紙の本
西太后はいろいろな人が取り上げ解説しています。
2009/02/14 21:42
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る
西太后はいろいろな人が取り上げ解説しています。
小説の中でも、取り上げられることが多く、誰もが知っている中国の女傑です。
しかし、彼女の本当の姿を解説している本は、どのくらいあるのでしょう?
たしかに彼女の生き方を見ていると、男性以上に出世欲があり、権力への執着もすさまじいと言えるでしょう。
しかし、その彼女の内面は誰も知らないこと。
本書では、事実関係を詳細に見ていくことで、政治家としての西太后の評価を与えようとしています。
その特徴は、最近ではその傾向が薄れつつありますが、現代中国の特徴そのもの。
権力を集中させることで、大国を運営していこうとする姿勢です。
たしかに、あれだけの大国をまとめていくためには、極端なまでの権力の集中は必要だと思います。
個人的には、小説的な「彼女の内面」を見てみたい、という気持ちはありますが・・・
龍.
http://ameblo.jp/12484/
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「蒼穹の昴」を読んで、当時の清や西太后に興味を持って、この本を手に取った。
難しすぎず面白い。写真もいっぱいあって、「これがブスの皇后ね」とか見て楽しんだ。
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世間一般の人が持っている西太后のイメージと本当の西太后は違うんです。
現代中国に実は多大な影響を及ぼしている清朝末期、現代中国を理解する上で読んでおきたい本。
ただ繰り返し説明が多少あってげんなりしたとこがあったので★三つにしちゃいました・・。
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西太后に触れた書籍として最も優れている。
固定観念に縛られず、西太后の実像に迫っている。
現代中国を知る意味においても最適。
ただ昭烈帝の陵墓は一度も盗掘に遭っていないというのは嘘である。
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中国のおける三大悪女の一人と称される西太后。
本当は私達がイメージしている彼女とは違う側面もあったらしい…。
何故彼女は極悪非道の女扱いにされてしまったのか…。
そういう事が少しだけわかったような気がしました。
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[ 内容 ]
内憂外患にあえぐ落日の清朝にあって、ひときわ強い輝きを放った一代の女傑、西太后。わが子同治帝、甥の光緒帝の「帝母」として国政を左右し、死に際してなお、幼い溥儀を皇太子に指名した。
その治世は半世紀もの長きにわたる。
中級官僚の家に生まれ、十八歳で後宮に入った娘は、いかにしてカリスマ的支配を確立するに至ったか。
男性権力者とは異なる、彼女の野望の本質とは何か。
「稀代の悪女」のイメージを覆す評伝。
[ 目次 ]
第1章 清朝という時代
第2章 紫禁城の壁の中
第3章 戦争と政変
第4章 垂簾聴政の光と影
第5章 西太后と二人の皇帝
第6章 最後の十年
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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西太后と、彼女が生きた清末の史実が淡々と綴られている。日本の幕末と同く、中国での清末の時代も、国内では地方勢力が力をつけ、海外の勢力も入り乱れた権力闘争が繰り広げられたという意味で、歴史好きには非常に面白い時代である。
そのような動乱期において、それほど政治に通じているわけでもない一人の女性が、50年にわたる強固な独裁体制を築いたからには、どんな酷い恐怖政治を行ったのかと考えてしまいがちだが、どうもそういうわけでもないらしい。彼女は政敵を見境なく殺すようなことはほとんどしておらず、また、そのような実力も持っていなかった(例外は珍妃くらい)。むしろ、朝廷内の守旧派と改革派、地方軍閥、太平天国のような民間組織、諸外国などの対立をうまく利用して、バランスよく慎重に振る舞っているうちに、50年間生き延びることができた、というのが実情である。西太后の延命は、そのまま清国の延命に直結した。彼女は内政にも外交にも軍務にも疎かったが、末期症状の清国を50年も延命させたという意味では、極めて優秀な政治家だったのだと思う。
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内容は
西太后と西太后のダンナの咸豊帝の幼少から
西太后が紫禁城内で、どのように自らと
周囲の地位を上げ下げしてきたか。
また、数ある西太后に関する俗説を訂正したりで
西太后のヒールぶりを期待する人にはガッカリだろうが
西太后の良くも悪くも女的性格に共感する人には安心な本。
……なのだけれど、
今回は、現在の中国が清の時代の影響を色濃く持ってる
という点を踏まえて、読みなおしてみた。
尖閣諸島のこともチロッと出てた!
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皇后選びの選秀女システムとか初めて知った。西太后直筆の朱諭とか見てみたい。確かに、腹心を何度も罷免してまた戻すというやり方は、毛沢東そっくり。これは中国の伝統なのかしら。
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読みやすく面白い。西太后の一生を西太后自身の人物像、周囲の環境、清国の立場等を含めて概説した一冊。著者のユーモアのある言葉づかいも端々に見られ、笑いを誘う。
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西太后について分かり易く、しかも詳しく納得いく流れで説明されており、時代背景などと共に当時を理解するうえで大変役立った。蒼穹の昴という小説を後に読んだが、この本のおかげで大変楽しむことができた。
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「西太后」は「せいたいこう」と濁らずに読むのが正式な読み方だそうだ。まず最初にそこを確認しておきたいところだ。
筆者は前書きにおいて、本書の目的として「従前の誤った俗説や偏見を排し、彼女の生涯の真実を浮き彫りにすることにある」と宣言しているとおり、「稀代の悪女」というイメージを払拭する内容となっている。私はこの本のよって、西太后のイメージはいかに作り上げられた話や俗説などによって歪曲され、現実とかけ離れたものになっていることに気付かされ驚いた。確かに彼女は独裁者ではあったが、政治的に全く無能だったわけではない。結果的にかもしれないが、西太后こそが近代中国への扉を開いたといえるという。特に清朝末期と重なる西太后最後の十年は日清関係に大きな影響を与えている。
それまでの中国は、いろいろな西欧列強から「いじめ」を受けていたが、中国人の外国人に対する態度は、いわゆる「反日」だけが突出している。「反日愛国」という言葉が存在するくらいだ。日清戦争開戦のおり、清朝の主戦派が「反日愛国」を錦の御旗として政権を批判するの図がこの戦争で発明されたのだという。
反日の激烈さは反英や反仏、反露などとは次元が違うという。「反日愛国」という「正論」には主戦派さえ表だって反対できなかった。このような中国の反日愛国運動の特徴は、清末も今日もあまり変わっていないのだそうだ。
最近の中国は海洋において、国際法上においても明らかに独善的な示威行動を見せたりしているが、いったい彼らがどういう精神構造で「反日」を叫ぶのか、この西太后のいた清朝末期の歴史を学ぶことで見えてくることがあるという。
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地元の図書館で読む。正直、期待していませんでした。しかし、面白い本でした。この人物を語るには、この時期が丁度いい時期だそうです。早すぎると、利害関係者が生きているため、うまくいきません。逆に、遅すぎると、資料が消失します。つまり、100年後ぐらいがベストだそうです。1世紀とは、そういう意味なのかもしれません。面白いエピソード満載です。再読の価値があります。
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これは読み物として普通に面白かった。『蒼穹の昴』~『マンチュリアンリポート』に至る一連の作品があまりにも素晴らしくて、それで実際の歴史が知りたくなって手にとった本。だから、もともと小説で得た知識があったからこそ楽しめた、ってのもあると思うけど。実際に起こったこと、実存する人物像との対比も興味深かったけど、フィクション・ノンフィクションの織り交ぜ具合が絶妙で、件の作品の素晴らしさを改めて思い知らされる結果となりました。
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中国の政治の常道として、カリスマ的政治家は実務派政治家を失脚させたり復活させたりして、彼らに権力が集中しすぎぬよう調整する。西太后はそれを誰から教わったわけでもなく、暗黙知的に体得していたのであります。臆面もなく人を失脚させたり自尽に追いやったりする振る舞いに凄みを感じます。蛇足ですが、P254に掲載の女史の写真の顔が漫画家の蛭子 能収氏に見えてしまうのです。