投稿元:
レビューを見る
まだサンカの末裔が現代の日本にいるのだ。
昭和25年から30年ごろまで、埼玉県川越市に近い山中に、土地の人からラーザン部落と呼ばれる集落があり、そこでは原始人さながらにボロボロの布きれだけをまとっただけの姿で、自炊生活をしていた。
女性も上半身裸で、子供たちは山猿のようにはしゃいでいた。
戦後のサンカたちの本物の生活が写真として残っているのは貴重。
学校にも行っていなかったし、戸籍もなかった。サンカ独自の言葉を使っていたから溶け込むのに苦労していた。
投稿元:
レビューを見る
日本にも結構最近まで
ジプシーのような生き方をする人々が
少なからずいた・・
何て素晴らしいんだろう
日本の山の懐深さ、豊かさを想った
山々に生きる漂白の民=サンカ
色々と謎多き消えゆく民についての
フィールドワークを
初心者にもとっつきやすく
ポジティブで愛情あふれる文章で
綴った楽しい本。
個人的に身近な地域にサンカが暮らしていた
ということを地図と写真で提示されて
非常に興味深かった。
僕自身、東京と埼玉と山梨のまじわる
山深くで幼少をすごした70年代後半、
山が大好きで一人でどんどん奥深くに
わけいってしまう僕をたしなめるために
近所のおじいが言ったことばを思いだした
「あんまり山の奥の方に一人でいくなよ
熊も出るし、山の人さらいが出るぞ」
里や町の人さらいとは別の山の人さらい
「山のオバケなの?」って聞き返したら
オバケじゃないと言ってたっけ・・
僕も自分の育った山々のこと
ちゃんと調べたくなった
投稿元:
レビューを見る
★4
筆者はテレビ朝日ディレクター。
荒川族サンカのインタビューをはじめ、ルポ的手法でサンカの実像に迫る。
検証対象の人名、地名は実名主義。
また、他の参加研究者の研究や人物のついても紹介している。
三角には批判的だが、筒井よりは評価している点が多い。