紙の本
本という記憶のかけらに魅せられてみる
2009/10/29 23:04
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:空蝉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ちょっと詳しい人なら「残留思念」なんてコトバを聞いたことがあるだろう。その名の通り、人の強い思いがその場その物に残り留まることだ。そして多くSFやオカルト・ホラーやファンタジーの世界では、その思念の主がその場に居らずともメッセージを伝達できるための手段であったり、怨みつらみを強く抱きつつその場で死んだ主のダイイングメッセージであったりとその場その時にあわせて作中で使い分けられていく。
またいっぽう「記憶のカケラ」なんてロマンチック?な言い方もする。そもそも記憶なんていうのは形にすることは出来ないし、ましてやカケラ・・・のもととなる固形物すら存在しないのだが、それでも人は何とか形にして相手に伝えよう、残そうと努力し記録装置・記録媒体を作り出してきた。
ただし。これらはみな「記録させる」ものであり、「記憶する」ものではない。その生き様やその思いを誰かが見て聞いて感じてそれを写し録る作業、つまり第三者が見た「一部もしくは一面」を編集したものが記録媒体である。 記録は、記録するたびにその人の「今の思い」に合わせて変化する。
所詮記録は不毛なもの。それでも少しでも正確な少しでも質の良いものをと人は絶えず努力してきたし、これからもそうだろう。
それほどまでに残したいと願うのだ、人間は。
誰かにこの思いを伝えたい、あの人にこの私を見て欲しい、真実を皆に知って欲しい・・・
人は一人では生きられないし、一人では淋しすぎる。
作中イラ・ミアが言うように一人で生きているように見えても必ず自分を見ている人がいる。その人に自分の生き様を知って欲しいと切に願う。
淋しくないように、愛されるように、会うことが出来なければなおさらのこと。
そして本書に登場するメディア=本は私がこうして読んでいる「記録媒体」ではない。登場する本人、視点となる主役そのものが死に、化石となり、本となったものである。
ありえない夢のような記憶装置=本を手にした殺人爆弾人間の少年が、本の中の少女に恋をしたことから物語は始まる。
劇中劇というか、その少女(姫様)の物語自体はさほど真新しいものではない。文章も簡単だしするする~っと読んでしまえる作品ではある。
ただこうした「本」の設定と全体の運びと盛り上がりはなかなかのもの。
本をこよなく愛する私としては、こうした世界観に触れられたことだけでも読む価値があったと思う。シリーズ化しているとのこと、なかなか楽しみだ。
紙の本
ライトノベルは紙に書いたエロゲ
2007/01/03 09:03
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ツンデレ!ツンデレ! - この投稿者のレビュー一覧を見る
安易な萌え文化が蔓延するラノベ業界
その中でひときわ輝く、この物語
キャラは全てにおいて人間くさく
空想の世界にて、その存在感はリアルを超える
今のラノベ業界にて、小説であると呼ぶ、呼べる物があるとしたらこれだろう
その、重厚な物語はライトを超えつつある
「ラノベは紙に書いたエロゲ」
この言葉に真っ向から対抗し、打ち破るだけの力を秘めた素晴らしい物語
そう、戦う司書の物語
読んで、後悔はしない
後悔はしないどころではない、貴方が抱いていたライトノベルと言うものに対する見方、それを大きく変えてしまうだろう
この物語にはそれだけの力がある
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お話に勢いがあるのに情景が浮かぶ。場面転換は血行あるけど、わかりやすく適度にあいまいででも順を追ってて、しかも、あとでそう来たか!的な、なんちゅーか、ひさびさにおおー!て感動した。
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タイトルがBLっぽいと言われました。
「恋する爆弾」のあたりがBLっぽいと。なるほど!納得。
新進気鋭のライトノベル作家が書く『戦う司書』シリーズの一作目。
人は死ぬと『本』になる。『本』と言ってもその形状は化石のようなもので、ものによって見た目は様々なようである。その『本』は神立バントーラ図書館に『納本』されることが決まっている。国会図書館のようなものか。そして図書館なのだから(私たちの感覚では)当然のごとく『司書』がいる。その『司書』が私たちの感覚とは違う。『戦う司書』とタイトルにあるように、『武装司書』と呼ばれる司書たちが主な登場人物であり、その名前のとおり戦闘シーンが見せ場である。最強の『武装司書』ハミュッツ・メセタの「敵は皆殺し」という戦いぶりは激しい。投石機で戦う人は仕事人でしか見たことなかった。
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タイトルのとおり「爆弾」の恋を中心にしたストーリーです。
ライトノベルですが、結構ストーリーのほうも練って作られていると思います。
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ものすごい新人作家が登場してきました。今までにない世界観にたた呆然とするだけだった。ダメな人はダメだが、俺にとっては傑作中の傑作でした。最強VS最凶の戦いは見もの。この小説よんで初めて、遠距離攻撃のすごさが改めてわかりました。
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死者の全てが「本」となり、図書館へと収められる世界でのお話___。館長代行を務める世界最強の武装司書、ハミュッツ=メセタ。彼女を殺すように作られた人間爆弾、コリオ。記憶を奪われ、体に爆弾を埋め込まれた、自爆することしか価値の無い青年が、ある日手に入れた、美しい姫の「本」。その姫に一目ぼれした彼は、人間らしさを取り戻していく・・・そしてその恋が巻き込む壮大な戦いとは__。山形石雄、期待のデビュー作!
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うーん、淡々とっていうか主人公というか、視点のコリオに共感が持てなかったところは痛いけれど、アイディアとストーリー展開は面白いです。
シロンに対しての感情は、もっと緩やかに加速してくれたらしっとりと余韻に残ったかもしれません。
断章のラスコールに関しては、中々良い状線を張っているなという感じです。あと、気になったところは……イア?
家があるということは、そう貧乏でもないはずなのに、なぜ娼婦をやっているのか。また、恋人もなぜ止めないのか。そして、彼女がやたらに強調されていたけれど、別にそこまで深く掘り下げなくても良かったのではないかと思います。多少疑問は残りますし、文章が少し読み取りづらい(受け取り方によってはよく意味が伝わらない)部分もあり、マイナス部分も目立ちますが、キャラクターが魅力的であったこと。また、一言一言に重みが感じられたことが高ポイントでした。2巻も期待しています。
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硬い文体が読みやすかった。
ファンタジーだが、独特の世界観があり楽しく読めた。
この後マルマを読み、文体のギャップに思わず笑った。先にこっちを読んでおいて良かった。
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戦う司書シリーズ。人は死んだら本になる。設定も面白いし、戦いもすごい。最近のお気に入り。現在、4冊出てます。
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集英社スーパーダッシュ文庫から出ている山形石雄のライトノベル。戦う「司書」っていう本好きの興味をそそらせるタイトルで手にとってみた。よくある萌え系ラノベとはちょっと違った感じでストーリーもなかなか面白く、一度読んで、またもう一度、と読読み返したくなるお話。
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「ハミュッツ=メセタを、殺せ」−−−死者の全てが『本』になり、図書館に収められる世界の話。記憶を奪われ、胸に爆弾を埋め込まれた少年コリオ=トニス。彼の生きる目的は、世界最強の武装司書、ハミュッツ=メセタを殺すこと。だが、ある日手に入れた美しい姫の『本』に、彼は一目で恋をする。その恋が、コリオを更に壮大な争いに巻き込んでいく・・・。弟4回スーパーダッシュ小説新人賞・大賞受賞、衝撃のデビュー作!
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純愛!?純愛か!って感じの。
恋する爆弾がうじうじうじうじ、してましたが
常笑の魔女の方にやられた。おろかだけど切ない恋でした
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題名がずっと気になっていたので、とうとう購入してしまいました。
タイトルまんまの内容です。
ちょっとばかり先頭シーンがグロいかなとも思いましたが、慣れてきました。
結構するする読めますが、前フリが少し大げさかなーというところがありました。
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・・・主人公だと思っていた彼が・・・!
(別に黒幕だった訳じゃないですよ)
そして主人公はあちらだったのですね・・・。
この世界は好きです。
が、最近多い退廃的な雰囲気が漂っているので(人物が特に)鬱な時にはあまり読めないかもしれません^^;