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ゲーテさんこんばんは みんなのレビュー

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みんなのレビュー12件

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紙の本

こんにちは ゲーテさん

2010/02/01 22:06

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぶにゃ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 こんにちは、ゲーテさん
 
 はじめて手紙を差し上げます。池内紀という日本のドイツ文学のセンセイが、ゲーテさんについて大変おもしろい本を出していますので、それを是非ご紹介したいと思い、筆を執りました。(日本語には、尊敬語だの丁寧語だの謙譲語だのというややこやしいコトバの使い分けがありますが、一切無視しますのでご勘弁願います。)
 私の国で、ゲーテさんの名前を知らない者は少ないと思います。世界的な大文豪とか大科学者などの名前はたいがい学校で習うからです。しかし、ゲーテさんがどういう人であったかを知っている人は、そう多くはないでしょう。学校では学ばないからです。習ったとしても、試験に出ることはないので、すぐに忘れるからです。ああ、そういえば、百年くらい前に、斎藤緑雨という文士が、「ギョエテとはおれのことかとゲーテ云い」という戯れ詩を作っていましたけれど、気にしないでください。洋の東西を問わず、外国語の発音は難しいものです。
 
 さて、私は、池内センセのこの本によってゲーテさんのことを少し知ることができました。『ファウスト』は若い頃パラパラとめくったことがありますが、あくまでもパラパラなので、内容は頭に入っていません。じっくり読んでも理解できるかどうか……。ま、それはともかく、ゲーテさん、あなたはなんて風変わりな人なのでしょう。
 常人ならざる「石」の蒐集癖。あなたが几帳面に蒐集分類した石が現代にも一万九千点余り残っているそうですよ。すごいですね。
 常人ならざる「骨」への愛着。ほね、ホネ、骨。いえ、けっしてあなたの邸宅の裏庭にごっそりと人骨が埋まっていると考えているわけではありません。骨、というより「骨学」ですか。なんと、それまで人間にはないとされていた骨を発見されたそうで。たいへんなことです。やっぱり骨が好きなのですね。
 常人ならざる「光」への執着。あるいは「色彩」。つまりは、目玉への執着でしょうか。
 常人ならざる「雲」への関心。池内センセはゲーテさんのことを気象予報士第一期生と称えていますよ。
 常人ならざる「酒」の呑みっぷり。あなたはドイツ文学史上最大の酒豪だそうですね。 
 そして、
 常人ならざる「恋」への熱情。
 すみません。こう書くと、なんだか、ゲーテさんは色キチガイだと言っているようですね。でも、この本を読むと、生涯にわたって恋をしてきたあなたが、たいへんうらやましく思えます。
 恋をすると、相手が人妻であろうが、自分に妻があろうが関係ない。
 恋をすると、相手の年齢など眼中にない。
 恋をすると、とにかく詩を書きまくる。
20代は当然のこととして、50代、60代、70代と、いつも別な女性に恋をしてきたようですね。70代半ばで、まだ二十歳前の若い娘さんにプロポーズしたとは……。はてさて、ゲーテさん、あなたという人は。
 日本にも、一休さんというトンチ好きの破戒僧が、八十歳近くになって20代の盲目の娘さんと熱烈な恋愛をしたという話もありますが、いやあ、なかなか……。 
 
 しかも、あなたは、日本でいえば総理大臣にまでなったお方とか。
 知らなかったです。
 池内センセのこの本には、こうしたあなたの過去がふんわりと展開されています。「伝記」というような堅苦しいコトバは似つかわしくありません。ふんわりと柔らかく、あなたの歴史をなぞっています。
 機会があれば、読んでみてください。
 私も、機会があれば、いや、ぜひとも機会を作って、池内訳『ファウスト』を読んでみたいと思います。
 あ、書き忘れていました。この本の題名は『ゲーテさん こんばんは』といいます。なかなかイイと思いませんか。
 
 では、いつかお目にかかる日まで。
 
 さようなら、ゲーテさん  

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2006/11/07 00:44

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2009/09/27 18:59

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2012/03/08 20:28

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2013/11/30 08:45

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2014/09/20 18:42

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2015/04/25 01:36

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2015/05/10 13:21

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2014/05/23 22:05

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2019/11/13 20:45

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2021/09/18 19:24

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