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学習は周囲のとの関わり(コミュニケーション)で成り立つ。自閉症児は,当初知的な発達の遅れが無くても,生育と共に知的な遅れが顕著になってくる。これは,周囲のとの関わり(コミュニケーション)が苦手なため,必要な情報を発したり受けたりすることができないからだと聞く。
この本は,題名から期待した「自閉症児の学習」に周囲はどのような関わりを持っていったらよいのかの解の一つを期待して読んだ。
しかし,著者の目指しているものはそれだけではない。この本で示されている12項目の教育目標は,そのまま一般企業の新入社員教育の目標としても,普通学級の教育目標としても使えるし,完全な達成はできていないところが多いだろう。
障害児にこの目標に向かって歩かせることができるのは素晴らしいことだ。
2項目目の
「指示を理解し,行動でき,指示されたことをやり遂げること」
ですらできない,新人や新入生が何人いることだろうか。
「できないから,無理強いさせない」
のではなく,
「発達で心配な子ほど学習の機会をより多くもたせたい」という方針には共感できる。