投稿元:
レビューを見る
[ 内容 ]
四〇歳を過ぎた。
親として子に何かを教えようとしたとき、ふと、自分の生きざまを問われ、恥じ入りたい気持ちになる。
子供に読んでやる文章が、自分自身の身にしみる。
この年になってやっと、本当の勉強の意味に気付いた気がする―。
学力低下不安から、子供にお勉強をさせることは、一種のブームと言える盛り上がりを見せている。
しかし現在の日本人の不勉強ぶりは、子供にお勉強をさせればいいというレベルをとうに超えている。
自戒を込めて言えば、すでに大人からしてダメである。
本書は、凡庸な親が自分も勉強しなくてはならないと考え、しかし何をどうやって学ぶべきか、そもそも勉強とは何だっけ、といった事柄を、国語・倫理・歴史・自然科学といった広い分野にわたって思い悩むドキュメントである。
[ 目次 ]
序章 不勉強社会ニッポンの現実
第1章 そのお勉強でいいの?
第2章 読書のすすめ、もしくは戒め
第3章 倫理は教えられるか、学べるか
第4章 「正しい歴史」は存在するか
第5章 自然科学と論理的思考力
第6章 「好きなら伸びる」は本当か
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
投稿元:
レビューを見る
「大人だって、勉強するに手遅れということはない」とあとがきにあります。では、どんな勉強をしたらいいのか、その指針がこの本にはありました。でも、例えば「論語」を今すぐに読むかというと・・・。
投稿元:
レビューを見る
最近感じるのは勉強していないとか、学歴がないだとかいう人ほどポテンシャルが高い人で、理想がはっきりしている方が多いと感じました。
この本の著者が自虐ネタちっくに語る不勉強者(歯医者ですし)にもならない者としては、共感できる部分も多い中でも、軽い自慢+スリコミがあるように感じました。リタイアです。
投稿元:
レビューを見る
とても良い本に出会いました。筆者の勉強に対する考え方はとても参考になります。
歴史の勉強と史観の分離など明快に書かれています。
売らずに手元に残します。
投稿元:
レビューを見る
凡庸な親が子供に勉強させる前に自分も勉強しなくてはならないと考えるための本。理由など分からずなんとなく感じていたことが、人間の本質に入り込んだ著者の見解のお陰で、色々頷くところ多し。各章各章金言がパレードで行進しており、特に、科学と文学の対決の話は珠玉でした。
投稿元:
レビューを見る
先輩が読んだのを見て読んでみました!
図書館で借りて読んだけど、手元に置いて何回も読みたいので是非買いたいです!
投稿元:
レビューを見る
論理的に詰められてるという感じではないが常識的に書かれている感じ。
各章の最後にまとめられている本のレビューを参考に本を読んでいきたい。
投稿元:
レビューを見る
タイトルの「不勉強が身にしみる」というのは、「(自分の)不勉強が身にしみる」わけではなく、「(人の)不勉強が身にしみる」であった。
現状の批判と昔はこうだったという話しかなく退屈。
投稿元:
レビューを見る
数ページ読むにつれ、凡そその題名から想像していたイメージとは、隔たりあることは否定出来ないものの、出だしから共感できるところが非常に多い。
辛らつで歯に衣い着せぬ内容が連続し、しかも的を得ていると感じる。
勉強をするということは多面的に物事にアプローチするトレーニングであり、実社会でのバランス感覚を養うことに繋がるのだろう。
各章の終わりにお勧め本が書かれており、今後の参考にしたい。
以下、本文抜粋。
『本当にお勉強すべきなのは、我々大人の側なのではないか・・・』
『結局最もつまらぬものを欲しがるあまり、最も大切なものを取り逃がす・・・』
『本当の自分なんて、自分自身のなか以外の、どこにもないのだ』
『思考する訓練を積んでいない者に、よく討議されたわけでもない結論を押しつけるよう教育が施されている・・・』
『信じるというのは、善良な行為ではなく、思考の停止である。考えるのをやめにして、あとは他人の意見に身を委ねる。それが「信じる」ということだ。』
投稿元:
レビューを見る
○不勉強社会ニッポンの現実
子供の前に親が勉強してるのか
①そのお勉強でいいの?
暗記?ゆとり?
②読書のすすめ、もしくは戒め
③倫理は教えられるか、学べるか
④「正しい歴史」は存在するか
ない。
⑤自然科学と論理的思考力
科学も想像力
⑥「好きなら伸びる」は本当か
好きなものこそ努力が必要
投稿元:
レビューを見る
確かにと納得できる点が多い。
でも、著者はやはりエリートとして見ているのねと思われる箇所もチラホラ。
格差社会については下側の人の意見の方が説得力があるが、そういう場も与えられないということかも。
結局は上からの視点ばかり。
かく言う自分もそうかも知れないが。
投稿元:
レビューを見る
@shinsyo_bot: 「文学」によって豊かになる感受性とは、自己の内面に深く沈潜する悲観的省察の類の情感であろう。『不勉強が身にしみる』長山靖生
投稿元:
レビューを見る
初めて読む著者。
歯科医をしながら、ライターとして活躍している人という。
じゃあ、エリートなんだな、と思うんだけど、ご本人的には「無識者」の立場だという。
子供以前に大人が勉強しなくなり、また努力の価値を軽視しているという指摘には、同感だけど。
ゆとり教育批判も、一芸で身を立てることを子供以上に熱心に期待する親とか、歴史は物語であることを自覚せよとか、一つ一つの話は、そうだなあ、と思うことも多い。
でも、全体として結局は帰ってきた教養主義、といった風情が漂う。
啓蒙主義的ともいえるかも。
ついている読書リストも、そういう感があるし、そのリコメンドコメントが、?ということもある。
例えば磯田道史の『武士の家計簿』。
この本が面白いのは認めるけど、江戸時代と言ったら、「まず押さえなければならない」か?
「まず」押さえなければならない理由が書かれていないし、個人的にはある程度理解が進んでから読んだ方が面白い本だと思うが。
投稿元:
レビューを見る
2005年刊。著者は歯学博士兼文芸評論家。主として大学への受験勉強の内容を学ぶ意義を各科目毎、さらには、学習自体の意義をも解説。著者の自省も踏まえられる一方、叙述は著者の教養に彩られており、非常に心に落ちる良書である。「ごまかし勉強」(藤澤伸介著)が批判する学習法を、当該書と同様に批判し、内容はまとも。新書を中心に掲げられている参考文献も良いものが多い。ちなみに、①梗概本の功罪、②歴史小説で歴史は学べない、③暗記数学は接触時間増、多様な解法の習得という「理解」に通じる意義がある等、他書の補完ともなりうる。
投稿元:
レビューを見る
http://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334033330