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意見が対立する書籍や論評を読み比べると、お互いがポイントとして挙げているところに、それぞれがどんな論法を展開していくのかが分かって、頭を鍛えるにはなかなか好い。
今回は自分の人生にもかかわるということで、賃貸vs家もしくはマンション購入。んで、これはタイトル通りにずっと賃貸を続けていくのが好い、というスタンスの本。
ちなみに、自分は読む前から「マンションであれ戸建てであれ、家を買う必要はないし買いたいとも思わない」という見解。その時点で公平なジャッジはできないかもしれないけど、まぁ書評家じゃないんでそこは好しとしよう。
まずは出版されたのが7年前で、現状を正確に捉えている訳ではないということと、出版元が賃貸物件を扱っているエイブルなので、「自分たちのメシの種である賃貸という選択肢を悪く言うはずがない」というスタンスであることは、いくらか割り引いて考えないといけない。
それを割り引いた上でも、論師としてはそれなりに一貫しているし、情報も変に都合の好いように改竄されている形跡もない。様々なライフプランナーが、賃貸で生活した場合と購入した場合の比較を、具体的なモデルケースを使いながら解説しているパートもあって、参考になる部分は結構ある。
仕事柄&将来の展望柄、家を買うということに対するリアリティが全くないし持ちたいと思ったこともないけど、それはそれでアリだなぁという結論に至ったので、自分にとっては好い本だったのだと思います。
賃貸に対して罪悪感や劣等感を感じている人がいるならば、読んでみても好いと思います。