。
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「戦略の本質」、「失敗の本質」ともに戦史の教訓を現代経営に活用しようという試みのもと、経営学者や戦史研究者が共同でまとめた本。
二つの書物に共通するメッセージは、競争相手を打ち負かそうとする場面において、あらゆる情報収集手段を用いて情報を収集し、その情報を徹底して客観的に分析して敵味方の長所短所をあぶり出し、その上で目的に比例した現実的手段を採用することが重要であるということ、と理解される。
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過去の具体的な戦争の中で、リーダーがどのように意思決定し、組織を動かせてきたのかを知ることができる。不利と思われてきた状況を覆すのはリーダーの信念と資質。これからの社会でも不変の価値。最後に10の命題にまとまっている編集も良い。20年かけた労力がうかがい知れる。
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戦略という言葉が初めて使われた戦争という事象を題材に
戦略とはそもそも何かを、示しているものです。
カール・フォン・クラウゼヴィッツは『戦争論』で、
戦略とは、個々の戦闘で問題となる戦術と対比し
「戦略とは戦争目的を達成するために戦闘を組み合わせる活動だ」と述べ、戦略を戦争での使用目的に限定していますが、
その意味を知る上でも、よい本ではないかと思います。
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第2章 毛沢東の反「包囲討伐」戦―矛盾のマネジメント
第3章 バトル・オブ・ブリテン―守りの戦いを勝ち抜いたリーダーシップ
第6章 第四次中東戦争―サダトの限定戦争戦略
が特に面白かった。劣勢を跳ね返した戦いは、彼我の戦力差をきちんと分析している。戦の相手、目標が明確である。劣勢の戦力できちんと勝てる方法を考えている。
特にサダトは英雄だったナセルの副大統領だった。イスラエルとの全面対決を主張して英雄となったナセルはイスラエルに勝てなかった。ナセルが急死して誰も期待していなかったサダトがイスラエルを打ち負かすことになる。スエズ運河を渡った地点に限定優勢圏を作り、アメリカとの取引とする。戦略は明確にしても、方法は現場に任せる。その為の権限のある部署を完全に掌握する。
現実から、しなければならない事とできる事を考えて実行する事が戦略なのだろうと思う。後から考えれば、こうすれば成功するんだな、、と最善のように見える道。それを敷ける事は簡単では無いはずなのだ。だが、逆に優勢で勝てると思っていて負けた軍は、目標が明確に定まっていない。ただ、圧勝するなどという不明瞭なゴールを掲げていて、足を掬われている。