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近代日本の仏教者たち 廃仏毀釈から仏教はどう立ち直ったのか みんなのレビュー
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紙の本
明治~昭和の仏教者の足跡を学ぶ
2009/02/28 22:51
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:イム十一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
明治政府の行った廃仏毀釈・国家神道政策から、日本仏教がどのようにしてその波を潜り抜け立て直し今に至っているのかを、明治~昭和前半の僧侶・仏教学者・宗教活動家の功績・足跡を通して学べる一冊です。
江戸時代にあった仏教批判思想に始まり、明治時代の僧侶(清沢満之・井上円了など)の様々な宗教活動やその思想、サンスクリット(梵語)・チベット語・パーリ語等を用いる仏教圏での、言語習得から日本に持ち込み研究・翻訳していくまでの多くの方々の苦難と功績、その他『仏教大辞典』の編纂の歴史や昭和前半の様々な仏教者の活動などが歴史の流れに沿って解りやすくまとめられています。
そして、それらの方々全員に共通して言えることとして、「結び」の中でも著者の意見として述べられていましたが、仏教に対して実践的であり決して知的理解のみに止まっていなかった、ということには私自身も考えさせられるところがありました。
近代日本の仏教の歴史やその時代に生きた仏教者やその思想について知りたい・学びたいと思われる方にはお勧めの一冊ではないかと思います。
紙の本
知られざる仏教の近代化と思想化
2008/06/23 21:28
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けんいち - この投稿者のレビュー一覧を見る
私の不勉強が大きいのだが、本書を読んで、知らなかった多くのことを知り、また、「古い」印象のぬぐえない仏教が、いかにして明治以降の近代化を歩んできたのか、さらには名だたる思想家達の仏教との関わりなどなど、身近にありながらよくは知らない仏教のことが、たいへんコンパクトにまとめられていて実に有益な書物である。
廃仏毀釈ということは、知っていた。そこから、何人もの「スター」が仏教を鍛え直し、再建していったのか、その足跡と残した文書から浮かび上がってくる。これは、キリスト教の根付かなかった我が国においては、近代宗教史ともいえる側面を持つ。
こうした本書の役割を評価した上で、しかし何より興味深かったのは、第6章「思想家の仏教観」である。西田幾多郎、田辺元、和辻哲郎、柳宗悦、そして三木清がとりあげられる。前3者は、京都学派として、その仏教との親近性がつとに知られてはいるが、柳、さらには三木と仏教の関係には、蒙を啓かれる思いだった。
中でも三木は、ヨーロッパにふれ、マルクス主義思想を体現し、獄中で死を遂げるような苛烈な人生を生きたのだが、その晩年に『親鸞』という仏教に関する文章を書いていたというのだ。これは、三木をしてもなお、西洋よりは東洋的な仏教が、こと死を前にして彼の思想を覆っていたということ。これは、あたかも「近代日本」の矛盾を体現した事例のように思われて、『親鸞』本文にあたってみようと思わせてくれた。
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