紙の本
自分の気持ちに素直になれるように
2007/05/31 04:28
10人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:良泉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
森が火事になった。逃げ惑う動物たちの間を縫い、一羽のハチドリが懸命に行ったり来たりしている。ハチドリは、その小さい口で一滴一滴の水を運び、山を覆い包む炎に立ち向かおうとしている。
あざ笑う動物たちに向かってハチドリは言う。
「私は、私のできることをしているだけ。」
ハチドリのこの行為を、回りの動物たちと同様に「蟷螂の斧」と嘲笑することは、はたして妥当であろうか。
あまりにも現実から逸脱したことをも、盲目的に信奉させる精神主義的な言動は厳に慎まなければならない。それをわかった上で、それでもなお、このハチドリの物語は新鮮で、われわれに感銘を与えてくれる。それは、あまりにも大勢順応的、事なかれ主義的な生き方が横行する現実世界への無意識的な反発が為すものと考える。
自分の信念に向かい、あきらめずに進んでいく。そのためには、一歩一歩、自分のできることを実行していくしかない。この当たり前のことができていない、できない人が多い。現代の世界を覆う無気力感、脱力感。
流行語ともなった「希望格差社会」といわれる新しい社会格差。個人の夢や希望は、実現させるどころか、それを持つことさえできない世の中になってきている。ハチドリの物語は、社会の格差が強まれば強まるほど、耳に新鮮に響く。
それでもあきらめずに、現実に闘いを挑む人たちがいる。さまざまな所で、さまざまな人たちが、ただただ「自分のできること」を着実に進めている。努力している。
それは、直接的には自分自身の夢や希望に向かうことである。しかしそれら小さな一つ一つの行為の集積が、現実世界の不合理是正のための種となっている。本人が気付いていようといまいとにかかわらず。
結局わかったことは、とってもありきたり。
「夢をあきらめてはいけない。」
「努力やチャレンジを忘れてはいけない。」
「前向きに、ただ決して気負うことなく、たんたんと。」
ありきたりな言葉が、ありきたりでなくなっている現実、それに気付くこと、それがわれわれに求められている第一歩。
紙の本
小さな力の大切さ
2017/04/13 03:05
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:イザベラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
山火事を消そうと、ハチドリがくちばしで水の雫を一滴ずつ運びます。
周りの動物たちは、それは無駄だと言って笑いますが、自分ができることをひたむきに行動に移す姿に感動しました。
環境汚染だけでなく、私たちが生きている中で、同じようなことが世界中で起こっているように思います。
小さな力でも、それを続けることによって、いつしか大きな力に変わることを信じて、行動できる大人であり続けたいものです。
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たった数行の詩の中に大切な大切なメッセージがこめられています。
森が火事になったとき、他の動物達は逃げることに精一杯なのですが、クリキンディという名のハチドリだけはなんどもいったりきたりして、くちばしで水の一滴づつを運んで火を消そうとしています。
この本はざっくり言うと3部構成になっています。
最初の詩の原文は作者の原画も添えられています。
2番目で、16人の人が「私は、私にできることをしている」とそれぞれ語ります。
最後は、世界中に広まっているいろんな運動の中から、ほんとに些細で簡単なことをすることで大きな効果につながることをいくつも例示されています。
この本は「地球温暖化」の問題に紐付けて書いている部分が多いですが、「自分にできることなんかなにもない」という無力感を「私にもできることがある」と気づかせてくれる本です。
温暖化の問題でよく耳にするのは、スーパーのレジ袋を持参したり、割り箸の代わりにマイ箸を使う、赤信号で止まったらエンジンを止めるなんかがあります。
けれど、全然思いもしなかったのですが、「肉やエビを食べないようにする」とか「カカオの含有量の多いチョコを食べる」なんかでも貢献できるそうです。
理由は本を読んで欲しいのですが、今日からでも自分も変われると感じた本でした。
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坂本龍一さんもお気に入り、今、テレビなどでも取り上げられ話題の本。小さな事がどれほど重要かを教えてくれる本。
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とても短いお話ですが、その後、森がどうなったのか、考えさせられます。社会貢献に繋がるかと思って地道にコツコツしていることに無意味さを感じる時、この本のことを思い出すようにしています。
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小さな力の大切さを教えてくれる南アメリカの先住民に伝わるとても短い物語。100万人のキャンドルナイトの呼びかけ人代表が監修された本。
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TVでも紹介されていました。
これは、ちいさな力の大切さを教えてくれる南米アンデス地方の古くてあたらしいお話です。森火事に一滴ずつ水を運ぶハチドリに対して、森から逃げた動物たちは「そんなことして何になるのだ」と笑います。ハチドリは「私は、私にできることをしているだけ」と答えました……。
蒼も「自分に出来ること」からはじめてみよう。
逃げちゃいけない。逃げる?いったい何から逃げるってゆうのさ。出来ること、結構いっぱいあったりするんじゃないかな。(心の声)
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ハチドリのような健気な行動が大きな組織をしっかり動かすのかな…
そんな感覚を覚えました
「自分のできることをやっているだけ」
なんて謙虚なんでしょう
ハチドリを見習います
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「私は、私にできることをしているだけ」と答えました……。
あたしも今、自分に出来ること、精一杯頑張ってるのかなぁ??って考えてしまいました★バイト先の休憩室にて、めっちゃ考えさせられた本デス
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1人の力は微々たるものでもそれが繰り返され、伝えられ、多くの人を巻き込めば、とても大きな力になり、世の中を動かせるんだよ、ってことを静かに伝える本です。頑張るってことではなく、やれることをやる、ということがとても大事な姿勢なのだと気づかされます。
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自分だけやってもね・・・とか思ってたけどみんながそんなふうにして地球温暖化がここまで進んでしまったのだから、いまこそ行動を起こすべきですね。
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南アフリカの先住民に伝わるお話
以下抜粋します。
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森が燃えていました
森の生きものたちは我先にと逃げていきました
でもクリキンディという名のハチドリだけはいったりきたりくちばしで水のしずくを運んでは火の上に落としていきます
動物たちがそれを見て「そんなことをしていったい何になるんだ」と言って笑います
クリキンディはこう答えました
「私は、私にできることをしいているだけ」
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この後の展開は読者の想像に任されています。
何を感じるかも人それぞれでしょう。
本書はこの後、環境について様々な国の人たちの意見が書かれています。
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自分の無力さに躓いた時
情けなさに苛まれた時
それでない時も
いつも
手元に置いておきたい
ハチドリのような人になりたい
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紹介:高垣 美香
この本では南アメリカの先住民に古くから語り継がれている“ハチドリのひとしずく”という物語を現代の地球温暖化という問題に重ね合わせて考えられていて、この地球を救うために、今、私たちにできることは何かについて書かれてあります。
物語の内容は
『森が燃えていました
森の生き物たちは、我先にと逃げて行きました
でもクリキンディという名のハチドリだけは行ったり来たり
くちばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは火の上に落としていきます
動物たちがそれを見て“そんなことをして一体何になるんだ”
といって笑います
クリキンディはこう答えました
“私は私にできることをしているだけ”』
この中に出てくる“燃えている森”とは私たちの“地球”を意味し、ハチドリは私たち一人一人に置き換えることができます。
今、私たちにできること。それはたとえば、レジ袋をもらうのをやめる。食品トレーをリサイクルする。など、使い捨てをやめ、ものを長く大切に使うことで、余分なガスの排出を減らすことにつながります。
そしてこういった小さな行動の一つ一つの寄せ集めが大きな力となり、確実に地球を冷やすことにつながっていくのだとわかりました。
クリキンディのように、どんなに小さなことでも、まずは自分にできることを始めること、そして、続けていくことが大切だと感じました。
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森が火事になり、動物たちが逃げまどう時に、一羽のハチドリが、せっせと水をすくって火にかけるという話だ。動物たちはそんなことしてどうなるのと笑うけど、ハチドリは答える。
「私は、私のできることをしているだけ」
という南アメリカの先住民に伝わる話に結びつけて、エコロジーの啓蒙を書いているのだが、エコロジーに関心あるなしに関わらず、「自分のできることをおこなう」は、現代社会に生きる人々が持つべき意識だと思うのだ。