紙の本
“プロ”である福祉事務所職員と、アマチュアが渡り合うためのノウハウ
2005/09/23 00:41
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ベニスの商人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
素朴な疑問である。あるいは屁理屈と言われるかもしれない。それは生活保護を受けようと思っている「生活困窮者」は、そもそもこの本を買うだけのお金にも困っているのではないかということだ。そのことを無視すれば、なかなか役に立つ(であろう)本である。
生活保護を申請する窓口は福祉事務所だ。だが福祉事務所は申請しようとする「生活困窮者」を歓迎しない。福祉予算に限りがあるからだ。だから、矢面に立つ福祉事務所職員も、申請を受け付けないように“努力”する。毎度、断り慣れた福祉事務所側、対して、おそらく初めて訪れたであろう生活困窮者、“勝負”は自ずと見えている。そんなときに、本書を知っていれば、福祉事務所の断りの言い分を、論破できるかもしれない。
各章ごとのタイトルがすごい。<2章 まず敵を知ることから始めよう><3章 相談員のあらゆる攻撃に対応する><4章 生活保護以外の場所に誘導しようとする相談員もいる><5章 福祉事務所はあなたの主戦場だ!>、「敵」、「主戦場」、「攻撃」、どうです、生活保護を受けることが、生易しいことではない雰囲気一杯でしょう。相談員の中には、言葉巧みに受給できないと錯覚させる人もいるらしい。だが、本書の2章、3章を読んで“予習”してあれば、大丈夫。本当の生活困窮者なら、ほとんど受給できるはずなのだ。
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生活保護が12都道府県で最低賃金水準を上回っている社会でこの本に書かれている方法を基準を満たす人がやったら日本はすぐに破綻します。
手作り申請用紙は燃やして欲しいです。
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[ 内容 ]
生活保護の取り方教えます!
何をどうすれば、生活保護を勝ち取ることができるのか。
[ 目次 ]
序章 あなたは本当に生活に困っているか
1章 生活保護は生活を立て直すための最後の手段
2章 まず、敵を知ることから始めよう
3章 相談員のあらゆる攻撃に対応する
4章 生活保護以外の場所に誘導しようとする相談員もいる
5章 福祉事務所はあなたの主戦場だ!
6章 申請後はどうなるのか
7章 生活保護の開始はゴールではない
終章 付き添う人たちへ―後ろに立つこと
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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生活保護申請についての具体的な知識を得られる。これを知っているかどうかで、生死を分ける場合もあるだろう。特に「住所不定だと生活保護が受けられないという誤解」や、「とにかく申請書を提出する重要性」は、自分のためにも、自分の周りの人のためにも知っておくべき。
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「自分ごと」じゃなく調べ物で読んだ1冊。
いやー、ごっついけんか腰です、作者。殿方向き。
もう一冊読んだ「プチ生活保護のススメ」(クラブハウス・太田のりこ・河西保夫著」は女性向き。
最近ではクーラーもパソコン(古いのなら)も携帯電話(NTTに加入していないなら)もOK。デジタルTVはどうなるんだろう。
車、原付がダメというのは、都市部はいいけど、きついなぁ。
西原理恵子さんの「パーマネント野ばら」の登場人物みっちゃん(これはホントに好きなキャラで・笑)のお父ちゃんが「パチンコ店とフィリピンパブ経営」して、さらに「人より努力したからもらう権利がある!」と生活保護もらっている、というシチュエーションが妙にリアルだったな、と、ふと思った。
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『どんとこい貧困』がとても面白かったので、そのなかで紹介されていたこの本も読んでみた。で、こっちもとても面白い!福士事務所を『戦場』、ケースワーカーを『敵』と呼び、生保を勝ち取るための秘策の数々が伝授されていく様は、あたかもRPGゲームのよう。ここまでやらないと生保は勝ち取れないのだ。
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おもしろい。
タイトル通り、生活保護の申請の仕方が丁寧書かれている。だけでなく生活保護というシステムやその対応をする役所からみえる日本の貧困についてデータを交えながら面白く解説している。
この著者は他にも貧困についての本を書かれているらしいのでもっと読んでみたいと思う。
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なんとしても生活保護を支給したくない福祉事務所に対して、なんとしても生活保護を勝ち取るためのマニュアル。しかし、ここまで準備しないと生活保護が得られないなんて、日本という国はどうかしている。救いは、法律上は困っている人はすべて生活保護が受けられるということが理解できたこと。法律に定まっている通りに運用されれば、ネカフェ難民なんて言葉が発生することもなかったと思う。国の基準からすると、単身でも月収12万以上なければ、生活困窮者と判定され、生活保護の対象となるという。派遣で働いているが、月収10万ちょいの人でも、差額2万円分は生活保護で補給してもらえる(実際は基礎控除などがありもう少し多くもらえる)。該当する人は是非この本読んで生活保護を受け、ネカフェ状態から脱して欲しいと思う。