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芸能関係の間でしか知られていなかった天河神社を有名にしたのは、内田康夫の「天川伝説殺人事件」だろう。この小説は、映画にもなり浅見光彦シリーズでテレビ放映されているから見られた方も多いと思う。
天河神社は、中世より能楽の神として信仰を集め春と秋の「薪能」は多くの参拝者で賑わうという。
内田康夫は取材のために、初めて天河神社に来た時の様子をこう書いている「境内に一歩足を踏み入れた瞬間から、言いしれぬ「気」のようなものが漂っているのを感じた。大峰山系の急峻な山肌を吹き下ろす「天の気」、あるいは天川谷から吹き上げる「地の気」が谷間で淀み、「神気」とでも呼ぶべきものに凝縮する。ある日この谷にまぎれこみ、天と地の「気」を感得した異能者がこの地を神域と定めた」と。さらに作者は続けて言う「僕はしばしば得体の知れぬオーラのような「地の気」を感じ、それを作品の上に投影してきたが、天河ほど強烈な「地の気」を発散する場所はほかにない」
僕自身は、内田が感じたほどの気を感じなかったが、内田以上にこの「地の気」を感じた者がいた。天才歌人角川春木である。
彼は7月16日に行われる天河弁財天の神曲奉納を観て<銀漢に五十鈴を奏で巫女袴>という句を作った。五十鈴は天川殺人事件の中でも重要な小道具となっていた、天河神社の奇妙な三角形の鈴のことである。
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らじは奈良好きですが、吉野にはまだ行ったことがありません。
タイトルにある天河神社も今回初めて知りました。
しかし、妙に宗教ちっくな雰囲気で書かれていたので、それほど惹かれはしなかったなぁ…。
ストーリーは能の世界のお家騒動と殺人事件。
伝統ある世界って言うのは、本当に跡継ぎ問題とか大変なんだね。
なかなかまとまりのあるお話で楽しかったです。
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テレビ放映した映画を観て、久しぶりに読みたいと思い手に取りました。が、長い。映画版の方がストーリーが分かりやすい。
映画を観る前に読んだ時はそんな事なかったのにな。
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ひと昔、映画化された作品ということで読んでみました。
ビデオも見てみたいな。
起承転結の結末は、もう少しボリューム欲しい気がしたけど、起承転は無駄な文章がない。
「完全な無目的、かつ無償の行為」
って所に食いつきました
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テンカワと聞いてすぐに思いつくのは、中森明菜の『二人静』。かつてカラオケで再々親しみまして。今でもそらで歌えちゃうくらい。
当時、上映された作品の主題歌で有名でした。それでも映画やドラマも観たこともなく、ましてや原作も未読。
ということで読んでみました。
そして映画とドラマ(中村俊介版)も観てみました。
私は原作読了→映画・ドラマ鑑賞をうっすらとした方針にしているのですが、今回は本当にそうして良かったと思いました。往々にして原作とはかなり異なる表現の仕方をすることがあるので。酷いものだと、ある人物のキャラクターが全く違っていて、それはあんまりじゃないか…という扱われ方にされちゃう。などなど。
全体としては、とても読みやすく、アクションシーンのないダン・ブラウンのラングドンシリーズのような印象でした。