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『ニューヨークタイムズ』神話 アメリカをミスリードした〈記録の新聞〉の50年 みんなのレビュー
- ハワード・フリール (著), リチャード・フォーク (著), 立木 勝 (訳)
- 税込価格:2,750円(25pt)
- 出版社:三交社
- 発行年月:2005.11
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紙の本
信用できるメディアはどこに存在するのか
2006/02/28 23:58
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:JOEL - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は題名の通り、アメリカの一流紙「ニューヨークタイムズ」が重要な事項を意図的に報道しなかったり、政府の報道をそのまま垂れ流すことによって、アメリカの世論を誤りに導いた例を数々あげて、批判していくものである。
400ページを超える厚さから分かるとおり、ニューヨークタイムズ紙に対する批判は痛烈であり、執拗である。たとえば、日本で朝日新聞批判をここまで繰り広げたら、その執拗さのせいでかえって不評を買いかねない。本書が、れっきとしたメディア批判の本として成り立っているのは、過去50年にわたり、徹底的に記事の例をあげながら、批判の根拠を示しているからであろう。ただし、最後まで付き合うには、読み手の側でも相当の忍耐力が必要である。
分かった、そう、全米一の高級紙であり、時の政権に最も大きな影響を与えてきたニューヨークタイムズ紙でさえも、愛国的な報道となると客観性や中立性を失い、政権に遠慮してしまうというどうしようもない現実である。
では、ほかに信用できるメディアは存在するのか? それは「ワシントンポスト」か、「ウォールストリートタイムズ」か? おそらく、それはどこにもないのであろう。本書の著者が、これほどニューヨークタイムズにこだわって、その報道姿勢を批判するのは、これに完全にとって代わるものがない、ということからくる期待の裏返しなのである。そこには、結局のところ、政権の決めることが国の行く末を決め、その逆鱗に触れれば、重要な情報を取り逃がしてしまうので、うまく付き合うしかないという現状がある。
我々は複数紙を比較しながら読み、ネットで新しいジャーナリズムにふれることで、賢明な市民でいる努力を続けるしかないという結論が見えてくるであろう。
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