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非常にストレートなタイトルの書籍である。出版社は丸善であり、なかなか硬派な書籍であることは予想されるとおりだ。この本は、後藤さんの紹介で読み始めたが、読み終わるまでに少し時間がかかってしまった。
著者である霜多増雄さんは、茨城県で農業を営んでおり、彼の日々の栽培と、分析結果からこの本が書かれてある。書かれてある内容は至極まともで、硝酸態窒素濃度については、ヨーロッパ基準を持ち出してきており、多くの日本の農作物が上限オーバーとなるであろうなか、彼が栽培する作物はかなり低い値を示している。さらに、硝酸態窒素とミネラル類の関係についても、現状わかっている犯意での推論が述べられている。
さらに、堆肥については完全に土作り目的で考えており、堆肥の中には雑草はおろか、有害な微生物、菌類もいないという状態を作り出しているとのこと。そんなすばらしい堆肥はぜひ見てみたいものだ。
霜多さんのすごいところは、栽培、分析、原因追求、改善の繰り返しが行われており、日々進歩していっていることだ。らの生産者でいえば、三重の福広さんのような人である。先週末は福広さんのところで勉強会が行われているが、独自でPDCAサイクルができている生産者が増えることが、いい青果物供給ができることになる。その手助け、後押しをする存在はまだまだ必要であろう。そういう刺激的な、生産者に生産者自身が会うために出歩くことも必要である。