紙の本
人間らしい生活の実現には、人々の働き方、働かせ方に関して一定の基準が必要。
2006/05/11 17:27
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:TEMU - この投稿者のレビュー一覧を見る
われわれは、豊かな生活を実現させようと必死で働く。
しかし、結果的にわれわれの個人的な生活は、
ますます貧しくなっていくばかりだ。
その原因は、
1.情報通信技術の発達
2.サービスの高度化、利便性の追及による労働条件の悪化
などが挙げられる。
1点目に挙げたコンピュータやインターネットの発達は当初、
労働を軽減し、労働時間を短縮するとして期待されていた。
しかし、ビジネスの加速化、商品・サービスの多様化、
経済活動のボーダレス化・24時間化の促進により、
仕事量が増える結果となった。
また2点目は、今や当たり前となったコンビニの24時間営業や
宅配便の翌日配達に見られる過剰なまでのサービスの高度化が
長時間労働を引き起こす一因となり、労働者の負担が増す一方である。
`働きすぎ´の代名詞であり、被害者数と被害金額からみれば
`最大の企業犯罪´である「サービス残業」。
これに歯止めを利かすためにも、8時間労働制を空洞化させている
36協定(労働基準法36条)を廃止して、
1日の残業時間に`上限´を設ける法的な見直しももちろん必要だが、
労働者も自分の`上限´を超えるあまりに過重な労働の場合は、
労働組合、会社に積極的に是正を促し、自己防衛としての転職も
視野に入れて、働く時代なのかもしれない。
紙の本
分析はするどいが対策は?
2008/02/29 23:35
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本人は 50 年以上まえから「ワーカホリック」などといわれてきたが,いまや働きすぎは世界にひろがり,フランスでさえも労働時間をふやそうとしている.日本では過労死さえ頻発している.そういう時代のながれをこの本では数値的にとらえている.しかし,それではどうしたらよいのか? この本では終章が対策の検討にあてられているが,そこでのべられている大半のことは,ずっと以前からいわれつづけてきたことである.たしかに基本は重要だが,もっと現在の状況にあわせた対策をかんがえなければ,問題の解決はおぼつかないだろう.
投稿元:
レビューを見る
過労死や労災の精神疾患急増と非正規労働の問題の原因は一緒なんだと、分りやすく書かれています。
労働組合を大きくしていく必要を痛切に感じました。
投稿元:
レビューを見る
好きなことには時間があるだけ集中的に打ち込めるものだが、仕事は必ずしもそういうときばかりではない。自分も「働きすぎ」と感じるときが多くなってきている。本書では「働きすぎ」のおこる理由を、グローバリゼーション情報資本主義、消費資本主義の罠(ワークアンドスペンドサイクル)、フリーター資本主義(労働時間の2極分化)などより分析していた。自分のなかの「労働」に対する位置付けについて考えるための有用な情報源になったと思う。
投稿元:
レビューを見る
世界的に蔓延する「働きすぎ」について検証した本。
情報通信技術の発達や、消費者が利便性を求めることが過労を生み出していることを指摘。そして日本の法制度の不備を批判しています。
24時間営業や宅配便の時間指定など、私たちは便利さを求めるあまり自分たちの首を絞めている気がしてきました・・・。法律で残業を厳しく規制したら、企業サービスが低下して不満が出るのか、でも不便でも仕事に追われない生き方のほうがいいと考えるのか、、、などとふと思いました。
投稿元:
レビューを見る
『労働ダンピング―雇用の多様化の果てに』はフェミニズム臭がきつかったのだけど、これは中立的な立場から書かれていて良かった。グローバリゼーション情報資本主義、消費資本主義の罠、フリーター資本主義の考え方には納得。
投稿元:
レビューを見る
「働きすぎ」を導く要因を、企業を取り巻く環境、働き方に関する環境、商品市場をめぐる環境、労働市場をめぐる環境という四つの側面から分析し、さらに「働きすぎにブレーキをかける」ための提言を行っています。「提言があればよい」というものでないことはもちろんなのですが、本書の場合は前段の分析が十分に行われているため、提言もうなずくところが多いものとなっていると思います。日本では、賃金・労働環境の面でもジェンダー差別が非常に強く、そのことが30〜40代男性の労働強化につながっているという点については、私も最近考えていたところでした。(20060128)
投稿元:
レビューを見る
2007年6月9日読了
知ってました?過労死って国際語らしいです。{karoshi}。いまや、深刻な働きすぎの問題。この本よんだら、けっこう現状分かります。労働基準法などの法律全く分からなかった私も、ちゃんと読めました。
投稿元:
レビューを見る
現代の労働環境の実情と、自分の職場の恵まれた環境を知らされた1冊。サービス残業なんて当たり前の世の中。
しかし、誰も働きたくて働いてるんじゃない。
残業をしてでも働かないと生きていけないから、こういった事態が当たり前にまかり通ってしまうわけです。
後半の改善策の提案は、気持ちはわかるけど、現場の人間からするとやはり綺麗ごとにしか聞こえない。
投稿元:
レビューを見る
この本は現代社会で問題になっている過度な長時間労働について取り上げています。
過度な長時間労働は日本だけの問題だけでなく、世界中に広がりつつあります。このような問題は労働者だけでは解決が難しいと思うので、行政も積極的にこの問題に取り組むべきだと思いました。この問題を放置すれば、日本は精神的に駄目になってしまう人が増えて、悪い方向にずるずると落ちて行くと思います
投稿元:
レビューを見る
この本は、現在の日本は、働きすぎであるということを述べている本です。今現在日本人は働きすぎいたるところから悲鳴が上がっていて、労働時間が一日十時間を超えるほどに長ければ、疲労とストレスがたまり、最悪の場合は死にいたることもあるそうです。そこで、この本では、グローバリゼーション、情報技術、消費社会、規制緩和などに着目して今日の過重労働の原因について迫っています。まっとうな働き方ができる社会をつくっていくために、今何が必要なのかということが書いてある本です。この本を読み思ったことは難しいなあということを思いました。確かに日本人は働きすぎで過労死が増えていることは事実だと思うんですけど、そのくらい働かないと生活できない人たちもかなり多いと思います。とても難しい問題だとは思いますがこの現状を変えていかなければいけないのは事実です。すごく考えさせられる本です。皆さんもぜひ、読んでみてください。
投稿元:
レビューを見る
残業問題をクリアにするにはどうしたらよいか、という課題を持って読んだが、そういう意味ではあまりいい案は見つからなかった。マクロな視点で労働時間について論じているが、では個別の企業なり組合がどうするかという部分では非常に弱い。
投稿元:
レビューを見る
[ 内容 ]
いたるところから働きすぎの悲鳴が上がっている。
労働時間が1日10時間を超えるほどに長ければ、疲労とストレスがたまり、最悪の場合は死に至ることになる。
本書では、グローバリゼーション、情報技術、消費社会、規制緩和などに着目して今日の過重労働の原因に迫る。
まっとうな働き方ができる社会を作っていくために、いま何が必要なのか。
[ 目次 ]
序章 働きすぎの悲鳴が聞こえる
第1章 世界に広がる働きすぎ-グローバル資本主義の逆流-
第2章 家庭も出先も職場になった-情報資本主義の衝撃-
第3章 消費が変える雇用と労働-消費資本主義の罠-
第4章 労働の規制緩和と二極分化-フリーター資本主義の大波-
第5章 労働基準とライフスタイル
終章 働きすぎにブレーキをかける
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
投稿元:
レビューを見る
働きすぎの時代はあった。超過勤務を支払わなくても、法律違反をしているとの認識がない管理職。
グローバル化
海外での労働管理に直面すると、日本での管理方法の課題がわかるかもしれない。
情報革命
情報の集中は防げたが、新たな格差は作った。
消費社会
使うことがいいことだとうのは、背景として働くことがいいことだがあったのかもしれない。
規制緩和
規制緩和は、働きすぎを防ぐ意味もあるかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
再読本。
出版は2005年。
その当時で過労による労災と認定されたケースが過去最多の317人。内死亡者が160人。この数字、間違いなく低くなることはないだろう。
問題提起されているように、貧富の差が大きくなるとカネを稼ぐことへの強迫観念が強くなり、長時間労働に拍車をかけている。より多く稼ぐにはより多く働かなければならない。
シンプルなライフスタイルは理想だが、現実はこういうものだろう。
そこで死ぬレベルまで働いてしまうかどうかは、これも個人個人が決断していかなければならない。
今出版されても、書かれている内容・状況は変わっていないので非常によく出来てる本だ。