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トラブルが起きたときに、自分の責任はとりあえずなかったことにして、声高に「責任者出てこい」と怒鳴る他責的な人々が急増しているという印象がある。
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アメリカを論じたという印象よりも、アメリカのシリアル・キラーや訴訟問題、ジャンク・フード、アメコミ、キリスト教などを話しのタネにしてそれらの話題について広汎にわたって論じているという感がします。アメリカを結構批判的に描いています。
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中国論よりも先に出ていたんだね。中国論のあまりの面白さに、続けて買ってしまった。こっちの方が軽く読めてしまう。子どもの虐待のくだり(映画を引き合いにしているところ)では、ものすごーく納得してしまった。だって、チャーリー〜はあまりにもシュールな映画だもん。言われてみると、あの虐待のされようはないよなぁ…。このシリーズの続編に期待!
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アメリカに伏流する様々なエートスを分析している。特に「子ども嫌いの文化」「被害者意識の強い文化」など、日本にとっては自動的に海外の代表とされるアメリカと言う国が、実に特殊な国であることを論述しており、知的な興奮に満ちている。
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内田さんの文章は理路整然としていて本当に読みやすい かんなりいい
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「原因とはうまくいかないものにしかない。これはジャックラカンの至言です。原因が何かという問いを立てるのは原因がわからない時だけ。例えば殴られてなぜ殴るは聴くがなぜ痛いとは聴かない」(33)
「ドイツイデオロギー、フランスにおける階級闘争、ヘーゲル法哲学批判序論」(82)
「国民の大多数がカラスは白いと言ったらそれでいいんじゃないかという、ある意味クールでシニックな統治システム」
「ユダヤ人陰謀説」
「『福音派』と呼ばれるキリスト教徒は一般に、キリストによって生まれ変わったという自覚、すなわち『ボーンアゲイン』体験を有し、主として新約聖書の言葉を文字通りに解釈し、その教えと権威を強調して、積極的に福音を説き、迷える人々の魂を救うとともに、社会全体の救済にも関心を寄せる人々を指す」(221)
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私はわりと好きです。ちょっと理屈っぽかったり、まわりくどかったりする文章が(笑)まえがきのアメリカはなぜ靖国参拝を抗議しないのか?いつも中韓ばかり気になってて考えたこともなかったな。あと何気に辛口なところもいい!
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日本とアメリカの関係性のねじれとその病識を示した一書。
樹先生の本はいつも非常に知的興奮を覚えます。
中身を僕なりに要約すると、
「アメリカ人は、あたま筋肉」で、「日本人はその愛人」といったところでしょうか。
日本を占領したマッカーサーは、アメリカを大人とし、民主主義的に未熟な日本を「12歳の子ども」と呼んだことは有名です。しかし、自分が熱いコーヒーを股にはさんで、蓋を開け、こぼしたことを、お店のせいにするくらい、甘ったれの「涙の訴訟社会」なわけです。
裁判で勝ったから正しいじゃんって言う人いますが、そりゃどうですか。
でも、こんな人周りに増えてやしませんか。
やっぱりアメリカ化(あたま筋肉化)しているのかもしれません。
自分も含め(笑)
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歴史学的思考が、過去から未来に向かって、一直線に進む「鉄の法則性に貫徹された」歴史の流れを想定するとしたら、系譜学的思考はその逆に、現在から過去に向かって遡行しながら、そのつど「分岐点」をチェックして「どうしてこの出来事は起きなかったのだろう?」というふうに考えてみる事です。「起きてもよかったのに起きなかったこと」について「それがなぜ起きなかったのか?」というような問いを問いを立てる習慣が重要である(p56)
私たちが「伝統」とか「固有の」とか思っているもののかなりの部分は伝統的でもオリジナルでもなく、ちょっと前にどこかから入ってきたものです。その歴史的経緯を忘れてか、知らないふりをしてか、社会集団の純血性とか文化のオリジナリティとかを言い立てるのは、あまり品のいいことではないように思います。(p68)
アメリカのような国はアメリカ以前には存在しなかった。これはアメリカを論じるときに忘れてはならない基礎的事実です、・・・アメリカという国の特徴はまさにこの「理念先行」「完成型先行」という順逆の狂った在りかたに存すると言っていいでしょう。(P100)
基本的な事実として、現状日本という国のアイデンティティはアメリカについて考えるということなしには立ちいかない。つまり必須な知の一つであるということだ。
他、魅力ある卓見が敷衍されているので一読の価値あり。
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根拠に乏しいところも感じられたが、あまり語られないアメリカの姿、暮す人々の考え方などはとても興味深いものでした。物事は現実よりもまず理想ありきと言う主張には納得。
柔らかい言葉で書いてあるので、読みやすかった。
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なんでアメリカ論?と思いながら読み始めたけど、まえがきにその理由が書かれている。
わりとさくさく読める。
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日本は戦後、外交を含んだ政治的側面のみならず
『ナショナル・アイデンティティ』そのものを、アメリカを真似る、あるいは相対化して見る、ということで築いてきた、ということを様々な側面からアプローチしたもの。
そしてその『アメリカ』風の価値観ないしは歴史観のあれれ?な部分をトクヴィルの著書を多々借用しながら解説していく。
ただそれにしても(面白く)気になったのは、現在のパックス・アメリカーナを崩すものが反ユダヤ主義ではないか、という議論。
それから今や同盟的友好国となったかつてのカタキであるロシアとアメリカとのおそろしいまでの歴史的共通点(そこにもユダヤ人がからむ)。
確かにアメリカ=外国という錯覚のもとに暮らしているのは事実であり、しらずとその価値観に染まってはいるのだろうけれど、それがまあここまで歪み切ったものだとは知らなんだ…。
面白がりながら反省できる本でありまする。