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紙の本
なんていうか、B級にもならないのかな、って。文章は並なんでしょうが、こう、盛り上がるものがないっていうか、これで終わりかよ、って。そういえば前読んだ本も・・・
2006/04/14 21:13
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
安東の作品は、第1回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞した2000年の『鬼子母神』以来、読んできませんでした。正直、児童虐待や家庭内暴力を扱った小説って言うのは、どれも後味が悪いんですね。生きる希望、なんていうのは少しも湧いてこないし、優しくしなきゃ、って思うより、こういう人たちとはお付き合いしたくないな、っていうのが精々のところなわけです。
今回、この本を手にしたのは、そろそろあの世界から脱出したのかな、っていう希望を込めた確認の意味があるんですね。で、読んだ印象を書けば、ま、こんなところかな、です。積極的に次も読みたい、とは思いませんし、といって全然だめじゃん、っていう気にもなりません。そこそこ、です。
まず、タイトルを見れば、現代人であればだれもが遺伝子、DNAを思いますよね。実際には「螺旋」ていう言葉にはもっと沢山の選択肢があるんですが。で、それを決定付けてしまうのがカバー装画、っていうか写真で、これを見てしまえば、「このお話って完全に遺伝子ものじゃん」ってなります。そのストレートな装幀は鈴木正道。
目次を書いておけば、第一章 黄金幹、第二章 帰還、第三章 SIDS、第四章 誕生、第五章 山中の谷、第六章 陽光。「問題小説」に2003年6月から2005年6月にわたって掲載されたものに加筆訂正をしたものだそうです。この内容で二年もかけるか、とは思いますね、正直・・・。
始まりは平成10年12月24日です。主人公はAV専門の量販店に勤め、将来は音響技師として独立を目指している高代和彦です。妻の年恵は趣味で始めた飽食デザイナーとしてそこそこの収入を得て、彫金教室の講師も務めています。ただし二人には子どもがありません。意図して、ではなくて、子どもが欲しくて欲しくて仕方がない、でも授からない、そういう設定です。
ところがです、高代夫妻がなんとか子宝を授かろうと様々な不妊治療をして、それが物語の核になっているにもかかわらず、二人が結婚して何年たつか、とか奥さんの年齢はいくうかっていうことの記述がない、ウッソ〜!でも本当なんです。だから、その切実さが読者に伝わらなくなります。
じつはこの年齢問題、登場人物すべてにいえて、それはそれなりに凄いことだとは思うんですが、要するに作者の不親切なんだろうな、と思います。で、これも不思議なんですが、その二人がマンション購入に走っちゃう。おいおい、子どもが欲しいんじゃなかったのかよ、なんて思いますね。
無論、このマンションに入る、しかも通常なら5000万はするという物件を、1/3という破格の値段で手にすることが出来る、だからというのは理解できないではないんですが、やっぱり唐突です。ま、格安物件入居の条件というのが、マンションにある深い地下室で、最初の一月を過ごすということで、これが子どもの件に繋がっては行くんですが、そこが冒頭でグチャグチャしています。
その地下で生活する、っていうことが、昔、鉱物は生き物と考えられていた、彼らは生きるために地中に根をはっている、その鉱物が金であるなら、その幹は黄金幹であるとなって、それが第一章のタイトルに繋がっていくんですが、どうもね前後関係が違うんじゃないか、って思います。
ま、読みどおりの展開をするので、あとは読んで貰うしかないんですが、いま、こうして思い返してみても、「ナンダカナア・・・」って以外に言いようがないっていうか、お後がよろしいようで・・・
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